コスト削減はもちろんのこと、密なコミュニケーションやサポートにも時間を使えるようになりました
アイセック・ジャパン様はNPO法人として活動してらっしゃいます。具体的にどんな組織なのか教えてください。
本木様
アイセックは126の国・地域に支部がある団体で、平和で人々の可能性が最大限発揮された社会の実現を理念に、各国の支部で相互に海外インターンシップに参加する学生の送り出し、受け入れに関わる事業を運営しています。インターンシップを通じてさまざまな分野で活躍し、多くのセクターや専門領域を巻き込み、世界で活躍できるリーダーをより多く輩出していくことを目指しています。
日本はどのような組織になっているのでしょう。
本木様
日本のアイセック・ジャパンは全国に25の支部があり、その他に東京には僕らの所属する事務局が置かれています。運営に携わっているメンバーは全員が学生です。メンバーそれぞれがボランティアのような形で、アイセックを通じて成長したい、よりグローバルな感覚を身に付けたい、リーダーシップを学びたい、といった思いで活動しています。
海外インターンシップを通じて、学生にはどんな人材に育ってほしいと考えているのですか。
本木様
学生を海外に送り出すにあたっては、インターンの通常の期間である6週間のなかで、どれだけ現地にインパクトを与えられたのか、またその中で学生自身がどれだけ成長できたのか、というところを大事にしています。例えばユーグレナ社長の出雲充さんが、アイセック・ジャパンを介した海外インターンがきっかけでミドリムシの可能性に気付き起業したのが、我々にとって1つのロールモデルともなっています。
僕の知るところでは、インターンシップ中にガーナの農村でフェアトレードを推進するために農協みたいな組織を現地で作った人や、現地で昆虫食の可能性に気付いてコオロギを食用化するプロジェクトを日本で立ち上げている人がいます。各支部で海外インターンの活動報告会を行ったり、Webメディアで体験記を掲載したりもしていますが、そのような学生の成果や現地の変化を見届けるのが、メンバーのモチベーションにもなっていますね。
そのなかでクラウドサインはどのように利用されているのでしょうか。
本木様
今は僕たちが担当している送り出し事業のところで使っています。海外インターンシップに参加したい学生がアイセック・ジャパンと契約するときの契約書と、学生の卒業などで契約が終了するときの修了証です。まれに中途解約する学生もいるので、そのときに取り交わす書類にもクラウドサインを利用しています。
ただ、契約が多くなる時期は偏っています。海外インターンシップに渡航するピークは、大学が夏休みか春休みのとき。それに伴って、だいたい半期ごとのタイミングで100〜200件の契約が発生しています。他の時期にも必要な単位を取得して時間ができた4年生や、休学して渡航する方もいますが、割合としては少ないですね。
クラウドサインを導入したきっかけと目的は?
本木様
今は僕たちが担当している送り出し事業のところで使っています。海外インターンシップに参加したい学生がアイセック・ジャパンと契約するときの契約書と、海外インターンシップが終了し契約を終了するときの修了証です。まれに中途解約する学生もいるので、そのときに取り交わす書類もあります。
ただ、特に契約が多くなる時期は偏っていて、海外インターンシップに渡航するピークが大学が夏休みか春休みの時期なので、その2ヶ月前のタイミングで多くなります。他の時期にも必要な単位を取得して時間ができた4年生や、休学して渡航する方もいますが、割合としては少ないですね。だいたい半期ごとのタイミングで発生する100〜200件の契約にクラウドサインを利用しています。
高橋様
5年ほど前から電子契約に変えたいとは思っていたんです。でも、難しそうな印象があって導入に踏み切れませんでした。そんなときに知り合いからクラウドサインのことを聞き、他の類似サービスと比較しても安価だったので導入しようと。
クラウドサインを導入したことで何か目に見える効果はありましたか。
高橋様
そうですね。参加する学生が未成年の学生だと親権者の方に署名していただく必要があるんですね。なかには実家から離れた場所に住みながら大学に通っている学生もいて、その場合は紙の契約書だとその実家に郵送しなければならなかったのが、クラウドサインだと、親権者の方へメール送信するだけで済むのでずっと楽になりました。
また、インターン希望の学生の面接試験を社会人の方に面接を依頼していて、面接を通過した際には契約書にその学生の海外インターンを承認する旨の署名をお願いしています。これまでは、社会人の方がご多忙で契約書に記入して返送するような時間がなかなかとれないこともありましたが、クラウドサインになったことで、少しでも空いている時間を使って署名してもらえるようになりました。
私たち運営側と契約書を記入する方々双方の負担が減り、契約完了までの全体的な時間も短縮しました。
本木様
これまで契約書にある親権者の署名欄は、紙だと参加者本人がサインしてしまうリスクもありました。そういった点も、クラウドサインを使って契約書をメールでやりとりすればそのリスクも少なくなります。書類の発送のためにレターパックを購入し、梱包するのに費やしていた金銭的なコストと作業コストも確実になくなりました。
各支部の担当者がそういった事務作業に時間を割くことなく、メンバーとのコミュニケーションや新プロジェクトの検討、制度面・安全面の設計、参加者のサポートにも時間を使えるようになったのは大きいですね。事務局の担当者が東京にいなくても、クラウドサインならいつでもどこでも契約書の内容をチェックできるのもメリットです。
反対に改善してほしい部分や要望などがありましたら。
高橋様
書類を各支部ごとに分けて管理したいとき、今はフォルダでは分類できないですよね。それができればもっと契約書の管理やチェックがしやすくなるのにな、と思いました。
また、契約書を一度送ると、そのワークフローに関わっている人のメールアドレスを変更できません。そのため、面接試験を担当している面接官が都合で他の人に変わったとき、書類をいったん破棄してやり直さなければならないところが少し手間ですね。電子署名である以上、取り消しをかんたんに認めてしまうのは問題だというのは理解しているのですが。
導入時のサンドボックス(検証用環境)、あれはすごく便利でした。仮想的に課題を設定して使い方を学んでいけるので、各支部でクラウドサインを導入するときには何度も活用したおかげで導入がスムーズに進みました。
今後、クラウドサインの利用を広げる計画はありますか。
本木様
次はアイセック・ジャパンのメンバーの入会届などをクラウドサインに変えていけたらと思っています。毎年800人ほどの新しい入会者がいて、継続を含めるとその人数は1600人にもなるんです。受け入れ事業については企業様との契約が多いので、電子契約で本当に問題ないのかなど、ビジネス感覚的につかめていないところもありますね。
契約書類のやりとりは、アイセック・ジャパンのメンバーが組織のなかで成長していくうえでは障害になる“誰でもできる”作業だと思っています。もちろん契約は大事なんですが、それよりメンバーには、もっとイノベーティブでクリエイティブなところに取り組んでほしい。できるだけ効率化して、“誰でもできる”ことは減らしていきたい。
それがクラウドサインを導入した理由の1つでもあります。1人1人がボランティアとして活動しているNPOにとって、クラウドサインは大きな救いになっていると感じています。