株式会社マクアケ
開発本部 山田史朗様
プロジェクト法務局 榊原かれん様
プロジェクト法務局 河 泳周様
導入後の効果
・クラウドサインとkintoneの連携により実行者とのやり取りの往復や記入ミスを減らし、きめ細かいステータス管理が可能に・データがすべてkintone上に格納されるようになったことで、申込書の内容と請求金額の突き合わせの際に個別の保管場所に探しに行く手間も削減
最新ガジェットや付加価値の高いグルメ食材などのプロジェクトを掲載し、それらをファンが応援購入できるWebサイト「Makuake」を運営しているマクアケ。同社ではそこから生まれたさまざまなジャンルのヒット商品を展示・販売するリアルイベント「Makuakeミライマルシェ」も定期的に実施しており、プロジェクト実行者による多数の出店と来場者で賑わいます。
しかしながら、Webサイト上にプロジェクトを掲載するクライアント(実行者)は膨大な数に上り、イベント出店でも煩雑な書類のやり取りが必要なことから、契約業務が大きな負担になっていました。そこで同社は、顧客管理等に利用しているサイボウズのクラウドサービス「kintone」と連携して電子契約できる「クラウドサイン MAKE for kintone」を導入。契約業務の効率化により、作業負荷の大幅低減を実現しました。
大量の申込書の処理やミス発生時の巻き直し、進捗把握に課題
クラウドサインを導入した経緯を教えてください。
河様
我々プロジェクト法務局は、主要事業である「Makuake」で月に700~800件もの申込書を扱います。これだけ数が多いとオペレーションをいかに効率化するかが大事で、kintone上の顧客管理データとどう連携して処理しやすくするか、というところが電子契約サービスを選定するうえでは最も重視する部分になります。
クラウドサイン以外の電子契約サービスでもkintone連携が可能なサービスはありましたが、決め手となったのは、導入にあたりきめ細かくアドバイスいただけたことです。担当の方にオペレーション設計をはじめ、kintoneの機能をどう使いこなすかまで一生懸命考えていただけました。
導入後もオペレーション周りはこうやってずっとブラッシュアップし続けることになるだろうな、という観点で見たときに、クラウドサインの相談のしやすさやサポート面の充実度は魅力的でした。
イベントの出店申込書でもクラウドサインを導入していただきました。
山田様
プロジェクト実行者様のイベント出店の申込書については、以前はPDFで作成した申込書をクラウドストレージにアップロードしておき、それを各社様にダウンロードしていただいて、プリントしたものに手書きで記入して押印後、再びPDFにしてメールで送っていただく、という形になっていました。
その内容を当社のプロジェクト法務局が確認したり、イベント開催に申込みが間に合うように進捗確認の連絡をとったりしていたので、手間やコストがものすごくかかっていた、と当時の担当者から聞いていました。すでに主要事業でクラウドサインを導入していましたから、それならイベント出店時の申込書もクラウドサインに切り替えればいいのでは、と考えました。
実行者様にWebフォームで情報を入力・送信していただき、その情報から当社で申込書を作成して、内容確認後にクラウドサインで発行し、具体的な出店に向けたステップに移る。そういった流れにすれば、お互いの負担を減らせます。
一番大事なのは、実行者様の手間をいかに少なくするかです。以前は記入ミスがあったときに作成し直しになって二度手間、三度手間になってしまうこともありました。イベント事務局側も、メールで届かない限りは実行者様が申込書をダウンロードしたのかも、記入し始めているかどうかもわからず進捗を把握できません。クラウドサインで電子化することで、そうした課題を丸ごと解決できると思いました。
複数回の説明会開催がスムーズな導入を後押し、運用上の独自の工夫も
導入ハードルが高いと感じるようなところはありませんでしたか。
河様
最初は、人によっては「そもそも電子契約って何?」くらいの認識でしたので、実行者様とやり取りする営業担当者が集まる定例ミーティングのなかで、弁護士ドットコムの方に詳しく説明していただきました。それで営業担当者の理解も深まったように思います。
我々プロジェクト法務局も電子契約サービスを実務で利用するのは初めてでしたから、こちらも弁護士ドットコムのカスタマーサクセスの方に説明会を開いていただきました。電子契約する際の気になるところや疑問などを解消できたので、本当に助かりましたね。
運用方法を検討していくなかで工夫したことは?
榊原様
実行者様には大企業だけでなく、中小企業や個人経営の方もいらっしゃいます。クラウドサインで電子契約するときにはメールアドレスが不可欠ですが、大企業の方であれば会社ドメインのメールアドレスなのでわかりやすいものの、個人経営の方だとフリーメールを利用されていたりして、本当に契約者ご本人かどうかの判断がつきにくいことがありました。
そこで、Webフォームに別途契約担当者の欄を設けて、申込書の文言も調整しました。さらに申込書確認時の社内ルールも細かく整備して、全員が一定の基準のなかで判断できるようにした、というのが工夫の1つかと思います。
kintone連携で申込書の記入ミスや手間を減らし、きめ細かいステータス管理が可能に
導入による効果を実感しているところはありますか。
榊原様
プロジェクト法務局では、クラウドストレージに置いている応援購入プロジェクトの申込書を実行者様にダウンロードしていただき、プロジェクト公開までに必要事項の記入と押印をして送っていただく、という流れにしています。
最後にその内容を我々が確認するわけですが、公開日が迫っているのに内容に不備があると修正が必要になってバタバタしてしまうので、我々だけでなく実行者様の方も大変です。そこをクラウドサインで全て電子化して、kintone上で管理できるようになったことで、記入ミスや作成し直しを大幅に減らせています。
あとは申込書の内容をアップデートしやすくなったところですね。以前はクラウドストレージにある申込書を差し替えたときに、いつまで古いバージョンの申込書がOKで、いつから新しいバージョンのみ受け付けるようにするか、という取扱ルールを決める手間がかかっていました。ですが、クラウドサインではこちらから常に最新版を送付する形になるので、そうした手間も発生しなくなっています。
イベントの申込書における導入効果についてはいかがでしょう。
山田様
kintone上で実行者様のステータスが全部わかるようになったことですね。実は申込書や契約書だけでなく、最後に発行する一部の請求書にもクラウドサインを利用しています。こうすることで、申込みが完了しているステータスの方に対しては契約書を送り、契約締結が完了しているステータスの方には請求書を送る、という判断がしやすくなります。
請求書をクラウドサインで発行すると、実行者様がダウンロードしてその請求書を見てくれたかどうかが把握できますし、振込期日直前になってもまだダウンロードや署名をしていない方には確認を促すご連絡もできます。
昨年は入金のステータス管理もアナログ作業で大変だったようですが、今年は着金確認までスムーズにできています。データがすべてkintone上に格納されるようになったので、申込書の内容と請求金額の突き合わせをするときも、いちいち個別の保管場所に探しに行かずに済むようになりました。
それと、ある農家の方からは、クラウドサインのおかげで作成した申込書をいつでも確認できてありがたい、というお声もいただいています。パソコンが苦手なのだそうですが、それでもすごく便利になったとのことで、導入して良かったなと思いましたね。
その他、機能面で特に便利に感じたところはあるでしょうか。
山田様
kintone上の特定の情報を元に、発行する申込書の種類を自動で切り替えられるようになったところは、当社の営業担当者は便利に感じているのではないかと思います。
ほとんどの場合は一般的な内容の申込書で、特定の条件のときだけ異なる内容の申込書が必要になるのですが、人が目で見て判断する形だとうっかり誤った内容の申込書を発行しかねません。kintoneとクラウドサインを連携したことで、そういったミスもなくなっています。
クラウドサインにはSalesforceと連携する仕組みもありますので、CRMツールをkintoneではなくSalesforceにする選択肢もあります。が、そうすると中小企業にとってはコストがかさみますし、活用しきれないと投資が無駄になってしまいます。その意味で、クラウドサインとkintoneの組み合わせは、会社に対して導入の説得をしやすいコストパフォーマンスの高いシステムでもあるように思います。
インボイス制度や電子帳簿保存法への対応もクラウドサインで
クラウドサインの活用拡大など、今後の展望について伺えますでしょうか。
山田様
当社の事業のなかでは他にもいろいろな申込書があります。たとえば広告出稿に関係するところでも別の申込書をいただいていますので、そのあたりにもクラウドサインの活用を広げていきたいと思っています。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応に絡む経理関連の書類もクラウドサインで発行できるようにすれば、さらに業務負荷を減らせそうです。
イベントの申込書はひとまずクラウドサインでルーチン化できましたので、それを元にリアル・オンライン含めて、今後のイベントの申込書や契約書でも積極的に活用していきたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。