宗教法人円満院
総務部次長 丸山様
埼玉県の所沢市と蕨市に寺院を構える円満院。同院は、県内では数少ない納骨堂「円満院蕨分院納骨堂 アルガ(Argha)」を2024年に新規開設し、その販売に関わる契約締結に、クラウドサインの代理店であるりそなデジタルハブ株式会社様のご支援のもと、クラウドサインを導入しました。
スピーディに締結できることに加え、電子化によって家族内で情報共有しやすくなるというメリットが利用者の安心感にもつながっています。
高齢の契約者様にもメールアドレス取得がスムーズに可能なフローで運用
どのような用途でクラウドサインを利用していますか。
当院では2023年10月からアルガという納骨堂を開設し、屋外のガーデン型と室内の参拝室型の2タイプからお選びいただく形で区画販売しています。その販売開始当初から、お客様とのすべての契約にクラウドサインを利用してきました。納骨堂の申込書、重要事項説明書、志納金明細書、規約・約款という4種類の書類に活用しています。
参考までに契約締結までの流れを教えてください。
最初にお客様に現地をご見学いただき、ガーデン型と参拝室型のどちらにするか、1人用か複数人用かなどを決めていただいたうえ、対面でタブレット端末を操作して申し込みと契約手続きをしていただきます。
それから3日以内に契約者様にご登録いただいたメールアドレス宛にクラウドサインで契約書を送信しますので、承認された後、30日以内に料金をお振り込みいただければ契約締結完了です。
当院側の基幹システムとクラウドサインとはAPI連携しています。契約者様がタブレットに申込情報を入力すると基幹システムにその情報が登録されますので、その情報を元にクラウドサインで契約書を送信できる仕組みにしました。
電子契約を利用するためにはあらかじめメールアドレスを取得する必要がありますが、契約者様の手間にはなっていませんか。
当院とご契約いただく方のほとんどは納骨堂のある現地に2回いらっしゃいます。初回は契約者であるご本人様に納骨堂を見学していただいて、それから自宅に戻って息子さんや娘さんと相談していただき、2回目にお越しいただいたときに契約手続きという流れです。
初回の見学時には「次回契約時に身分証明書とメールアドレスが必要になります」とお伝えしていることもあり、スムーズに電子契約できていますね。
クラウドサインによる契約は手間なくスピーディ、家族内で検討の時間もとりやすい
電子契約の件数など、現在の利用状況についてはいかがでしょうか。
平均的には月あたり20~30件ですが、直近の2024年10月は100件超と大きく伸びました。納骨堂が完成したのでチラシで広告し、内覧会を行った影響かと思います。
実物を見てから購入したいという方に多くお越しいただき、当初想定していた計1300基に迫る約1000基をすでにご契約いただけましたので、基数を増やせるよう市に申請しているところです。
クラウドサインのメリットを感じているところがあれば教えてください。
最初から電子契約でしたので紙契約との比較はできないのですが、スピーディに契約締結できるように思います。紙書類ですと契約者様に印鑑を用意していただいたり、書き間違えてやり直したりといった時間のかかる場面がどうしても出てきてしまいます。そういった面倒がないクラウドサインの方が、お客様にとっても我々にとっても利便性が高いですね。
契約書は紙で締結したい、という方はいらっしゃいませんか。
紙を希望される方はごくまれにいらっしゃいますが、ほとんどの方には電子契約で問題ないと言っていただけます。契約者様からすると、納骨堂は自分たちが亡くなった後に子供たちがお参りできるようにするものですので、最終的には契約者様のお子様方の意志も重要になってきます。そうするとアナログで管理しにくい紙契約よりは、自分たちだけでなく息子さん・娘さんにもメールで届いて紛失することの少ない電子契約の方が安心できる、と感じられる方が多いようです。
また現地で紙書類を使って契約するよりは、電子契約の方が、ご自宅で契約書の内容を確認したり、息子さん・娘さんと家族会議していただいたりなど、じっくりご検討いただける時間がとれます。そうした点でもクラウドサインによる電子契約にはメリットがあるように思います。
電子契約ならではの課題には柔軟に対応
クラウドサインの操作方法がわからないなど、お客様から問い合わせを受けることはありませんか。
スマートフォンかつフリーのメールアドレスを登録される方が多いのですが、スマートフォンですと約款などの文字が小さくて読みにくいと感じられたり、迷惑メールと判定されて届かないと勘違いされたりするケースがまれにあります。
その場合は当院から印刷した約款を郵送することもありますし、息子さん・娘さんに印刷していただくこともあります。迷惑メールはその設定を解除するよう案内するのはもちろんですが、難しいときは息子さん・娘さんのメールアドレスで受信していただく形で対処しています。
貴院のなかでは書類を電子化したことによる戸惑いはなかったでしょうか。
契約業務は3人で担当しています。そのうちIT関連のスキルをもっている1名が中心となって対応していることもあり、とくに戸惑いはありませんでした。ITの経験が浅い他の2名の担当者も迷うことなく利用できていますね。
今後は、契約の更新も定期的に発生することになるのでしょうか?
当院では基本的に10年間納骨堂でお預かりして、10年経過時に必要であれば延長の契約手続きを行い、延長されない場合は永代供養させていただきます。長期のお付き合いになりますので、その意味でも契約書をしっかり管理できるように電子化しておくことが大事です。
クラウドサインのなかで特に便利だと感じている機能はありますか。
送信済み書類の「リマインド機能」ですね。契約者様がお忙しくてメールで届いた契約書の確認ができずに電子契約の依頼メールが期限切れになってしまうこともありますので、その際にはリマインド機能ですぐにメールを再送してご確認いただいています。
家族間の情報共有だけでなく後々のトラブル回避にも効果的な電子契約
墓地霊園業という領域で、これからクラウドサインを導入しようと考えている方に向けてメッセージをお願いいたします。
契約者様が霊園や墓地を購入して準備されていても、そのご家族である息子さん・娘さんが契約内容を知らないことが大変多いです。「契約内容を覚えてない」あるいは「紙の契約書をどこにしまったかわからない」というケースがしばしばあって、お参りされるとき、代々受け継いでいくときの支障にもなりかねません。
クラウドサインで契約を電子化することで、メールで届いた契約書の管理を息子さん・娘さんに託すこともできますし、印刷して契約者様のお手元に残しておくこともできます。それによってご家族みなさんで契約の内容をきちんと理解でき、いつでも再確認できるのは大きな利点です。
墓地霊園業では、多くの場合はご高齢の方との契約となります。契約者様だけが紙書類をやり取りする形ですと、息子さん・娘さんに「高齢者が理解できるように説明したのか」といった疑問を抱かれて後々トラブルになる可能性もあるかもしれません。
その点、クラウドサインで電子化していれば、息子さん・娘さんにも契約書の内容を簡単に共有できますから、何世代にも渡って安心して利用していただけるのではないでしょうか。
※掲載内容は取材当時のものです。