ネスレ日本株式会社
法務部 桝本 啓介様
クラウドサインSCANを導入したおかげで、契約書を探す手間・時間・コストがキレイに無くなり、在宅勤務もしやすくなりました
ネスレ様にインタビューでお伺いするのは、今回で2回目になります。いつもクラウドサインへの貴重なご意見・ご支援を頂戴し、ありがとうございます。
前回クラウドサインを導入した後のインタビューは2017年でしたから、もう1年半も経ったのですね!
クラウドサインのみなさんとは、先日も大阪で開催されたリーガルテックイベントでお会いしたり、チャット・電話サポートでいつも連絡をとらせてもらっているので、久しぶりという実感はまったくないのですが(笑)。
本日は、紙の契約書をクラウドサインに取り込み管理できる「クラウドサインSCAN」を新たに導入していただいた後日談について、お聞かせいただければと思っています。
クラウドサインSCANのおかげで、想定していた以上に業務スピードの向上と手間の削減が実現でき、とてもラクになりました。
前回のインタビュー以降も、クラウドサインによる電子契約化は順調に進めることができました。一方で、紙の契約書管理は、やむを得ずかなりアナログなやり方で続けていたんですよね。
具体的には、紙の契約書が発生したら、ファイルメーカーというソフトウェアで作ったデータベースにまず登録、事業部門から閲覧請求の都度検索して、保管しているファイルから該当の契約書を見つけ出して渡す…こんな作業を続けていました。
同じ事業所内の部門からの請求であれば、担当者に法務部まで来てもらってコピーを取ってもらいますが、遠方の事業所からの請求は、私たちがスキャンしてPDFにし、ファイル名を付けて送る作業も行うことになります。
それはどのくらいの頻度で発生する業務なのでしょうか。
時期にもよるのですが、監査がある時期などは1日に5件ぐらい対応します。依頼されてから探して出してPDFを渡すまでにだいたい2日間ぐらいはかかりますので、依頼が立て込むとかなり日常業務を圧迫する作業量になります。
笑えない話ですが、こうしたアナログなやり方だと限界もあり、原本の回収・管理漏れもあったと思いますし、事業部とやり取りしているうちに大切な契約書の原本を紛失しそうになったりもします。
一時は事業部にコピーを持っておいてもらおうかとも考えたのですが、何より紙の無駄を生みます。その事業部内で共有がされずに結局法務部に問い合わせがくることも予想がつきましたので、あまり意味がないなと。
こうしたストレスや悩みが、今回のクラウドサインSCAN導入によって綺麗に無くなりました。契約書を預けてPDF化とデータ入力作業をお願いするだけ。契約書を探す際は、クラウドサイン上で書類名や取引先企業名で検索すれば、すぐにファイルの状態で取り出せます。実際にこれができるようになってみると、ほんとうに劇的な変化ですよ。
クラウドサインSCANで取り込む前の、ファイルメーカーで紙の契約書を管理していた時代の管理項目というのは、どんなものだったのですか?
ちょっとサンプル画面をお見せしましょうか。以前使用していたファイルメーカーで管理していたときの管理項目は、おおよそこんな感じです。
当初、導入当時の法務部の担当者がたくさんの管理項目を設けたのですが、中央にある「月間共益費」「敷金」「保証金」など、実際にはあまり使われない項目があり、使いにくいデータベースになっていました。
クラウドサインSCANで取り込む際には、デフォルトの書類情報項目のほかに、当社独自の項目も追加できるようになっています。ファイルメーカー管理の反省を踏まえ、あまり項目数は欲張らず「本当に利用する項目」だけに管理項目を絞り込みました。
実際にクラウドサインにSCANで取り込んだ契約書の管理項目がこちらになります。
スッキリされましたね。この中で、契約の検索に実際に役に立っている項目というとどの項目になるのでしょうか。
「タイトル」や「契約相手の名称」はもちろんですが、
- 「自動更新の有無と更新期間」
- 「LEG(法務部)担当者」
これらの項目が特に役に立っています。
「LEG担当者」の項目は当社独自に追加したものです。この欄があることによって、法務部の誰に相談したかがわかるだけでなく、空欄のままでは「相談していない」ことが一目瞭然になります。契約の稟議を上げる前に法務部担当者に相談する、そういう全社の意識付けにも役に立っています。
自動更新で期限が切れそうになった契約書についてアラートの通知が送られてくるのは、電子契約では当たり前ですけれども、紙の契約書では無理だったわけで、すごく助かっています。
クラウドサインを使った電子契約と、紙の契約書の2つを併行して運用・管理していることになりますが、ご利用にあたって工夫されている点はありますか?
弊社では、必ず取引先様に「電子契約での締結で問題ありませんか」と確認し、できるだけ電子契約化していくことをルールとしています。そこまで徹底しても、紙の契約書が完全にゼロになるわけではありません。いまのところ電子契約に切り替えを完了しているのは、全取引先様の四分の一ぐらいでしょうか。
ですが、当社のクラウドサイン活用ポイントは、社内の契約稟議フローをすべてクラウドサインに一元化している点にあります。そうすることで、①クラウドサインで電子署名したもの、②相手方の要望に応じて紙にプリントアウトして押印したもの、どちらの電子ファイルもクラウドサイン上にストックされていくのです。
②はもちろん押印後万が一の訴訟に備えてファイリングしておく必要はありますが、日常の閲覧・確認については、ファイル・データで取り扱えることが重要なのであって、赤い印影がスキャンされたPDFファイルかどうかはあまり関係ないですから。
確かにそのとおりです。目からウロコの発想ですね。
かんたんでとても便利なクラウドサイン活用Tipsなので、ぜひ他の導入企業様にもおすすめしたいですね。
先日発表したクラウドサインのプロダクトロードマップでは、クラウドサインSCANで取り込んだ契約書を全文検索できるようにするなど、これまで以上に機能向上させていく予定です。今後の御社での活用計画や期待などをお聞かせください。
さきほど「事業部から閲覧の依頼が一日に5件」という話をしました。しかしそれ以上に、法務部門内で「あのときに結んだ契約書を踏襲して、新たな案件の契約書を作成したい」と思ってファイルメーカーを検索し、契約書を取り出す、ということがよくあります。
上司から「あのときの契約書が見たいから、後で出しておいて」と言われて、探して渡す役割は一番下っ端の私でした(笑)。現在ではクラウドサインの検索機能を使って上司が自分で探せます。さらに条項を全文検索で見つけられるようになったら、個人単位の業務効率もますますアップするはずです。
クラウド上にすべての契約書が一元化できたことにより、在宅勤務もしやすくなりました。オフィスに来なくても、参照すべき契約書を自分でリモートで探せるので。
契約書のファイルシステムは、それ自体が貴重な取引情報が詰まったデータベースです。そこにいつでもどこからでもアクセスできるようにしておくことは、契約データという経営資源を活かし、働き方を改革していこうというこれからの時代に、ますます必須になるのではないでしょうか。