学校法人追手門学院
総務部 総務課 小倉久美子様
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認定こども園から小・中・高等学校に大学・大学院までを擁する、実に130年以上もの長い歴史を誇る大阪府の学校法人追手門学院。同学院は2025年度に事務機能などの移転を控えており、DXツールを積極的に取り入れた働き方改革を推進してきました。
改善すべき業務の1つとなっていたのが、契約書のレビューです。そこで、AIリスクチェック機能をもつクラウドサイン レビューを導入し、高まり続けていたひとり法務の業務負荷軽減を図りました。
「未来の働き方」を検討するなかで探し当てたツール
クラウドサイン レビュー導入以前は業務においてどんな課題がありましたか。
当学院には法務専門の部署は存在していません。以前は法務的な業務について明確な担当者がいなかったので、学院内のいろいろな課から総務課に対して契約書のチェックを依頼されて、依頼を受けた人が個人的に対応していくような形だったようです。
私が配属されたのが2021年4月で、私自身も配属後から法務の仕事を勉強し始めたのですが、ちょうどその頃、学院全体で「未来の働き方プロジェクト」がスタートしました。2025年度に学院の事務機能の大半を別のキャンパスへ移転することをきっかけに、新たな職場環境を作っていこうという取り組みです。
「未来の働き方」を実現していくためには、あらゆる業務において固定概念をなくし新たな価値を作りあげていくことが重要ではないか、と私たちは考えました。たとえば総務課では契約業務をはじめさまざまな事務作業が属人化しているという問題がありましたから、そういった部分を解消したいと思ったのです。
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学院全体でDX化が急務だったわけですね。
総務課の専任職員は私を含めて5名だけで、学院の規模からすると少人数です。ですので、単純な事務作業はなるべくアウトソーシングしたり整理したりしていって、人の手をかける必要がある業務を総務課が担当する、というのが「未来の働き方」の基本的な考え方になりました。
クラウドサイン レビューを知ったきっかけは何でしたか。
総務課に配属されてから、私ひとりで契約書のレビューをしていたところ、「未来の働き方プロジェクト」を推進している他部署の方が展示会で「クラウドサイン レビューというサービスを見つけた」と教えてくれました。そのことがきっかけで、導入を検討することになりました。
導入はスムーズにいきましたか。
ツールとしては「すごく良さそうだ」と総務課全員で話していたのですが、予算取りがネックになりました。クラウドサイン レビューの話があった頃は、すでに次年度予算の要求が終わっていたのです。結果的にはなんとかやりくりして導入できたのですが、キャンペーンで初期費用を抑えられたのも大きかったですね。
「未来の働き方プロジェクト」の影響もあって、どんどん業務を見直していこう、という機運が高まっていたことも後押しになったのだと思います。
AIレビューのみと、人によるレビューが選べるワークフローを整備
現在、クラウドサイン レビューをどのように活用されているか教えてください。
契約類型としては業務委託契約、雇用契約、工事請負契約などがありますが、一番多いのが業務委託契約です。たとえば教員や事務スタッフ、クラブ活動のコーチとも業務委託契約を締結しますし、近年は産学官連携が盛んなこともあって研究に関わるところでの契約締結も増えています。
本学院は認定こども園から大学院までありますので、学院内で扱っている契約の数はかなりの数に上ります。そのうち私のところにレビュー依頼が来るのは月平均20件ほどです。
ワークフローで依頼が届くのですが、この際に選択肢として「AIレビューのみ」と「目視レビューあり」の2つを設けました。「AIレビューのみ」で依頼されたものは、私がクラウドサイン レビューにかけて、AIで指摘されたコメントをそのまま依頼者に戻しています。
「目視レビューあり」の依頼については、場合によってはクラウドサイン レビューでもチェックしつつ、目視で確認したうえで私自身がコメントを入れて戻す形にしていますね。
また、学内のポータルサイト上で、AIによるリスクチェックを解説するFAQを公開し、AIレビューを使う上での注意事項も周知しています。この取り組みにより、学内で契約書チェックにAIを使うことへの理解も深まっているのではと思います。
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他によく使う機能があれば教えてください。
AIリスクチェック機能とともに重宝しているのは、文書比較の機能です。学内の規程を改正するときや、学部設置の申請書類を文部科学省に提出するときなど、ひな型や修正前の文書と比べてどの部分に違いがあるのかを確認するのに役に立っています。
文書比較は契約書と関係のない書類でも使えるのがすごく便利ですよね。学内の規程改正は契約書のレビューよりも数としては多いので、かなりの効率化に貢献していると思います。
プレッシャーがあるなかでも自信をもって対応できるように
クラウドサイン レビュー導入の効果を感じられるところはありますか。
まず、以前より契約書のレビューにかかる時間は間違いなく短縮できていると思います。
総務課に配属された最初の頃はレビューにものすごく時間がかかっていました。
ひとつずつ全部読み込んだうえで、現契約があるものについてはそれも読み込み、自分だけで判断が難しいときは上司に確認したり、顧問弁護士の方に相談したりすることもありました。それこそ1件のレビューに丸1日かかることもあったくらいです。
今は、私が最初から最後まで目視でレビューする場合は1週間程度時間をいただいていますが、「過去の契約と似た内容なので念のためチェックしてほしい」とか「急いで契約する必要がある」といった場合は、クラウドサイン レビューのみで対応して、1、2日でお返しするようにしています。
定性的な効果もお聞かせください。
契約書のレビュー担当者として、私自身の気持ちが楽になった、という点が挙げられます。学生のときに法律の勉強をしていたわけではなく、偶然総務課に配属され、1から勉強して対応してきたのでなんとなく不安がありました。ほとんどひとり法務のような体制ですし、仕事なので当然「完璧にこなさなければ」というプレッシャーもあります。しかし、クラウドサイン レビューを利用することで自信をもってレビューし、依頼元に返すことができるようになりました。
また、クラウドサイン レビューのAIが指摘した箇所を見て「こういう条文の、こういう部分を検討しておくと良かったのだな」という勉強にもなるので、スキルアップにもつなげられる学習ツールとしても使いやすいと感じています。
業務委託契約が多いとのことでしたが、それ以外のところで役に立ったシーンはありますか。
めったに発生しない契約で、クラウドサイン レビューに助けられることもありますね。たとえば、リース契約は年間を通じてまれにしか発生しません。そのチェック依頼が来たときにはどうしようかと焦りましたが、クラウドサイン レビューがリース契約のリスクチェックにも対応していましたから、それですごく安心しました。
産業廃棄物の廃棄に関わる産廃契約もそうです。今は移転に向けてキャンパス内で工事が進んでいることもあって産廃契約が多く発生しているのですが、慣れないと難しく感じる部分もあるのですよね。これまでは自ら法律をしっかり理解したうえでレビューしていたので負荷が大きかったのですが、今はクラウドサイン レビューの機能にずいぶん助けられています。
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レビューに不安を感じている学校法人やひとり法務におすすめ
最初の目的だった「属人化からの脱却」という点ではいかがでしょうか。
属人化からの脱却に向けては他にもいくつか課題があって、まだそこには完全には至っていません。たとえばAIの指摘内容を読み解くにはある程度知識が必要になってきますし、1年に数件しか契約が発生しない部署では知識を蓄積していくのが難しい場合もあります。
学内セミナーを開くのも選択肢のひとつですが、全員がスキルや知識を身に付けられるとも限りません。属人化からの完全脱却はすぐには難しいかもしれませんが、クラウドサイン レビューを活用しながら、諦めずに改善を図っていきたいですね。
クラウドサイン レビューはどんな組織におすすめできると思いますか。
私たちのように法務専門の部署をもたない小~中規模の学校法人や、法務に関わる業務がワンオペになってしまっているところにおすすめです。
契約業務は責任重大で、私も初めはすごく不安でした。でも、仕事ですから担当である限りはいいレビューがしたいと思うものです。そこにツールを導入することで業務の見直しにもつながりますし、何より精神面で安心できるのが大きいですよね。クラウドサイン レビューがあれば不安なく取り組めるようになりますので、ぜひ試してみていただきたいです。
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※掲載内容は取材当時のものです。