トラコム株式会社
DXチーム 伏見知七子様
DXチーム 岡本優奈様
電子契約サービスを導入するにあたり、ハードルとなるのがCRMツールなど既存システムとの連携です。現在の業務フローに電子契約という新たな要素を加える場合、既存システムと連携させるのが最も効果的ですが、そのためにはフローの再設計や実開発など手間のかかる作業が必要になります。
求人広告の出稿代行などで企業の採用活動を支援しているトラコム株式会社も、CRMツールとしてSalesforceを活用。すでに他の電子契約サービスも利用していましたが、コストや連携の面で課題を抱えていました。より低コスト、かつ効果的なシステム連携で生産性を上げたいと考えていた同社が選んだのは「クラウドサイン Sales Automation」でした。
ツール選定ではシステム連携やサポート面を重視
「クラウドサイン Sales Automation」の導入背景について教えてください。
伏見様
2年ほど前、もともと利用していた電子契約サービスの更新時期だったこともあって、乗り換え先を検討していました。当時は、今後の業務を見越したときに電子契約の送信件数が大幅に増える見込みで、そうなると送信コストが見合わなくなる懸念がありました。他のサービスを検討してみるべきではないかということで、いくつかの電子契約サービスを比較することにしました。
もう1点、以前の電子契約サービスは規約文が英語になっていたのも悩みでした。当社のお客様には個人の方、それこそご年配の方もいらっしゃって、最初に英文を目にすると戸惑われることもあります。サービス提供元に日本語訳の提供を要望しても反応が薄く、規約文というセンシティブなものを私たちが翻訳するのもハードルが高いので、抱えている課題を解決できないもどかしさがありました。
何が選定ポイントになり「クラウドサイン Sales Automation」の導入を決めましたか。
伏見様
条件としては、コストを抑えつつ安定稼働してくれるサービスが第一。加えて、Salesforceなど社内で利用しているシステムとの連携について開発や設計を主導していただけるかどうか、さらには後々私たち自身が内製・管理できるようにサポートしていただけるかどうかも重視していました。
そうしたなか弁護士ドットコムに直接相談させていただいたときに、トラコムには「クラウドサイン Sales Automationが適しているのでは」とご提案いただきました。当社は社内システムの都合上カスタマイズするところが多くなりがちです。たとえば求人広告の出稿先や内容などに合わせてさまざまな体裁の申込書・契約書が必要で、それに柔軟に対応できなければなりません。そう考えると、たしかに「クラウドサイン Sales Automation」がコスト面も含めて最適だと思いました。
システム連携も任せられるか、というのも重要だったわけですね。
伏見様
そうです。システム導入についてはプロであっても、Salesforceと連携したいとなったときにSalesforce側で何をしなければいけないか、何ができて何ができないか、といった点まで判断できるベンダーは限られています。社内で対応するのも不安がありましたので、弁護士ドットコムの経験豊富な方にしっかりサポートしていただける、というのはかなりの安心材料でした。
導入はスムーズ、若手中心に社内普及が一気に拡大
現在はどのような業務フローになっていますか。
伏見様
採用活動をされている企業などのお客様から求人広告出稿のご依頼をいただき、それに沿って求人サイトに広告掲載を申込書で申し込む、というのが当社の業務の基本的な流れです。
そのために当社の営業担当者がお客様との契約に必要な情報をSalesforceに登録して、Salesforceの管理画面に配置しているクラウドサインの送信ボタンを押すことで、申込書や契約書が自動で作成され、そのままお客様のもとにクラウドサインが送信されるようにしています。顧客管理システムとクラウドサインを連携したことで、1クリックで申込書や契約書が送られるようになりました。
契約締結が完了すると、メール通知とSalesforce内の表示で気づける仕組みにもなっています。申し込み・契約まわりの業務はほぼ営業担当者1人で完結できるイメージです。
導入や活用を進めていくなかで苦労したことはありませんでしたか。
伏見様
特に苦労はありませんでした。私はいくつかある当社拠点のなかでも従業員数の多い大阪にいるのですが、導入後に営業担当者が試して「これは使える」ということがわかったら、自然と社内に広がりましたね。特に若手社員が率先して使い始めていました。
岡本様
私がいる福岡の拠点は営業担当が6人と小規模ですが、こちらも特に混乱もなく、すんなりと活用が進みました。
伏見様
現場からは、お客様もすでにクラウドサインを知っていてやりとりがスムーズに進んだ、という声もありますし、契約書の送信後、お客様へ操作手順を電話で案内するときもすごく簡単になった、といった報告ももらっています。契約書の送信から締結までのリードタイムはもちろんのこと、お客様側での待ち時間も減って、「クラウドサインはいいね」とお客様からも言っていただけています。
契約締結にかかる時間は半減、システム連携でコストダウンも
具体的な導入効果について教えてください。
伏見様
送信件数は1か月あたり数百件になっています。もともと別の電子契約サービスだったところからの置き換えですので、「クラウドサイン Sales Automation」になったことで極端に件数が増えたわけではありませんが、お客様との契約締結のスピードは早くなりました。
以前は契約1件あたり平均0.9日かかっていたところ、「クラウドサイン Sales Automation」導入後は平均で0.7日、直近の1カ月間は0.4日に短縮しています。朝に契約書を送信すると夕方には締結完了していたり、夜までに送信したものが翌朝の出勤時には締結できていたりします。
また、以前は送信後にミスを見つけて送信し直しになるなど“無駄打ち”も多かったのですが、Salesforceと連携していることでSalesforce側での防止策も効かせることができ、再送信が必要になるミスはずいぶん減りました。そういった部分でも営業の効率は良くなっています。
何か不明点が出てきたとき、クラウドサインの担当の方に相談するとすぐに回答をもらえて、きちんと理解しながら使えるようになったのも大きいですね。
岡本様
それ以外では、求人サイトに提出する申込書の送信に必要な手間も減っています。たとえば求人サイトごとに求人広告掲載に必要な申込書の体裁が異なっていて、同じサイトでも内容によって異なるパターンになることがあります。
そのテンプレートを複数種類作り、適切なパターンを選んで送る必要があるうえ、求人サイトで新商材ができると、それに合わせてキャンペーンを組んだりするのでまた新たなパターンを作らなければいけません。
以前はExcelシートに1つ1つ手作業でデータを入れてシステムに流し込む仕組みでしたから大変な手間がかかっていました。でも「クラウドサイン Sales Automation」になってからは、Salesforceとの連携によって、すでに登録されている情報をもとにテンプレートが作られ、ほとんど手間がかからず申込書ができあがります。その部分の人件費はかなり削減されたように思います。
求人はスピードが命、迅速な対応に電子契約は不可欠
おふたりの社内での所属がDXチームということで、社内のDXを今後どのように進めていくかなど展望がありましたらお聞かせください。
伏見様
当社はSalesforceありきの業務になっているところがあります。Salesforceをデータソースとして、営業に限らず社内のさまざまな部署で活用できるように広げているところです。そのデータやクラウドサインなどのツールを元にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のような自動化を進めることも考えられます。各部署の業務や売上を把握して、お客様との契約から請求まで一貫して管理できるように、スピード感をもってシステムを整備していければと考えています。
最後に、人材関連のビジネスを展開している企業に向けてメッセージをいただければ。
岡本様
クラウドサインは知名度があり、お客様がすでに知っていることも少なくありません。その意味でも導入のハードルは低く、数ある電子契約サービスの中でも導入しやすいサービスですよね。
伏見様
我々が扱っているような求人広告は「スピードが命」でもあります。「今すぐ掲載したい」「遅くとも来週には募集開始したい」とお客様から依頼されることは日常茶飯事です。そうしたときには、お客様に対して最適な掲載先・掲載内容などを提案しつつ、申込書を素早くやりとりしなければなりません。こういった業務においては「クラウドサイン Sales Automation」が生産性向上や顧客満足度に大きく貢献してくれるのではないでしょうか。
※掲載内容は取材当時のものです。