レバテック株式会社
カスタマーサクセス推進部 グループリーダー 小寺香澄様
事業推進部 部長 近藤綾香様
事業推進部 チームリーダー 中館一輝様
開発部 システムディレクター 石本達也様
ITエンジニアとクリエイターのフリーランス活動や転職、就職を支援する「レバテックフリーランス」「レバテッククリエイター」「レバテックキャリア」「レバテックエキスパート」など複数のサービスを展開するレバテック株式会社。
案件を募集する企業と案件を探す個人、双方との契約締結機会が膨大に存在するレバテック様が、クラウドサインを活用し契約業務の短縮化を実現し、企業・個人の満足度を向上させました。
導入前の具体的な課題感やクラウドサイン導入経緯、導入後の成果などを伺いました。
「コンプライアンス強化」や「ビジネスのスピードアップ」の実現に向けてクラウドサイン導入を検討
弊社は提供サービスが多く、企業様・個人様それぞれに対して契約締結が発生するため、契約書の種類が膨大だったことや、これまで2-3名のスタッフでアナログ的に対応していましたが、事業成長に伴い、対応工数がかさみ現場の疲弊が発生。また、収入印紙が都度発生する課題もあり、契約業務の電子化を検討し始めました。
電子化することのメリットとして、収入印紙が不要になり、コスト削減が図れます。また、契約締結までのリードタイム短縮、会社のコンプライアンス強化なども念頭に置きながら電子契約サービスの検討を行いました。
導入の決め手は「セキュリティ」「サポート体制」「豊富なAPI連携」
クラウドサインを選んだ理由は3つあります。1つ目はセキュリティ面の高さです。2段階認証の有無や整合性のある電子署名のタイムスタンプが付加されているかなど、当社の基準をクリアしているセキュリティが担保されていることが一番重要でした。
2つ目はサポート体制です。日本でうまれたサービスのためサポートももちろん日本語ですし、何かしら躓いたときには、チャットですぐに返答してもらえます。
3つ目は容易にAPI連携が可能な仕組みであることです。当社独自の社内システム基盤があり、それによる情報の一元管理は必須だったので、システム連携できることは当初から前提条件となっていました。契約締結の状況を取得して、既存システムと連携することは、当社のDXを進めるうえでは非常に重要でした。
リモート影響で押印による売上毀損が、クラウドサインで解消
直近、契約締結件数は月間で最低でも1,000件以上、多いときはその3倍以上あります。導入直後は、慎重に議論しながら利用範囲を拡げようと考えていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって方針転換し、一気に活用を進めました。在宅勤務が拡がるなか、紙の契約書の作業のために出社することは避けたく、お客さまに対しても契約締結のために出社をお願いするのは難しい状況だったからです。
実際、「出社しないと印鑑が押せないから今は契約が難しいです」や「出社が1カ月後になるので契約処理はそれ以降になります」のようなご連絡をいただくこともあって、契約が保留となり、リードタイムが伸びることが一時的に増えた時期もあり、売上にも影響するような状況でした。クラウドサインの活用が浸透した後には、そうしたトラブルは一切発生しなくなりました。
膨大な契約書類を棚卸し、必要な契約パターンの再設計にも寄与
導入を進めていく上で最初に行ったのは契約業務全体像の把握・再整理です。
アナログを単純にデジタル化しても求める効果を出すことが難しい為、デジタル化を前提とした業務の再構築を考え、そのために契約業務の全体像を把握するところから始めました。
当社は、提供しているサービスが多く、対企業や対個人で書式や内容が異なっていることもあり、膨大なパターンの契約書などが存在していました。契約書単体で約70種類に分類されたため、段階を分け導入を進めました。最初に全体感を整理したため、パターンの統合や年数回程度の契約書は発生次第都度対応など、契約書の棚卸しも合わせて行えたことで、クラウドサイン上での契約書パターンは全体で約25種類となり、紙からクラウドサインへの移行作業は7段階程に分けて行いました。
初めは社内浸透も一筋縄ではいかなかった。段階的に導入を進めた
活用を進める上で検討事項がかなり多かったので、認識齟齬を防ぐために、普段は部門ごとで縦割りになっているチャットツールも、プロジェクト専用の横断グループを作りました。課題共有やスケジュール調整などを横断グループで行うことで、コミュニケーションの円滑化を図りました。
API連携の実装も段階的に行っています。導入当初はいきなり連携開発をせずに必要最小限の形でスタートしました。その後も初期は混乱を防ぐように、必要最小限の部分として締結済み契約書をすぐみられるように連携するAPIの開発からスタートしました。今後は社内システムと連携した送信や、部署・役職ごとの閲覧・変更権限の設定なども行えるようにする予定です。
社内浸透はマネージャー層から。電子契約をマネージャーの前提知識へ
主にマネージャー層やチームリーダー層に対し週次の進捗報告や説明会の開催、説明動画の準備などを行い、抵抗感なくクラウドサインの利用ができる様に取り組みを行いました。
契約は重要な業務であり、上司がわかってない中で部下に指示があるとトラブルが発生したときに適切な対処ができないなどが起こりうるため、上長の前提知識と位置付けて推進してきました。
次に、弊社の営業が対応できるようなオペレーションを整備しました。社内一斉に「変更になりました」と伝えても活用は進まないので、階層別に丁寧に説明を重ねていきました。実際にお客様からいただいた質問を集約し、作成したQ&A集などを適宜アップデートすることや、紙ありきでなく「クラウドサインが当たり前になっている」ことを伝え、互いの手間が削減されること、印紙が不要になることなど、クラウドサインを利用することのメリットを丁寧に説明することを徹底しました。
こうした活動を通して、「クラウドサインがスタンダード」という印象をお客様に与えることができたことで、現在はほぼ100%クラウドサインへ移行することができています。
用途の拡大、現場やクラウドサインと対話を重ねて運用方法を最適化
対個人のお客さまで利用を拡げていった後、対企業との契約にも拡げていきました。クラウドサインで契約締結した方がリードタイムを短縮できること、契約率自体も上がることがわかったため、当社の営業部門でも積極的に活用していく方針となりました。
対企業の場合、契約書のパターンが多く、さらに個別にカスタマイズが必要になるケースも少なくありません。そうしたなかでどうフォーマットを整えるべきか、細かな調整や検討が必要になりましたが、クラウドサインのカスタマーサクセスの方から、フローの考え方や契約書の管理方法などについて、アドバイスをいただけたことも大きかったです。
例えば、Excelに入力した内容から契約書を作成していたのをWebフォームに変更するアイデアや、契約書をメール送信する際にCcを設定することで契約書受領のタイミングを複数人で共有できるようにする、といった工夫など、様々な提案をしていただきました。
クラウドサインは、お客様にもメリットがあるという理解が浸透していったことに加えて、現場の意見を踏まえて営業で使いやすいように運用方法を改善していきました。運用の改善を示した上で、積極的に活用して欲しいと伝えていったことで活用が進むようになっていきました。
クラウドサイン導入でビジネスのスピードが加速。チームの一体感醸成にも寄与
クラウドサインを導入したことにより、明らかに契約締結にまで至るスピードが上がりました。紙の契約書では、個人の方に送付した後、その契約書を本当に返送してくださったのかがリアルタイムでは確認ができませんでした。クラウドサインは、署名したかどうかがすぐにわかり、滞っていればリマインドメールで契約締結を促すことができます。
また、急な契約に対応できるところも助かっています。今日契約して明日から契約期間開始になる、といったケースでは、クラウドサインを活用することで、今日明日の契約でもすぐに中身を確認してもらうことができるので、問題なく締結が可能です。個人のエンジニアやクリエイターの方からも大変便利だという声もいただいています。
働き方の観点では、遠隔でも平常通り業務できる社員が増えたのも利点です。現在は在宅勤務の社員がほとんどですが、紙の契約書のままでは書類の送付すら困難だったと思います。クラウドサインで業務の効率化ももちろん進みましたが、誰が出社して誰が在宅勤務をするのかというような不公平さのある状況が解消され、チームがより一体感をもって業務に当たれるようになったようにも感じます。
当社には、地域拠点もありますが、そのメンバーが契約締結したいとき、物理的な印鑑が支社内にないので、以前だと本社と連携を取らないとお客さまに契約書を送付できませんでした。急いで契約をしたくても時間がかかっていましたが、クラウドサイン導入後は物理的な押印が不要になり、本社との連携でワンクッションをおくことがなくなったので、最小限の手間と時間で対応できるようになりました。
DX推進に必要なことは「変化を恐れず、興味を持って取り組むこと」
クラウドサインのような新しいサービスを導入する上で意識しているのは、「変化を恐れないこと」です。新しいサービスを導入することで、これまでのやり方が変わることに対する抵抗感を持つ人がいることは確かです。ただそこで歩みを止めてしまうと、変化はないですし、DXなどの取り組みは進みません。
弊社は、比較的若い社員が多いので、変化に対する抵抗感がそこまで大きくないこともあるかもしれませんが、「食わず嫌い」をしないことを全社的に意識し続けることで、新しいチャレンジが生まれていきます。「変化を恐れず、変化に対し前向きな姿勢で取り組むこと」これを強く意識し続けていきたいですね。
DXを加速させる「着実な計画と丁寧なコミュニケーション」
また、DX推進においてはいきなり密なサービス連携など欲張りすぎないことも大切だと思います。こうしたサービスの導入を検討していくと、理想を求めがちになりますが、全て後回しにし「本当に必要な最小限の要素は何か」と、時間をかけて議論しながら導入したので、スムーズに活用が進んだと考えられます。焦って一度に実現しようとすると、後に実際の運用に合ってないことがわかり、出戻りが発生したり、改善要望が増えたりと結局工数がかさんでしまいます。
また、いかに自然に、当たり前になるような導入の仕方をするか、というのを重視しました。既存の営業のフローがちょっと組み変わっただけ、のような見せ方にしたり、少しずつ仕事のやり方を変えていくようにしたり。メールの中身の表現を少し変えるだけでも、相手の捉え方が変わって対応が効率化することってありますよね。契約絡みのフローも、見せ方次第で自然に変化させられるはずです。
膨大な契約業務をクラウドサインにより大幅に改善し、ビジネススピードの加速や働き方の多様化を実現したレバテック様。課題に目をそらさず、新しい取り組みに積極的かつ丁寧にチャレンジしたことがスムースなDXの実現に繋がったのではないでしょうか?クラウドサインは15万社超、累計契約送信数500万件(2021年7月時点)と国内最大級の電子契約サービスで、多くのお客様のDX化を支援しております。契約業務にお困りの方は是非一度お問い合わせください。