株式会社タイカ
コーポレートサポート本部
人事総務部 主任 山下俊様
法務のようなコストセンターにとって、月額1万円はハードルが非常に低く、助かります
御社は創業70年を超える化学メーカーで、さまざまな素材技術をおもちです。現在はどのような事業を展開しているのでしょうか。
当社タイカには3つの事業の柱があります。1つ目は「αGEL(アルファゲル)」というシリコーン製の素材を扱う多機能素材事業で、衝撃吸収素材として、たとえばアシックスさんのシューズのソール部分や、三菱鉛筆さんのボールペンのグリップ部分などに採用していただいています。
2つ目は曲面印刷事業で、自動車の内装に木目調などの印刷ができるもの、そして3つ目はウエルネス事業として、床ずれ防止用のマットレスを製造しています。寝たきりの高齢者の方や障害者の方向けのものが中心ですね。2018年からはそこからちょっと軸をずらして、発泡スチロールのような軽い素材で、被ると防災頭巾の代わりになる「でるキャップ」という防災・災害対策用品も作りはじめています。
そして、カンボジアではうどん屋をはじめました(笑)。以前からカンボジアとは接点があり、現地の消費者の方とタッチポイントを作りたいということで、トリドール様の「丸亀製麺」のブランドをお借りして、2019年9月にプノンペンで1店舗目をオープンしたばかりです。飲食業界は仕事の進め方、フローの作り方がまだレガシーなところもありますので、そこに製造業のノウハウを我々的なアプローチで味付けできると面白いかな、と思っています。
飲食店も運営されているとは意外です。クラウドサインはどんなところで、どれくらい使っていますか。
製造する商品の原料調達元や我々の商品の提供先となる取引先との秘密保持契約や取引基本契約書で利用しています。取引先は数人規模の小さな会社様から大企業までさまざまですが、まだ紙で、というお客様と、電子契約でOKというお客様がいらっしゃいますね。
契約全体としては、だいたい1日に1件以上はありますので、月に30~40件。そのうち10件弱ほどをクラウドサインで契約しています。当社の国内のグループ会社とはグループ間契約もよく結びますので、そこではすべてクラウドサインを活用しています。
御社では「書類インポート機能」をリリース直後からお使いいただいています。既存の紙の契約書類をスキャンし、クラウドサインに大量に取り込んでいただきました。
初日で50件くらい、年度の新しい契約書から流し込みました。PDFファイルをドラッグ&ドロップするだけでインポートできるので簡単ですよね。
これまでちょうど1カ月で400件ほどインポートしました。紙の契約書は全部で2,000件はあるんですけど、古いものはきっと見ることは少ないでしょうし、まずは直近で参照する可能性が高いここ5~6年の契約書を中心に、今後1,000件に迫る数をインポートすることになると思います。
なぜ「書類インポート機能」を使いはじめたのでしょうか。
社内ではもともと契約書をPDF化するフローがあって、数年前に在籍していた社員がPDFデータを保管するシステムを開発したんですが、その人が退職した後は管理が難しくなってしまいました。システムの保守を外注したものの、その会社が開発したシステムではないのでアップデートするのも容易ではありません。
契約書の管理上、有効期限の前に通知するアラート機能みたいなものが欲しいと思っていたのですが、そういった機能追加は難しいし、コストも膨らみます。せっかくシステム化するなら、既存の紙の契約書や、今後の契約を一元的に管理できるものにしたいし、アラート機能も欲しい。
そんなときにリリースされたのがクラウドサインの「書類インポート機能」でした。とにかく契約期限前にちゃんとアラートが飛んでくることと、一元管理できている実感があるのがうれしいですね。必要な契約書を検索機能で、それこそ秒で見つけられるのは非常に助かっています。
1つ1つ手動でスキャンすることになるわけですが、手間はかかっていませんか。
書類情報、たとえば相手方の会社名、契約書タイトル、締結日、契約の効力発生日と終了日などを入力するのは少し手間がかかりますが、CSVファイルから情報を流し込む形にして作業負担を減らしていますし、ゼロから契約書を作り直して電子化するより何百倍も楽ですね。
1件あたりは1~2分で取り込めて、ページ数が多いものでも2~3分程度です。ただ、製本テープで綴じられているものだときれいに取り込みにくい時があって、スキャンのやり直しが発生すると時間がかかってしまうことはあります。
取り込む件数がさらに増えたときは、弊社がスキャンを代行する「クラウドサインSCAN」もご検討いただければ。ところで、1,000件まで月額1万円という価格設定についてはどうでしょうか。
すごく安いんじゃないかと個人的には思います。稟議を通す必要もないですしね。契約の有効期限前にアラートが飛んでくる機能があることを考えると、法務を担当する人間としては個人的にお金を払ってもいいくらいの便利さです(笑)。
既存のシステムにアラート機能を付加することも考えましたが、ベンダーの見積もりでは80万円はかかると言われてしまいました。法務のようなコストセンターは、コストパフォーマンスを考えるとそんなシステムは絶対に導入できないんですよね。そういう意味では、月額1万円はハードルが非常に低いと思います。
書類インポート機能にかかわらず、クラウドサインにして良かったと思うところはありますか。もしくは活用するうえで難しかったところは?
以前のシステムはイントラネットで管理しているので、外部からはVPNでしかアクセスできません。外出時は契約書の処理ができず、出張が多かった時期は大変でした。でも、クラウドサインのようなクラウドサービスだとインターネット経由でどこからでもアクセスできる。そこはすごくありがたいですね。
使いこなすのに慣れは必要だと思いますが、実際にクラウドサインに触れれば、なんとなく理解できます。当社のスタッフのITリテラシーはそれほど高くはないと思うんですが、クラウドサインで契約して、最後の締結完了のメールが届いたとき、ここから何かする必要があるのか、みたいな質問が他の社員から届くことがあります。簡単すぎて逆に心配になっているみたいです(笑)。
総じて、クラウドサインを使った社員からもらうのは、本当にいいねっていう感想ばかりです。やっぱり圧倒的に速い。わざわざ契約書を紙に印刷して、封筒に入れて送る、みたいな手間がないので、本当に満足度は高いだろうと思います。
クラウドサインに対してこうしてほしい、というような要望がありましたら。
当社は事業ごとに扱う契約書の種類が違いますし、それが必要になる人も当然異なります。たとえば曲面印刷では技術ライセンスに関する契約が発生しますし、ウエルネス事業では製造委託契約も必要になります。なので、できれば事業ごとに契約書を管理したいなと。
今は全事業の契約書がクラウドサインの1箇所に入っているような状況ですが、アカウントごとに参照可能な契約書を設定できるようになると最高ですね。契約の有効期限を通知するアラートも、事業ごとの必要な人に必要なものだけ送れるようになればさらに便利です。
あとはOCR機能があれば……。契約の開始日や終了日、タイトル部分だけでも書類情報に自動で反映できたりするとうれしいですね。
今後、クラウドサインはどんな風に活用していきたいですか。
用途はどんどん広げていきます。社内のリテラシーがもう少し高まってきたら、部署ごとにアカウントを付与して、事業ごとの契約書の管理をある程度効率良くできるようにしたいと思っています。
近いうちに、電子契約が市民権をさらに得て、普通は電子契約だよね、という状況になってほしいですね。今のところ、開発や営業のスタッフがお客様に対してクラウドサインを使えるかどうか毎回確認してもらっていて、それが本当に申し訳ないので……。僕の方で「クラウドサインを使ってください」という案内を紙の書類でお客様にお出ししていたりもします。
電子契約を検討している企業に向けてメッセージをお願いします。
クラウドサインを使うと、どう考えても圧倒的に楽に、簡単になるのは間違いありません。
当社ではクラウドサインのほかに法務でHubble、人事でHRMOS(ハーモス)、名刺管理にHotProfile、タスク管理にBacklog、スタッフ間のコミュニケーションにMicrosoft Teamsを使っていますが、クラウドサービスは売り切りではなく、日に日にアップデートしていく良さがあります。
業務改善につなげられる実利的な面があるのはもちろんのこと、一緒にプロダクトを作っている感覚というか、一緒に進化していくようなところも実感できるので楽しいですね。