株式会社TCフォーラム
AP東京丸の内 マネージャー 山田祐介様
経営管理部 経営企画室長 飯島高浩様

導入後の効果
・スタッフや顧客の業務負担が大幅に軽減された
・申込書記載内容のミスや誤字脱字がほとんどなくなった
・仮予約から申し込みまでのリードタイムが短縮した
東急グループとして、ホールや貸し会議室「ミーティングスペースAP」を運営している株式会社TCフォーラム。その歴史は長く、1962年の大阪会館から始まり、現在は東京・横浜エリア14拠点、大阪5拠点、名古屋1拠点の計20拠点にまで拡大しています。
同社では以前、貸し会議室の利用申込書をExcelで1件ずつメールで顧客に送信していました。すると、Excelファイルをアップロードしたり、メールのステータスを確認したりする手間がかかり、担当者や顧客の負担に。結果、利用申込書の送信から締結までに時間がかかってしまうという課題がありました。
そこで、基幹システムの開発をきっかけに、システム連携が容易なクラウドサインを導入。API連携を活用することで、申込書作成に関わる業務フロー全体をデジタル化しました。
結果、利用申込書を電子化することに成功し、大幅な業務効率化につながったそうです。
同社のDX推進の取り組みについて詳しく話を伺いました。
クラウドサイン導入前はExcelとメールを利用、担当者の業務負荷に
2023年末にクラウドサインを導入し、2025年3月までに多くの契約書を電子化されています。具体的にはどのような契約書で利用しているのでしょうか。
飯島様
クラウドサインで送信している書類のほとんどは貸し会議室の利用申込書です。現在は主にリピーターの申込書を電子化しています。
クラウドサイン導入前の課題や、導入を検討するきっかけを教えてください。
飯島様
クラウドサイン導入前は、Excelを使って利用申込書をメールで送ってやりとりをしていました。その場合、毎回メールを作成してひな形をお客さまにお送りしなければいけませんし、お客さまからメールで受け取った後も、ファイルをダウンロードして、内容を確認して…という手間がかかっていました。締結のステータスを確認するのも負担です。やり方を変え、効率化したいと思っていました。
そして2023年ごろ、基幹システムを開発することになったので、API連携でうまく使えるものがあればと考えていたところ、クラウドサインを利用している方から「仮予約の期間が短縮されてとてもよかった」と聞き、当社でも導入しようという流れになりました。
導入の決め手は連携の容易さ。サポート体制にも満足
電子契約サービスを導入する際、他社と比較はしましたか。
飯島様
4社で比較しました。クラウドサインは他社と比べても、パッケージ化されている部分が多く、元々システムができあがっています。API連携を前提に考えた時に、導入しやすく、ブラッシュアップもしやすいことが選定の理由になりました。
API連携をするにあたってのハードルや苦労されたことはありましたか。
飯島様
あまりなかったですね。システム開発会社がすごく優秀で、パパッとやってくれたので、我々としては苦労はなかったです。もしかしたら裏では苦労があったのかもしれないです。ただ開発期間も全然長くなかったですし、大変でしたという話も聞いていません。
電子契約の導入をためらわれている企業や、まだAPI連携をしていない企業に何かアドバイスはありますか。
飯島様
クラウドサインはサポート体制がよく、困り事があった時にもすぐに回答してくれます。定期的に連絡もいただけるので、運用方法のブラッシュアップをする機会をいただけるのが大きいです。サポートが手厚いのが、本当におすすめできるポイントだと思います。
認知率が高いので、クライアントとのやりとりのなかでも、「クラウドサインならできますよ」というところが多いです。
山田様
信用があるのが一番だと思います。「クラウドサインを利用したい」といえば、お客さまにも承諾していただきやすいです。

▼API連携について詳しくはこちら
・電子契約サービスのAPI連携活用術|用途やメリット・具体例を紹介
締結フロー全体のデジタル化により工数が減るメリットを実感
クラウドサインを基幹システムとAPI連携したことで、どのような効果が得られましたか。
山田様
スタッフの手間、工数が減ったのが一番ですね。貸し会議室の運営にあたっては、お客さまからお申し込みを受けた後、仮予約をしたり、打ち合わせをしたりと何工程か踏まなければなりません。さまざまな工程があるので、ひとつでも工程を省けると、大幅にスタッフの負担が軽くなります。
基本的には、基幹システム上にお客さまのデータがすでにたまっているので、そこから申込書を自動で作成し、基幹システム画面からそのままクラウドサインで申込書を送信できます。
システム上から直接、申込書を作成・送信できるので、申込書の記載内容のミスや誤字脱字もほとんどなくなりました。
お客さまとしても、メールで送られてきたExcelをダウンロードして開いて記載する、という従来のやり方は負担になっていたと思いますが、クラウドサイン導入後は、メールから申込書の内容を確認していただき、同意ボタンを押すだけです。
手間を省けることで時短にもなっていますし、早々に申込書を確認しようと意識が変わってきてらっしゃるのかなという気はします。結果、仮予約からお申し込みまでの時間短縮につながっていると思います。
顧客の工数も減ることで、御社にもメリットはありますか。
山田様
クラウドサインで申込書を送ると、期日が書いてあるので、レスポンスが早くなりましたね。返信のし忘れということも減ったと思います。
社内の運用フローの変化はいかがでしたか。
山田様
社内でも特に問題はありませんでした。既存のExcel方式もそのまま残しつつ、クラウドサインでも便利に使っていただけるのはよかったと感じています。
お客さまの中にはまだ「クラウドサインで契約するのは難しい。申し訳ないですけどExcelにしてほしい」という方もいらっしゃるので、どちらかをお選びいただいてはいます。
すべての利用申込書をクラウドサイン化、業務効率の向上目指す
今後はさらなるクラウドサインの利用拡大も検討されているそうですね。
飯島様
はい、申し込み時の情報が不十分でも申込書が送れるようにして利用拡大をする予定です。現在は、利用申込書の作成に必要な情報が全て基幹システムに入力されていないとクラウドサインを送信できない仕様になっています。これでは、お客さまから情報を全部聞き出さないと利用申込書を送信できないので、スタッフにとっては面倒な部分もあります。
そこで、情報が不十分でも、利用申込書をお送りできるような仕様に変更する予定です。当社から利用申込書をクラウドサインで送信した後、お客さまに直接情報を埋めていただき、締結する。そして、締結完了した書類の情報を基幹システムに連携して、情報をためていくという仕組みを作っています。
これができると、より便利に現場で使ってもらえるようになると思うので、利用件数も増えるのではと考えています。
その実装が完了すると、新規顧客の利用申込書にもクラウドサインが利用できるわけですね。
山田様
はい、リピーターはすでに情報を把握していますが、新規ですと、電話で一から十まで情報を聞き出す必要がありますが、それは難しいです。お客さまに情報を入力していただく形が取れると、さらに申込書の締結フローが効率化されます。
今後のDX推進の展望を教えてください。
飯島様
基幹システムにお客さまのデータが蓄積されているので、それをどう生かすか、という点ですね。データを分析し、その結果をいかに営業や現場スタッフの運営に生かしていくか、というところに課題があります。また、AIを活用した仕組みについても構築している途中です。こちらを実現させることも一つの目標です。
※掲載内容は取材当時のものです。