貴社の事業内容について教えてください。
細川:当社は、「サービス先端企業」を経営理念に置き、クレジットカード、プリペイドカードによる個人顧客のキャッシュレス決済促進、ソリューションサービスとカードを組み合わせた法人決済のキャッシュレス化を目指し、独自の戦略商品を組み合わせた「コラボレーション経営」を推進しています。
どのサービスでクラウドサインをご利用いただいていますか。
細川:クレジットカードの加盟店向けに事業資金を提供する、「加盟店ビジネスファンディング」というサービスです。「融資」ではなく、将来発生見込みのあるクレジットカードの売上債権を買い取ることで加盟店に資金提供する「債権譲渡形態」を日本で初めて採用しています。Webで申込が完結し、保証人や担保が不要なことから、手軽でスピーディに資金を調達していただけることが特長です。
「加盟店ビジネスファンディング」の一連の業務の流れを教えてください。
吉村:同サービスの運営は、以下3つの手順で行われます。
- 加盟店からのお申込を受けて、当社が査定を実施する
- 加盟店と当社間で債権譲渡契約を締結する
- 当社が加盟店の口座にファンディングを実行し、後に債権を精算する
このうち、2の「債権譲渡契約の締結」にクラウドサインを利用しています。
クラウドサイン導入前はどのような方法で契約締結をしていましたか。
吉村:加盟店の査定後に、ファンディング専用システムから、以下2つのPDFファイルを出力します。
- 取引のベースとなる「基本契約書」
- 債権譲渡の詳細な条件が記載された「個別契約書」
これを印刷し、返送用封筒を添えて加盟店に郵送します。
加盟店は押印の上、返送します。その後、当社にて受領した契約書へ収入印紙の貼付と押印を行います。
これで契約書が完成です。完成した契約書は、コピーを加盟店に送り、原本は当社で保管します。
どのような課題がありましたか。
吉村:スピード、コスト、手間です。
事業資金をスピーディーに提供するサービスにも関わらず、郵送にかかる時間により契約締結まで最低でも2日はかかっていたことと、また、一つの取引に対して、収入印紙が4,200円(基本契約が4,000円と個別契約が200円)、郵送代が500円以上もかかっていました。
さらに毎回PDFファイルを印刷するだけでも大変なのですが、さらに一つの取引に対して郵送が2回も発生するため、当社内での押印作業や保管作業など、多くの手間がかかっていました。
クラウドサイン導入で、課題はどう解決されましたか。
吉村:PDFファイルをクラウドサインにアップロードし、加盟店に承認して貰うだけで契約を締結できるようになりました。それにより最低でも2日はかかっていた契約締結が、1〜2時間程度で完了しています。
コストについても、収入印紙代、郵送代が不要になったためクラウドサインの利用料は月に契約書を3通を送るだけでペイしています。
また、印刷、押印、コピー等の作業がなくなったことで大幅な業務削減にもつながりました。
細川:加盟店ビジネスファンディングは、「Webで申込が完結する」という手軽さが一つのセールスポイントであり、「契約締結が紙で行われる」ということについてはかねてから疑問を感じていました。
これが解消されたこともクラウドサインを導入して良かったことの一つです。
元々、契約の電子化を検討していたのですか。
細川:実は以前に、電子契約サービスを検討したことがあります。法律や契約の有効性等の課題があり導入には至りませんでした。
クラウドサインがリリースされた際に、プレスリリースを拝見し、「これだ」と思いすぐに問い合わせの電話をしました。
導入にあたって、社内決裁のハードルはありませんでしたか。
細川:決裁者だけでなく、法務等を管掌する部門でもスムーズに承認を得ることができました。
契約電子化のリスクがゼロだとは言いませんが、紙は紙で別のリスクがあります。極端に利便性を犠牲にすればリスクをゼロに近づけられるかも知れませんが、事業判断としては不合理です。
当社は新しい試みに前向きにチャレンジする社風ですので、社内からは反対はありませんでした。
最後にクラウドサインを導入してみた感想や、今後の展望について教えてください。
吉村:当初の想定通り、スピード、コスト、手間の問題が解決されて、さらに加盟店のやりとりがペーパーレス化されたので導入は正解でした。
また実際に使ってみると、取引先へのリマインドのような便利な機能があったり、動作環境にストレスがない点も効果的だと思っています。
細川:今後は、クラウドサインのAPIと連携させることを検討しています。これによってさらなる業務効率化を実現できればと思っています。