不動産業

急拡大するレンタルオフィス事業。契約数8倍増も、担当者増は2人に留まる

  • 2020年2月26日(水)

日総ビルディング株式会社
営業支援部 部長 佐々木 貢様

 

粛々と、あって当たり前のような状態でクラウドサインを使っています。

最初に御社の事業内容を教えていただけますか。

当社日総ビルティングがメインとしている事業はオフィス賃貸業です。横浜を皮切りに、都心の利便性の高い場所を中心に展開していまして、8年前の2012年頃からはレンタルオフィス事業にもいち早く参入しました。その他に開発分譲、駐車場、トランクルームなどの事業を行っています。

特に近年はレンタルオフィス事業の需要が高く、伸びています。レンタルオフィスといっても、一般には値段の高いところから安いところまであるのですが、当社が「エキスパートオフィス」というブランドで提供しているレンタルオフィスは、内装などにこだわった高級なタイプで、オフィスに一歩踏み込んだときに「おっ!と思わせなきゃ駄目」というのが当社の方針なんです。

日総ビルディング株式会社 営業支援部 部長 佐々木 貢様
日総ビルディング株式会社 営業支援部 部長 佐々木 貢様

たしかに雰囲気のいい、高級感のある空間ですね。

2012~2013年頃まで、日本企業が提供している高級なレンタルオフィスはほとんどありませんでした。ですので、国内では先駆的にレンタルオフィスを始めたというのが1つの特徴で、外資のレンタルオフィスだと気が引けてしまうようなお客様を取り込むことができています。

また、我々の一番のウリはラウンジの広さですね。レンタルオフィスでは、ビルのフロア内の居室スペースに、さらに廊下や会議室などを作ることになるので、貸し出せる執務エリアの実質の床面積は小さくなりがちなんです。ですから、実際にフロアを借りた費用より高い単価設定にしないと商売にならない。運営費もかかります。そこでどう工夫して共有スペースを増やすかは頭の使いどころで、当社はそこをウリにしているんです。

クラウドサインをご利用いただいていますが、導入のきっかけはなんだったのでしょうか。

当時、レンタルオフィス事業を始めて4年ほど経過した2016年に、新たに3つの拠点をオープンしたんです。3拠点合わせると部屋数にして300近く。当然ですが契約数がとんでもなく増えてしまって、契約書の作成を担当していたスタッフの手が回らなくなってしまいました。

さらに、契約者から契約書の回収が遅れてしまうことも頻発していて、必要なときにすぐに参照できない事態にもなっていました。これはなんとかしなければいけない、という危機感を覚えて、押印の必要がない電子契約書のサービスがあるという話を聞き、3、4社の電子契約サービスと比較したうえで2018年3月から導入しました。

そこでクラウドサインにした決め手は?

操作の簡単さはすごく大きかったですね。マニュアルなどを読まなくてもわかる。ああ、こんなに簡単にできるんだ……と。あとは価格です。この価格なら失敗してもいいよね、みたいな(笑)。

対して他社のサービスは高額だったり、我々にとっては機能が過剰だったりしました。海外の企業が開発したサービスだと日本語環境におけるメンテナンスに不安がありましたし、やっぱり操作がなじまなかったんですよね。

現在はクラウドサインをどれくらい活用されていますか。

レンタルオフィスの入会契約書や、それに関連する覚書などで月に50~60件をクラウドサインで処理しています。通常のオフィスは定期借家契約で、そちらは法律上は紙書類での契約が必要になってしまいます。ですので、全体から見ると3分の2のレンタルオフィスがクラウドサインでの契約、それ以外の3分の1が通常のオフィスと駐車場、トランクルームでの紙契約になっています。

クラウドサインの導入で業務の負荷は変わりましたか。

レンタルオフィス事業を始めた後は、契約数がそれ以前の8倍になっています。それでも、契約書作成を担当するスタッフは2人から4人になっただけなんです。契約数は8倍になったけれども、人数増は2人で済んでいる。かなりの効率化ができている証拠ではないかと思います。

クラウドサインは残業減の一要因にもなっていますね。紙書類の契約では、印刷・捺印してお客様に送付し、営業スタッフがお客様のところまで行って契約書を回収していました。その後PDF化して、紙の契約書を管理するシステムに登録したら金庫に保管する、みたいなことをやっていたわけです。

その手間が一切なくなったので、確実に業務削減につながっていますよね。保管用の金庫が占有するスペースもわりと大きかったんですが、これも今後は増えなくて済みます。

契約締結までにはかかる時間はいかがですか。

紙書類はお客様から戻ってくるまで1週間ほどかかっていました。でもクラウドサインにしたらすごく早い。即確認していただけるお客様がだいたい半分ほどです。遅くても2、3日で確認いただいておりますし、契約書の未調印は完全にゼロになりました。営業スタッフがお客様のところへ回収に行くための交通費、移動時間がなくなったのも利点ですね。

御社では多数のユーザーアカウントでクラウドサインを利用されていますね。

営業スタッフも受付スタッフも、全員契約書を見られるようにしています。というのも、レンタルオフィスに入居している人から問い合わせがあったときに、契約書を確認しなければならない場合があるからです。「書類情報」は今のところ利用していませんが、ファイル名に契約者名を入れて整理しているので、検索機能で素早く見つけられます。

契約書の作成・送信時も、テンプレート機能や一括送信機能は今のところ使っていません。契約ごとに異なる特約を盛り込むことがあって、ひな形通りにいかないケースの方が多いんですよね。

クラウドサインの使い勝手について、社内の評判はいかでしょうか。

当社では業務効率化のために、会議室の予約システムや請求システム、固定資産の管理システム、営業支援システムなど、これまでさまざまなシステムを導入してきました。が、中にはうまく使いこなせていなくて、導入後に改善に取り組んだものもあります。

そんな中で、クラウドサインだけは本当にすごくスムーズに導入できて、うまく回っている。なので、クラウドサインについては従業員から何のクレームもありません。粛々と、あって当たり前のような状態で使われていますね(笑)。
社内だけでなく、契約のお相手様であるレンタルオフィスのご利用者様からも好評です。
迷うことなく操作できるみたいですね。

今後クラウドサインの利用を他の業務にも広げていくような予定は?

我々はレンタルオフィス以外に工事部門もあるので、請負契約書を交わすこともけっこう多いんですよ。ここにもクラウドサインが使えますよね。それと、消防法に関してお客様とやりとりしている確認書にもクラウドサインがマッチしているんじゃないか、という話もしています。

いずれは駐車場とかトランクルームのレンタルもクラウドサインで契約できるようにしたいですし、雇用契約でもクラウドサインを使えればと思っています。役所が絡む手続きは電子契約書の取り扱いがまちまちで、押印なしの契約書がダメなところがあるのが残念ですね。

2020年以降もレンタルオフィスは増やしていきますので、必然的に契約数は数百の単位で拡大していきます。だからこそクラウドサインなどで可能な限りシステム化していかないと間に合いません。2、3年前はそもそも電子契約という選択肢があることすら知りませんでしたが、これからは電子契約が世の中の標準になってほしいと思いますね。

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