株式会社エイジス
営業部 掛端晃嗣様
人事総務部 手塚勝也様
棚卸しや店舗改装、商品補充など、小売店舗の運営業務を支援しているエイジス。近年は図書館の蔵書点検、地方自治体の備品管理といった領域にも手を広げ、海外にもグループ拠点を多数抱えるなど、事業を急速に拡大しています。それに伴って増加してきたのが、契約業務をはじめとする紙書類のやりとり。業務負担の増加に加え、収入印紙などのコスト負担も大きくなってきたことからクラウドサインを導入しました。今や押印が必要な社内書類の多くをクラウドサインで電子化し、取引先との契約も着々と電子契約化が進んでいます。そんな同社の、電子契約をスムーズに運用に乗せるための工夫は「サービスの選定」段階から始まっていました。
押印のためだけの出社をなくすべく電子契約を検討
電子契約サービスの導入を検討し始めたきっかけと、紙の契約書においてどんな課題があったのかを教えてください。
掛端様
当時はコロナ禍だったこともあり、できれば押印のためだけの出社は避けたいという思いがありました。私自身、取引相手との契約手続に関わる事務をサポートしていて大変さを実感していましたから、電子化して押印を不要にすることで負担を減らせれば、と考えました。また、相手方から返送されてきた契約書をファイリングして保管するという管理面の手間もありました。
手塚様
それとあわせて、社内ではペーパーレス化を推進する動きもありました。従来の紙の契約書だと印刷して、印鑑を取り出して、押印して、郵送して……という作業が必要でしたし、契約書を相手先に送った後、返送されたがどうか確認する必要がある事も課題でした。
紙の契約書におけるコスト面での課題はありましたか。
手塚様
当社が多く扱うのは業務委託契約書で、いわゆる第7号文書ということになりますから、通常1件あたり4000円の印紙税がかかります。年間でトータルすると数十万円ものコストです。この点はかなり負担が大きいな、という課題感がありました。それに、常に手元に必要な数の印紙を用意しておかなければならず、購入をしに行く手間もかかります。電子化することでそういったことも意識しなくて済み、経理部門の負担が減るだろうとも思いました。
知名度が高く、利用者の多いサービスなら受け入れられやすい
電子契約サービスにクラウドサインを選ぶにあたっては何がポイントとなったでしょうか。
掛端様
クラウドサインの一番のメリットは、最も導入企業数が多いことです。電子契約の利用を取引相手に提案する際、相手先に既に利用経験があるか、少なくとも知っているサービスであるほうが理解も早く、受け入れられやすいと思いました。私自身、色々なサービスを比較検討する中でもクラウドサインに目を引かれた理由は、知名度の高さでした。
操作性の良さも重視しました。当社としてははじめて導入する電子契約サービスでしたので、わかりやすい、操作しやすいなど、簡単なものがいいと思いました。
手塚様
私が最も重視した点は、相手先の負担にならないことと、日本法に準拠していることです。いくつかの他社サービスとも比較したのですが、私もクラウドサインの一番のメリットはやはり、導入企業数が多いことだと思います。相手先もクラウドサインを使っていれば電子契約を受け入れていただけるはずですので。また別途専用アプリをパソコンにダウンロードする必要が無い事も相手先の負担軽減になりますし、電子契約でのトラブルも想定した場合、日本法に準拠していることや、認定タイムスタンプを採用していることなどもポイントになりました。
現在はクラウドサインをどの用途で利用していますか。
手塚様
主に業務委託契約書、秘密保持契約書、労働契約書、取締役会・監査役会議事録で利用しており、他に申込書などでも利用しています。社内文書への署名は可能な限り電子化していますし、海外との取引でも一部は電子契約にしています。海外との契約は多くが当社グループ会社間での契約ではありますが、米国やメキシコの企業・個人との契約でクラウドサインを利用した実績もあります。
電子契約の導入コンサルにより、社内・社外浸透もスムーズに
クラウドサインを導入、運用していくうえで工夫した点はあるでしょうか。
掛端様
クラウドサインを使った契約手続きを専任化にしたことです。電子契約は、はじめて触れるサービスですので、社員1人1人がクラウドサインを使うことになると、手続きの進め方や操作手順に関する質問が多く発生する可能性があると考えました。本来ならば、きっちり社内アナウンスを行い、手続きの進め方や操作方法も説明するのですが、今はリモートワーク中で、対面でのサポートが難しいことがネックです。スムーズに運用に乗せるためには、クラウドサインを理解した専任者で契約手続きをする体制にしたほうが良いと思いました。営業担当が相手方と契約を結びたいときは、社内決裁後に、専任者がクラウドサインを使って先方に契約書を送付し、締結するようにしています。業務効率を考えると、理想的には営業担当が個別に直接クラウドサインを使って契約するのがベターではあるので、今はそれに向けて新しいフローなどの検討を進めています。
弁護士ドットコムが提供する「導入コンサルティングサービス」もご利用いただきました。
掛端様
私自身が電子契約を社内推進する立場にあって、社内外からの問い合わせ対応などにおいて迷う部分もありましたから、そのあたりを電話で質問するとすぐにご回答いただけるなど、的確にサポートしていただけたのは非常に助かりました。社内説明会を実施してクラウドサインの使い方などを詳しく解説していただけましたし、そういった協力がなければ社内浸透もうまく図れなかっただろうと思います。説明会のおかげで社内からは「簡単に使えるね」という感想をもらうことが多く、クラウドサインで契約したお客様からも楽に契約締結できると喜ばれています。
活用促進にあたって苦労したところはありましたか。また、それはどう乗り越えてきたのでしょうか。
掛端様
特に導入直後はお客様の理解を得るのに難しさを感じたところがあります。どうしても電子契約に対する心理的なハードルみたいなものがあって、従来通り押印した紙の契約書を保管しておくべき、という意識も強く残っていたようです。
ただ、クラウドサインに関する概要資料をお客様にお渡しして、電話で直接説明することで受け入れてもらえることは多かったですね。クラウドサインの利用についてご説明する際には、メリットをしっかり伝えることを意識しました。たとえば、お客様側もコロナ禍で出社できず在宅勤務されていることが多かったので、「出社しなくても契約締結ができますよ」などです。
クラウドサインでの締結を受け入れてくださった取引先からは、操作が簡単だったことや、締結通知メールから契約書のPDFをダウンロードできるので保管もスムーズにできたのが良かった、など良いお声を頂いています。
手塚様
今までずっとやってきた業務の仕方を変えるのはエネルギーがいるものです。相手先によっては契約締結業務が年に1、2回だけということもありますので、これまで紙契約で問題がなかったことを考えると電子契約にわざわざ変更する理由がありません。その意味で従来通り紙契約のままで良いという気持ちが強くなると思います。だからこそ、相手先の電子契約受入れの障壁を可能な限り低くすることを意識してサービスを選びました。
インターネットがつながっていれば海外企業ともすぐに契約できる
現在の電子化率と、導入の効果について教えてください。
手塚様
2022年前期の実績では、電子化率は52%です。近頃は多くの企業が電子契約の導入を進めていますので、今後その率はどんどん高くなり、後期は60%を超えるのではないかと思います。年間数十万円分の印紙代が削減され、契約書管理も楽になりました。
そんな中でも意外と相性がいいかもしれないと思うのは、海外企業との契約です。今までは紙の契約書は国際郵便を利用していましたが、返送されるまで何週間もかかっていました。クラウドサインだと1日で契約締結が完了できますから、スピード感という意味では絶対的な優位性がありますよね。インターネットがつながっていればどの国であってもその場で契約できる、というのも魅力です。
掛端様
営業部でも押印に伴う出社がなくなりましたし、紙の契約の場合に発生していた事務作業がまるごとなくなりましたので生産性が高まりました。印刷や押印の手配、封入作業などより、営業活動などのもっと有益なことに時間を使えるようになっています。
社内ルールを変更しやすい今こそチャレンジしてほしい
今後のクラウドサインの活用方針について教えてください。
掛端様
クラウドサインを導入したことで押印のための出社がほぼなくなり、テレワーク化が一段と進みました。こうした業務の効率化に向けて、引き続きクラウドサインの利用率を上げるために努力していきたいですし、いずれは社内の基幹システムと連携して、社内決裁から契約締結まで一気通貫でスムーズに処理できるようにしたいと考えています。
これからクラウドサインを導入しようと考えている企業に向けてメッセージをお願いします。
掛端様
クラウドサインは本当に導入しやすくて、簡単に使える電子契約サービスです。社内規程上、まだ電子契約が認められていない企業もあるとは思いますが、テレワークが広がっている今はそういったルールを変更しやすいタイミングでもあると思います。この機を逃さず電子契約の導入にトライしてほしいですね。
手塚様
電子契約サービスは想像しているより簡単に導入できますよ、と言いたいです。電子契約サービスを利用する企業が増えるほど、多くの人が契約業務を省力化できてハッピーになれます。クラウドサインを導入したあかつきには、ぜひとも目一杯活用していただければ。