カスタマーサポートの新規プロジェクトから導入し成功事例を積み重ねたことで、営業スタッフにもスムーズに展開できました
貴社の事業内容について教えてください。
池原:飲食店様等の情報を集めたwebサイト「ぐるなび」を運営しています。また、訪日外国人のためのwebサイト「LIVE JAPAN」では観光や買物、宿泊などの情報も提供するなどして、飲食の周辺領域活性化にも取組んでいます。こうしたサービスを通じて、飲食店様等の経営に関わる各種業務支援サービスを提供させていただいています。
クラウドサインをご検討いただいた経緯を教えてください。
西海:たまたま、クラウドサインのプレゼンを聞く機会がありました。「これはやばい」「クラウドサインで産業革命が起きるのではないか」と、衝撃を受けました。というのは、クラウドサインがあれば、私が所属するカスタマーサポートセンターとお客様との関係を一気に変えることができると直感したからです。
それまでのお客様との接し方といえば、電話で営業し、承諾を頂けると契約書をお送りし、返送して頂くというものでした。これですと、契約書を紙でやりとりし受け取るまでの時間で、お客様の熱意が下がってしまうことがままあります。この課題は解決できないものと半ば諦めていました。ところが、クラウドサインなら電話した直後に締結し、回収ができる。「こんな方法があったのか」と驚きました。
池原:西海がクラウドサインに出会ったころ、私も同僚から存在を聞き、「電子契約の時代がくるな」と感じていました。契約書をプリントして製本してハンコをもらう。ハンコの押し忘れがあるとまた、送り返す。こんな非効率な作業をやめられないものかと。インターネットでグローバルにどこでもコミュニケーションできる時代なのに、なぜ契約はもっと簡単にできないのかと考えていたからです。
ネックは法律的に大丈夫か、という点でしたが、クラウドサインさんからも説明を受け、「これはリスクがなく、業務効率の改善ができるシステムだ」と思いました。
どのような契約でクラウドサインをご利用いただいているのでしょうか。
池原:いきなり総ての契約書をクラウドサインにする、というのはあまりにもハードルが高すぎます。なので、段階を分けてクラウドサインを使っていきたいと考えていました。そんなとき、カスタマーサポートセンターが新規に手がける拡販のための新しいプロジェクトで「使いたい」という要望があり、トライアルとしてはよいのではないかと、導入しました。
齋:その新規プロジェクトというのが、カスタマーサポートセンターから既存顧客に対してオプションサービスを提案し、契約まで締結するというものでした。プロジェクトを推進するメンバーは約50人。最初のうちは内心おそるおそる全員にクラウドサインの使い方を含めてプロジェクトを説明したところ、メンバーは「それならやれそうだ」前向きに捉えてすぐに動き始めてくれました。
従来のカスタマーサポートセンターの業務は電話をして、口頭で内諾を頂くところまで。そこから先は地域の営業スタッフに引き継ぎ、その営業スタッフがお客様に連絡を取って契約書を締結するフォーメーションを採用しており、我々は契約にはノータッチでした。それを、契約の締結までカスタマーサポートセンターで担当するようにしたところ、メンバーは「最後まで担当できる」という嬉しさからモチベーションが向上し、1日で十数件の契約を取るメンバーも出てきました。
クラウドサインを活用いただくことで、カスタマーサポートセンターが営業部門のようになったのですね。
本来、カスタマーサポートセンターは「サポート」という役割にとどまるのでなく、お客様のお店を繁盛店にするのが任務です。その中でも私のチームは営業要素が強く、お店を成功に結び付けるために活動していました。クラウドサインによって契約締結までを見届けることができるようになり、メンバー全員が「最後まで責任を持てた」という達成感・手応えを直で感じられたのがよかったところです。
お客様からの反応ですが、年配のオーナー様から、あまりに簡単すぎるので「大丈夫?」とお電話いただくことはありました。でも、「確認メールは届きましたよ」とお伝えすると安心していただけました。
西海:メンバー約50人で1人、3、4件の契約をすると、契約書だけでも1日でとんでもない数になります。契約書を紙で作成して送って回収する、というのはかなり困難なこと。その意味でもクラウドサインがなければ実現できなかったプロジェクトでした。しかも、そのプロジェクトは半年で完了しました。
地域の営業スタッフは約300人いますが、そこに頼らずカスタマーサポートセンターの約50人でなしえた。このことは社内でちょっとした騒ぎになりました。契約を締結すると完了のメールが飛んでくるのですが、そのメールが凄い勢いだったもので(笑)。
池原:トライアルだったとはいえ、以前の書類回収方法とくらべて約4倍の成約数。過去にない勢いだったのでエグゼクティブ層が驚いていましたよ(笑)。数ももちろんですが、業務効率や人件費という観点で見てもメリットは多大でした。
林:カスタマーサポートセンターがクラウドサインの活用で大きな実績を上げたので、「営業でも導入せよ」というミッションが営業本部から指示されました。しかも「今すぐ」と(笑)。そこからどうすればできるのかを検討することになりました。
弊社の商品は「人」です。営業部隊がコンサルタントとして店舗様に赴いて提案していく。その営業活動にクラウドサインを導入することになったのですが・・・・・・。
池原:カスタマーサポートセンターは直接、店舗のご担当者様にお会いするわけではないので、クラウドサインを活用することはスムーズだったのですが、営業スタッフは、お客様のところに出向くことが仕事です。せっかく直接お会いしているのに、契約だけはクラウドサインで、となるとかえって非効率なのではと。「本当にやるんですか」という声もありました。
林:とはいえ、書類に不備があった場合、そのためだけに交通費や郵送費をかけるよりもクラウドサインの方が便利ですし、時間も費用も削減できるのはメリットです。また、ワークフローやcc機能もあるので、店舗様と営業スタッフだけでなく、営業部全体や支援スタッフも情報を共有することができる。多くの人が確認できることで不備を未然に防げることがメリットとしてありました。
それだけの規模で導入をいただいたとなると、社内調整やお客様への説明も一苦労でいらっしゃったと思います。どのような手続きで導入を進められましたか?
齋:弊社の契約書はクラウドサイン用にできていなかったので、それを整備する必要はありました。でも、一度、できてしまえばその後の手間はありませんでしたね。
林:営業スタッフは約500人います。扱う商品も店舗様も違います。個人の飲食店もあればチェーン店もある。それぞれにあわせたマニュアルを作って展開しました。
導入したいが、営業スタッフや対象顧客が多く展開するのに尻込みをしている、という企業様もいらっしゃいます。そうした企業様に向けて、何かアドバイスはありますでしょうか。
林:私が想定していた営業部からの質問として、店舗様には年配の方もいらっしゃるので、クラウドサインをどう説明すればいいのか、ということがあると想定していたのですが、実際にはそのような質問は多くありませんでした。逆に「どう説明しているのですか?」と聞くと「口頭で説明すると理解していただける」とのことでした。「紙がデータになっただけなので、なにも変わらない」と。何も恐れることはない、ということは実感としてあります。
池原:クラウドサインは送信者である私達だけでなく、受信者となるお客様にもわかりやすいサービスです。導入に苦労はあるかもしれませんが、それに見合ったメリットは返ってきます。使っている営業スタッフは絶対に楽になっているし、お客様もそうです。費用面でも業務効率でもメリットはあります。
西海:最初、店舗様は同意してくれないのではないかという懸念は社内にありました。我々もそこは不安でした。しかし、紙となんら変わらないと理解は早かった。改めて店舗様のITリテラシーの高さを再確認しましたね。
今後のご要望や活用プランをお聞かせください。
林:契約段階まで進んだけれど、結局、締結に至らなかった、というケースがあります。その状況は、紙ですと営業スタッフにしかわかりません。契約締結のワークフローをクラウドサインで可視化することで、契約が上手く行かなかった理由の分析に使えるのではないかと考えています。そうした情報を元に、営業スタッフにとって動きやすい環境を整えたいですね。
齋:カスタマーサポートセンターは女性が多い職場です。先を見据え働き方も見直す必要があると考えています。業務がクラウド化することで、在宅勤務も推進できるかもしれません。すると出産や子育て、家庭の事情により会社を辞めざるを得ない状況に、新たに「続けて働く」という選択肢が増えます。スキルが備わった人材の流出を防ぐことができると思います。
西海:カスタマーサポートセンターでクラウドサインを導入したことで、やれる仕事の領域が増えたというのが感想です。すると、カスタマーサポートセンターのオペレーターに求められるスキルも高いものになって行きます。クラウドサインという新しいツールを活用することで自分のキャリアアップにもつながる、という期待があります。
池原:これは御社へのお願いになりますが、「クラウドサインというものがありまして」と店舗様に説明をしないといけない、という状況を弁護士ドットコムさんにはなんとかしていただきたい。「クラウドサイン」といったら店舗様が「あ、あれね」といってくれるようになると我々は楽です。そのためにはもっとテレビコマーシャルなどで認知度を上げてもらいたい。これはぜひともお願いしたいところです(笑)。