経営管理室 経営管理グループ 山野 愛梨様
契約件数は月に20〜30件くらいのペースで増えていく予定。今後セールスフォースとのAPI連携も実現させればデータとしての価値も高まりそう
貴社の事業内容について教えてください。
佐藤様
ウィルゲートはもともとSEOコンサルティング会社としてスタートしました。現在は大きく分けると「webコンサルティング」「記事コンテンツ制作」「メディア運営」という3つの事業を展開しています。
そのうち記事コンテンツ制作の部分で、2018年8月以降、webプロモーションを展開するクライアントに高品質なweb記事を提供するために、多くの個人ライターや法人と直接業務委託契約を結ぶことにしたんです。人数としてはおよそ200人。短期間に、大量に契約しなければならないということで、とても紙の契約書では間に合わないことから、クラウドサインの導入を決めました。
これまで、そういった多くのライターの方と契約するような例はなかったのでしょうか。
佐藤様
これまでも所定の規約に同意のうえで会員登録をしていただいた個人ライターの方に寄稿してもらうサービスは展開していました。
しかし、今回の件では、これまで以上に品質や納期に対しての責任をもって取り組んでほしかった。
そのため、敢えて一人ひとりと契約書の取り交わしをしましょうということになったんです。
その契約に電子の、しかもクラウドサインを選ばれた理由を教えてください。
佐藤様
もともと電子契約の仕組みが流行し始めているのは知っていました。ただ、あえてそこに踏み込むほどのニーズは当初はなかったんです。ところが、この新しい記事提供の案件の話が出たときに、電子契約のサービスがあったな、というのを思い出しました。
それ以前にも、別のクライアントから当社に対して「クラウドサインで契約できますか」といった要望がいくつかありました。そのときに何件かクラウドサインを使った契約を経験したこともあり、いざ他のサービスも含めて比較検討したとき、使い勝手がわかっていたクラウドサインが導入しやすかったんです。
具体的にはクラウドサインはどんな印象だったのでしょうか。
佐藤様
最初はクライアントからの要望だったので、こちらが受け側の立場で使っていたのですが、先方からメールが届いて、そこからアクセスするだけでいきなり使えたのが本当に意外でした。いちいち会員登録したり、先方からメンバーとしてアサインされてから……みたいなステップがあるのかなと思ったら、全くなし。すぐにそのまま契約書にサインできたのが良かったですね。
御社で本格的に使い始めてからはいかがですか。
佐藤様
まだ探り探りなところもありますが、一度契約書を送信した相手にリマインドを送れる機能がすごく便利ですね。なにしろ200件もあると、なかには送った契約書の対応を忘れたり、メール自体を見落としているライターさんもいらっしゃるわけです。
なので、契約のステータスを一括で調べて、まだサインしていない方にリマインドしました。リマインド方法については、サポートの方にチャットで相談するとすぐに返事があって、契約書の送信履歴をCSVで出力する方法を教えていただきました。その機能を活用して、思ったより素早く、簡単にリマインドできたのがありがたかったですね。
山野様
それと、契約締結が完了したときに、契約書のPDFがメール添付で届くのもいいですよね。もちろんwebにログインして見ることもできますが、我々の実務上の動きからすると、受信したメールから取ればいいだけ、というのは地味にありがたいんです。
手間を削減できたのが一番のメリット、ということになるでしょうか。
佐藤様
今はとにかく、手間削減の面でメリットが大きいです。新しいシステムは、どうしても使い始めは慣れない部分もあって、なんとなく不便だな……と思ったりもしがちなんですけど、契約書を紙で用意してハンコを押すのに比べたら本当に楽だなと、そういう風に思います。
山野様
コストについても、業務委託契約1件当たり双方で合計8,000円。折半するとしても、200件で80万円になる計算です。その他にも郵送費用や、手作業にかかる人件費もありますし、200人と紙の契約書をやりとりすれば、紛失してしまったりとか、返信用封筒が入ってる・入っていないなどのトラブルも起きたりします。その対応を考えたら、コストメリットは相当大きいですよね。
たしかに個人の方との契約は、紙だとなかなかスムーズにいかない場合もありそうです。
佐藤様
その点クラウドサインは、送信した契約相手からの反応スピードが早い。紙だと受け取った側が届いた封筒を開いて、中身を確認して、ハンコを押して、返信用封筒に入れて投函する……。これってけっこうな手間ですから。
クラウドサインはスマートフォンにも対応しているおかげで、どこでも確認して、サインして、ボタンを押せばそれで終わります。特に今回は短期的に200人との契約を終わらせなければいけない状況でした。契約締結していないとその人にお仕事をお願いできないことになるので、いつでもどこでもすぐに契約締結できるのはありがたいですよね。
ここまでメリットを挙げていただきましたが、反対に電子ならではの戸惑った部分はありますか。
佐藤様
契約書をwebで確認する場合、紙よりも若干注意力が下がっているのを自覚しますね。紙にハンコを押す形だと気付けたようなちょっとした表記ミスについて、時々見逃しがあったな、と思うこともありました。ただ、このようなミスは回避する方法がいくらでもあると考えています。
それに、中長期的には、こうした電子契約というのは蓄積されていく件数が増えるほど価値が高まるんじゃないかと考えています。社内でのフロー管理にセールスフォースを使っていますので、そこと連携して自動で蓄積していくような仕組みをAPIで実現できれば、もっと効率的に使えそうです。
今はライターさんとの契約が多いのですが、クライアントとの契約でも同じように活用していくことで、さらに価値も生み出していければ。業界によっては電子契約に対する障壁の高さを感じているお客様もけっこういらっしゃいますので、そこは世の中の流れに合わせて徐々に範囲を広げていけるといいかなと思っています。
契約件数は今後も増えていくわけですよね。
山野様
最初の200件に加えて、今後も月に20〜30件くらいのペースで増えていくのではないかと思います。これをきっかけに、別の案件でも個人の方とクラウドサインでしっかり契約する、という場面は増える可能性がありそうです。少なくともライティング業務に関するものについては、クラウドサインに移行していっています。
導入を検討している企業に向けて、メッセージがありましたらお願い致します。
佐藤様
今回、我々はクラウドサインをスムーズに導入できましたが、その最大の要因は、目の前に困ったことがあってすぐに対処しなければならなかったこと。もう1つは、社内に向けてコストメリットの説明がしやすかったことです。手間や印紙の費用を含め、毎月かかるコストを削減しつつ楽になれる。特に総務や法務を担当している者としては、そうした理由があると稟議を上げやすいなというのは実感します。
実際に使ってみても、導入したことによるデメリットが今のところありません。良ければ継続すればいいし、だめならまた元に戻せばいい。少なくともコスト面で損をすることはないので、とりあえず試してみては、と思いますね。