建設・建築業

電子契約で建設請負工事をコストカット

  • 2018年8月15日(水)
株式会社技研製作所
東京総務部 東京総務課 課長 南 睦美様
工法事業部 工法情報課 曽我 有喜様
プロダクトサポート部 課長 西川 裕亘様
管理部 法務課 中野 恭兵様 飯沼 直之様

すでに80%をクラウドサイン化。取引先のゼネコン様も「そろそろ電子契約に切り替えていかないとね」とおっしゃっています

貴社の事業内容について教えてください。

弊社は1967(昭和42)年に、公害対処を掲げ、無公害産業機械および工法の開発から創業しました。

現在は、新工法開発企業として「インプラント工法で世界の建設を変える」を経営方針に、油圧式杭圧入引抜機・サイレントパイラーの普及を中心に事業をおこなっています。

サイレントパイラーというのは、どのような機械なのですか?

既に地中に打ち込まれた杭を掴むことで、掴んだ杭の引抜抵抗力を利用して地中に杭を押し込んでいく、という機械です。用途としては土留、河川堤防、沿岸部の岸壁や堤防などがあります。

今、日本ではさまざまな場所の岸壁や堤防が自然災害によって破壊されています。それらをコンクリートで作り直すのではなく、地中に鉄製もしくはコンクリートの杭を打ち込むことで粘り強い岸壁や堤防を作るべきである、という提案を行っています。

具体的な工事場所はどのような場所になるのでしょうか。

東日本大震災で壊れた堤防の改修・復旧工事、高知海岸での堤防補強工事、河川の護岸、橋脚の補強などで活用しています。砂防だけでは流されてしまうので、インプラント工法で杭を打ち込むことで強度を持たせることができます。

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弊社で開発した工法にノンステージング工法というものがあります。これは、杭の搬入から杭の吊作業を経て圧入に至るまでの工程全てを杭の上だけで完結させる、というものです。「工事のための工事」と言われる仮設工事が不要になるため、工期の短縮と建設コストの削減につながります。

日本だけでなく、海外からも注目されていて、ベトナムやシンガポール、フィリピン等からも関心を寄せていただいています。

そんな中、クラウドサインを導入いただいたきっかけとは?

2017年から電子契約の検討を進めていました。そのなかでクラウドサインを知り、他社のサービスと比較検討をして、2018年1月に導入を決定しました。

契約書に関して、何か課題があったのでしょうか。

契約書を紙で作成するための人件費、郵便代、それに印紙代を削減したかったからです。特に印紙代は弊社の場合、1件の契約書だけで数万円というケースもあります。

また、契約書を取引先とやり取りするのに時間が割かれていたことも課題としてありました。多くの企業がそうだと思いますが、契約書を行き来させるだけで一週間かそれ以上かかるということはざらです。

管理部としても、その契約の締結が完了しているのかまだ未了なのか、の管理ができないかと考えていました。さらに、届いた契約書は管理部で保管するため、契約書を作成した各部署ではコピーやスキャニングをしてデジタルデータを残す、という手間もありました。

どのような契約でクラウドサインをお使いいただいているのでしょうか?

弊社の機械を購入、または利用されるお客様との契約を中心に、エアコンの保守点検、不動産の覚書、賃貸契約書などのような細かい契約でも活用しています。数としては月に数十件くらいです。

ずばり、導入決定の決め手を教えてください。

利用プランの費用が安価であることです。率直に、そこに我々としては好印象を持ちました。

また、他の電子契約サービスには、取引先様にも費用を負担してもらわなければいけないものもありましたが、クラウドサインは受信者には金銭負担が発生しません。その上にwebとメールだけで簡単に締結できる、という点が決め手になりました。

おかげさまで、契約書を郵送する必要がなく、部門をまたいで確認もできるようになり、保管も簡単になりました。

実際に利用されてみて、課題のようなものはありますでしょうか?

クラウドサインでの契約を提案しても、2割程度はやはり従来どおり紙とハンコでなんとか、と言われてしまうケースがあることですね。弊社が販売する側での契約ではクラウドサインを使うには難しくはないのですが、弊社が部品を購入する際に断られる、というケースもあるようです。

建設業界のIT化は他の業界に比べて10年は遅れているように感じます。ずっと紙でやってきたし、パソコンは使い慣れていないという取引先様も多いのが現状です。メールアドレスも会社にひとつしかない、という会社もあります。そうした理由から、クラウドサインのメリットをお伝えしても、どうしても紙とハンコがいいとおっしゃるお客様はいます。

抵抗を感じていらっしゃる取引先様には、今後、どのように対応される予定ですか?

プロダクトサポート部では、機械のユーザー様とのメンテナンス契約でクラウドサインを使っています。

今は紙ベースとクラウドサインの二通りになっていますが、今後は、会社の方針として総てクラウドサインにします。現在、80%程度にとどまっているのを数か月のうちに100%にしたい。「もう、クラウドサインしかありません」と交渉していきます。

そのため、クラウドサインさんから頂いているマニュアルを利用し説明もしています。クラウドサインで契約することを事前に案内しているので、さほど難しいことではないと思っています。

弊社とお付き合いのあるゼネコンさんも、「そろそろ電子契約に切り替えていかないとね」とおっしゃっていますね。

海外にも事業を展開されていますが、外国企業との契約でも活用されているのでしょうか?

まだ打診をしている段階で、実現には至っていませんが、今後はもちろん活用していくことになると考えています。

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