サービス業

紙と電子の契約を「一元管理」できるクラウドサイン SCAN。保管書類の100%電子化により法務の事業貢献度が向上した理由とは

  • 2023年6月2日(金)

and factory株式会社
Corporate Administration Division / Risk Management Unit 中井英二 氏

 

創業期にある会社では、事業としての成長を優先し、社内業務の効率化は後回しにされがちかもしれません。電子コミックアプリや占いアプリを軸に、ホステル運営などの宿泊事業も展開するand factoryも、創業当時からの契約書が紙のままのものとファイル化したものが混在し、その管理に課題を抱えていました。新規事業開発を積極的に行っていることから契約書の数が多かったことも悩みの種。そこで、過去の全ての契約書、そして今後の新たな契約書も効率的に管理するべく、クラウドサインとクラウドサイン SCANを導入しました。

過去締結した膨大な契約書の大捜索を解消するためにクラウドサイン SCANの導入を進めた


まずはクラウドサインを導入したきっかけについて教えていただけますか。

テレワークの本格化が一番の理由ですね。クラウドサインのような電子契約サービスがあれば、印鑑がなくても自宅にいながらにして契約業務ができます。加えて、紙の書類のやり取りにはどうしても時間がかかるので、電子化すれば時間短縮にも繋がるだろうとも考えました。印紙代も不要になり、コスト削減を図れるというメリットもありますよね。

その後クラウドサイン SCANをご利用いただきました。

新たに契約する分はクラウドサインで電子化できますが、相手方によってはまだ紙の契約書を使用する場合もあります。また、当時すでに紙で締結した過去の契約書が1300件以上ありました。

独自にスキャンしてPDF化し、クラウドストレージに保管していたものもありましたが、それでも「ファイル名」でしか検索できなかったため契約書の検索性は低いままです。過去の契約書を遡って確認しなければならないときは探し出すのに大変な時間がかかることもありました。当時の状況を知る方に協力いただいて一緒にキャビネットの大捜索が始まることも……。

そういう無駄な作業をなくすためには別のツールが必要であると感じ、2021年の後半からクラウドサイン SCANの導入を進めました。他の契約書管理ツールとも比較しましたが、クラウドサイン SCANにした決め手は、やはりすでにクラウドサインを利用していたからですね。

紙の資料を渡すだけで、スキャン作業だけではなく「取引相手」や「金額」「契約締結日」などの書類情報の入力作業までしてくれる上、全ての契約書をクラウドサイン上で一元管理できますので。

「契約相手の会社名や契約締結日」をはじめ、書類に紐づく情報を登録してもらえるのは本当に助かっていまして、管理が効率化されることはもちろん、それらを検索条件に設定できるので、非常に便利ですね。

▼クラウドサインの詳細検索画面

クラウドサインの有料プランでは管理番号なども含めたさらに詳細な検索も可能

クラウドサインSCANを実際にご利用いただいていかがでしたか。

契約書の件数が1300件超、ページ数で言うと6000~7000ページ分と多かったこともあって、想定よりも少し時間がかかりましたが、しっかりデータ化されてクラウドサイン上で管理できるようになったので満足しています。スキャンする拠点のセキュリティ状況やシステム、書類の管理体制なども丁寧に説明していただき「これなら契約書の原本をお渡ししても大丈夫」という安心感がありました。

クラウドサイン SCAN導入により既存の契約書の棚卸しができた


現在はクラウドサインをどのような用途に活用されていますか。

件数が多いのは秘密保持契約書と、業務委託契約書ですね。基本契約書や個別契約書にも利用していますし、あとは業務提携に関する契約書や取締役会議事録にも使っています。

クラウドサインの活用を全社に浸透させるところではどんな工夫をされましたか。

導入当初は、社内にも電子契約になじみがない人もいましたので、理解してもらうために説明用の資料を作り、クラウドサインのWebサイトと合わせて社内に配布しました。クラウドサインは決して難しいものではないし、契約の相手方に大きな負担をかけるものでもない。

印紙代を削減でき、双方とも契約業務が楽になってスピードアップするものですよ、ということを訴えて社内普及を広げていきました。

私どもの会社にはこういったDXにつながる電子化は積極的に進めていくべきという考え方が土壌としてあり、特に電子化への抵抗や戸惑いはありませんでした。実際のところ、仕組みや使い方として複雑なところはありませんし、取り立てて工夫を凝らさなくても、簡単に使い始められるのがクラウドサインの優れた点だと思います。

クラウドサイン SCANの利点として感じるところは何かあったでしょうか。

クラウドサイン SCANを利用する際に、既存の契約書の棚卸しみたいなことができた、というのはありますね。創業直後はどうしても、書類の管理よりも事業を成長させていくところに意識がもっていかれがちです。

締結した契約書の中には紙の原本しかないものや、とりあえずスキャンしてPDFファイルになっているものなども含まれており、管理方法がバラバラで統一されていませんでした。クラウドサイン SCANを利用したことで、すべてきっちりスキャンされてクラウドサインに取り込まれ、検索もできるようになったのは本当に良かったです。

保管は100%電子化、事務作業の大部分を削減しビジネスをスピードアップ

現在の契約書の電子化の割合はどれくらいでしょうか。

締結した契約書はすべて電子化していますので、少なくとも保管については100%と言えます。ただ相手方によってはまだ紙での契約が求められる場合がありますので、その場合は従来の通り紙でやり取りして、当社内でスキャンし、クラウドサインの書類インポート機能で取り込んでいます。

電子化による手間の削減、作業時間の短縮といった効果を感じるところはありますか。

紙の契約書のときは、とにかく業務が煩雑でした。プリントアウトして、製本して、2部作って、署名・押印して、ポストに投函して……と、手間と時間がかかります。しかも、進捗状況や今書類がどこにあるかがわからなくなったりもする。クラウドサインを一度使い始めると、もうその時代には戻れませんよね。

新たに締結した紙の契約書も書類インポート機能で取り込んでおけば、検索するだけで社内にある全ての契約書のなかから目的の契約書をすぐに取り出せますし、社内から契約書の内容について問い合わせがあったときも素早く対応できるので、業務のボトルネックも解消します。

▼「書類インポート機能」操作画面

クラウドサインのコーポレートプラン以上でご利用可能な「書類インポート機能」。紙で締結した書類のPDFファイルをアップロードし、クラウドサイン上で一元管理することが可能

おかげで以前と比較して週に数時間程度は、契約書に付随する業務を削減できています。契約締結まで1週間かかっていたようなものも、せいぜい1〜3日で終わるようになり、ビジネスのスピードアップにも間違いなく繋がっています。

クラウドサインで契約書が電子化され、保管状況も100%電子化したことで、法務部門としては具体的にどんなメリットを感じていますか。

契約って、締結した直後に問題が起きることはあまりないですよね。問題が起きるとすれば、たとえば1年後とか2年後とか。契約更新するときなどに「これってどうだったっけ?」という疑問が湧いて、そこで確認が必要になるわけです。そこで契約書が紙のままだと、先ほど言った通り大捜索が始まってしまうわけですが、データ化されていれば即座に検索して見つけられます。

以前は契約書自体を管理するために契約管理台帳をMicrosoft Excelで作成し記録していました。しかし、それだと記入漏れや、中身が微妙に異なるバージョン違いのファイルが存在していて混乱したりなど、いろいろな問題がありました。でも、クラウドサイン SCANを導入したことでその契約管理台帳も廃止できました。手間のかかる事務作業は全般的にかなり削減できたと思います。

煩雑だった事務作業が減り、それで浮いた時間を別のことに有効活用できるようになったというようなことはありましたか?

代わりに契約書の審査に時間を割けるようになりましたね。当社は新規事業が多い会社でもあって、そのために事業部の社員と一緒に契約書の内容を詰めていくことが頻繁にあります。ただ、これまでにない新規事業なので、以前の契約書のひな形をそのまま使い回せることはほとんどありません。そのすり合わせのためにも事業部の社員とミーティングが必要なのですが、そういうところに時間を使ってじっくり検討できるようになりました。

紙の契約書のときは、事務作業の時間を取り戻すために残業となって跳ね返ってくる、ということも少なくありませんでした。

バラバラなシステムを統一的なプラットフォームで一元管理へ


クラウドサインを含め、今後社内でのDXをどんな風に広げていきたいと考えていますか。

現在はクラウド型のコラボレーションツールで契約審査の受付を行い、契約書の稟議申請には別の電子稟議システムを使っています。稟議の通った契約書はクラウドサインで送信し、相手方が他の電子契約サービスを使っていればそれに合わせてやりとりして、最終的に契約書はクラウドサインとクラウドストレージの2箇所に保存する、という流れになっています。

そんな風にまだシステムがバラバラになっているので、いずれはこれを統一的なプラットフォームで一元管理したいですね。あとはAIを使った契約書レビューの仕組みも導入できれば。簡単な問題への対処はAIにある程度任せて、その代わり事業と法律が密接に絡むような部分で、丁寧な対応が必要なところに人の手をかける。そういった合理的な業務に進化させていきたいと思っています。

これからクラウドサインやクラウドサイン SCANを活用しようと考えている方に向けて、アドバイスやメッセージをいただけますか。

クラウドサインを導入するときに考えておくべき大事なポイントは、契約の主体となる社内の事業部の人、あるいは契約の相手方に対して、何がメリットとして提示できるのか、だと思います。双方が「これは導入した方が絶対に便利だな」と思えるような、説得力のある話をしたいですよね。そのための材料として弁護士ドットコムが提供している資料も活用できますから、社内外に導入を提案するときに役立ててみてはいかがでしょうか。


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