電子契約サービスのAPI連携活用術|用途やメリット・具体例を紹介
電子契約サービスにおけるAPI連携とは、契約書の作成や管理を自動化し、業務を効率化するための対応です。システム間の連携を通じて、契約業務の一元化や法的要件を満たすのが容易になります。
この記事では、電子契約APIの活用方法、導入のメリット、クラウドサイン導入のメリットなどについて詳しく紹介します。
目次
電子契約サービスにおけるAPI連携とは
電子契約サービスにおけるAPI(Application Programming Interface)とは、契約書の作成・署名・管理などをシステム間で自動化するための技術です。APIを活用することで、企業は自社で採用している業務システムと電子契約サービスを連携させ、契約業務をスムーズに行えるようになります。
たとえば、営業支援システムから契約書を直接作成したり、契約内容をリアルタイムで更新したりすることが可能です。
APIは、定型的な手続きの自動化に加えて、ワークフローや契約の管理を効率化する強力なツールとなり、紙ベースの手続きをデジタル化し、業務の精度とスピードを向上させます。
電子契約サービスにおけるAPI連携の主な用途
電子契約サービスにおけるAPI連携は、企業の契約業務を効率化するための強力なツールです。APIを使うことで、複数のシステムを連携させ、契約プロセスをスムーズに進めることができます。
ここでは、電子契約APIの主な用途をいくつか紹介します。
契約書作成の自動化
電子契約サービスにおいてAPIを活用することで、契約書の作成を自動化できます。具体的には、システム内に入力されたデータ(顧客情報や契約内容など)をもとに契約書を自動で生成し、その契約書を電子契約サービスに送信することが可能です。
これにより、契約書作成の手間を大幅に削減できます。
たとえば、営業チームが顧客情報を入力すると、その情報が契約書に反映され、契約書が自動で作成されます。従来の手作業ではミスや時間がかかりましたが、自動化により効率化が図れます。
契約管理の一元化
API連携により、契約書の管理を一元化できます。
たとえば、自社のCRM(顧客関係管理)やERP(企業資源計画)システムと電子契約サービスを連携させることができます。これにより、契約書の送付状況や締結状況をリアルタイムで確認できるようになり、社内のどの部門でも最新の契約状況を簡単に把握できます。
また、契約データが電子契約システムと連携して保存されるため、契約情報の管理が一元化され、情報の取りこぼしや重複を防ぐことができます。
さらに、契約書の保存や参照が容易になり、契約内容を迅速に確認できるようになります。
ワークフローの統合
電子契約サービスにおいてAPI連携を行うことで、契約書の承認フローや通知機能を自社の既存システムに統合することができます。
たとえば、契約書の承認が必要な場合、システム上で承認の手続きを行い、承認者には通知が届きます。これにより、従来の手作業での確認や紙ベースの承認が不要になり、契約業務を効率化できます。
また、承認が進むごとに次のステップへの通知が自動で行われるため、契約の進捗がスムーズに管理でき、チーム全体での調整も効率的に行えます。
法的証拠の保管と活用
電子契約の締結が完了した後、その契約書を法的に有効な証拠として保管することが重要です。
API連携することで、締結済み契約書のデータを取得し、他の法務システムやアーカイブシステムに連携することができます。
契約書の保存と法的証拠の管理が一元化され、後で契約内容を確認する際にも便利です。
電子契約サービスにおけるAPI連携の利用具体例
電子契約サービスにおけるAPI連携は、企業のさまざまなシステムと連携させることで、契約業務を効率化するために広く利用されています。
ここでは、具体的な利用例をいくつか挙げて、どのように活用されているかをご紹介します。
営業支援ツールと連携する
営業担当者は、CRM(顧客関係管理)ツールを使用して契約書の作成を行います。
たとえば、SalesforceやHubSpotなどのCRM上で顧客情報を入力し、その情報を基に契約書を自動生成します。
そして、ボタン一つでその契約書を電子契約サービスに送信できる仕組みが整います。
さらに、契約書の進捗状況や署名状況が自動的にCRMに反映されるため、営業担当者は契約の締結状況を一元的に管理することができます。
代表例として、「SalesforceやHubSpot」と「クラウドサイン」などの電子契約サービスがAPIを通じて連携されています。
人事システムと連携する
人事システムと電子契約サービスにおけるAPIを連携させることで、従業員関連の契約書作成や管理を効率化できます。
たとえば、入社契約書や機密保持契約書(NDA)などは、人事システム内で直接作成し、電子署名の手続きを自動的に開始することができます。
署名が完了すると、署名された契約書のデータが自動的に人事システムに保存され、過去の契約書を簡単に検索できるようになります。
これにより、人事部門の負担が軽減され、契約書の管理がシームレスに行えるようになります。
具体的なサービス例としては、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」と電子契約サービスとのAPI連携があり、従業員の入社手続きや契約管理を効率よく行うことができます。
購買管理システムと連携する
購買管理システムと電子契約サービスをAPI連携させることで、購買契約の作成から締結までのプロセスを自動化できます。
たとえば、購買契約書をシステム上で作成し、その契約書を電子契約サービスに送信することで、契約プロセスを進行させます。
契約書が締結されると、その情報は購買管理システムに自動的に記録され、契約内容を一元管理することができます。
このように購買業務と電子契約を連携させることで、手動でのデータ入力や契約進捗の追跡が不要となり、業務が大幅に効率化されます。
電子契約サービスとのAPI連携を行うメリット
業務効率がアップする
API連携を行うことでの最大のメリットは、業務効率がアップすることです。
API連携を活用することで、異なるシステム間でのデータのやり取りや活用が可能になります。既存のシステムに保存されている情報をそのまま使用して電子契約を行えるため、業務の効率化が実現します。
さらに、データは自動的に同期されるため、システム内に集められた情報を一元的に管理でき、管理業務が簡素化されます。
契約管理が一元化できる
API連携により、既存の業務システム(たとえばERPやCRMなど)に契約の進捗状況や締結済み契約書のデータを一元管理することが可能になります。
これにより、複数のツールやシステムを切り替える手間が省け、すべての契約情報を一箇所で確認できるため、効率的に業務を行えます。
たとえば、契約が未締結のままである場合、その進捗状況を即座に確認できるため、対応漏れや遅延を防ぐことができます。
また、企業内で複数部門が関与する契約の場合、関連部門と情報を共有することもスムーズに行えます。
利用者の利便性がアップする
API連携を活用することで、既存のサービスからデータを自動的に取得でき、ユーザーが入力する手間を省くことができます。
データの共有や更新は自動で行われるため、手作業によるミスや誤送信のリスクを軽減することができます。
以下、利用例を挙げてみます。
・オンラインショッピングの住所自動入力
・家計簿アプリが銀行口座と連携
・公共交通機関の運行状況をリアルタイムで確認
・医療機関での予約システム
・人材採用プラットフォームの履歴書自動入力 など
API連携によって、企業だけでなく、それを利用するユーザーの利便性も向上するでしょう。
コストが削減できる
API連携により、契約作成や署名、管理といった一連のプロセスが自動化されるため、従業員の工数や時間コストを大幅に削減できます。
また、電子契約はペーパーレス化を促進し、印刷や郵送にかかるコストも削減できます。
さらに、電子化することで物理的な書類管理にかかる費用やスペースも不要になるでしょう。
セキュリティが向上する
API連携により、他のシステムに安全にデータを連携できるため、データの移行や共有におけるセキュリティが向上します。
また、API連携を通じて、データに対する権限管理やアクセス制限を適切に設定できるため、外部からの不正アクセスもしにくくなります。
電子化によって、物理的な書類の紛失や盗難のリスクもなくなるため、機密情報の保護が強化されます。
柔軟にカスタマイズできる
API連携の大きな利点の一つは、企業の業務フローに合わせて柔軟にカスタマイズができる点です。
たとえば、契約書の自動生成や署名の進捗確認、通知機能などを、企業独自の要件に基づいて設計できます。
これにより、会社全体の業務フローを統合し、システム間で情報をスムーズにやり取りできるようになります。
法的要件を満たした契約ができる
API連携により、契約の締結プロセスが法的要件を満たした形で記録されます。
電子契約では、署名のタイムスタンプや契約履歴などが自動的に保存されるため、契約の正当性を証明するための証拠として活用できます。
また、契約書の内容や署名履歴が記録として残るため、監査や法務対応が簡単に行えるようになります。
API連携可能な電子契約サービス「クラウドサイン」で契約業務の効率化を
弁護士ドットコム株式会社が提供する「クラウドサイン」は、日本国内シェアNo.1(※)の電子契約サービスです。
※1:株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2023年版」(電子契約ツール、2022年度実績)
クラウドサインでは、契約書の作成から締結、管理までをデジタルで完結させ、従来の紙や押印に頼る作業を効率化することができます。
クラウドサインの特長は以下のとおりです。
・業務効率化:契約業務のスピードアップを実現し、従業員が本来の業務に集中できる環境を整備
・コスト削減:ペーパーレス化により印刷や郵送にかかる費用を削減し、持続可能なビジネス運営に貢献
・高いセキュリティ:最新の暗号化技術を採用し、契約データの安全性を最大限確保
・法的信頼性:日本の電子署名法に準拠しており、法的に有効な契約を締結可能
クラウドサインは、国内市場のニーズに応じて設計されており、日本企業のビジネス慣習や法規制にも対応しています。契約業務の課題解決や効率化を目指す企業にとって、クラウドサインは信頼性の高い選択肢です。
契約手続きの迅速化やコスト削減を検討している場合には、導入を検討する価値があります。
クラウドサインでは「API・システム連携支援サービス」も開始
クラウドサインでも「API・システム連携サービス」が開始されたことで、企業が持つさまざまなシステムとの連携が可能になりました。業務効率化や利便性の向上が期待できます。
【API連携で業務が効率化】
クラウドサインのAPIを利用することで、契約書作成や締結、管理といった契約業務を自動化できます。たとえば、以下のような使い方が可能です。
・データの自動同期:CRMやERPと連携することで、顧客情報や契約内容を手動で入力する必要がなくなります。データはシステム間で自動的に同期され、入力ミスを防ぐだけでなく作業時間を大幅に削減できます。
・リアルタイムでの契約状況確認: クラウドサインを利用して作成・送信された契約書の進捗状況が、他の社内システムからも確認可能になります。これにより、契約の締結状況や未対応の契約が一目でわかるようになります。
【複数システムの統合管理が可能】
APIを活用することで、企業が利用する他の業務システム(SFA、会計ソフト、購買管理システムなど)とクラウドサインを統合できます。この統合により、契約書に関するデータを一元管理することができ、以下のようなメリットがあります。
・ツール切り替えの手間を削減:契約状況を確認したり、データを更新するために複数のツールを行き来する必要がなくなります。
・業務全体の見える化:契約データと関連する他の業務情報をまとめて管理することで、業務プロセス全体の把握が容易になります。
【導入のハードルを下げる支援サービス】
クラウドサインでは、API連携をスムーズに行うための「システム連携支援サービス」も提供しています。専門知識がなくても、クラウドサインと社内システムを効率的に連携できるようサポートを受けられるため、中小企業でも手軽に導入が可能です。
【柔軟なカスタマイズも可能】
クラウドサインのAPIを利用すれば、企業独自の業務フローに合わせてシステムをカスタマイズすることもできます。たとえば、契約書の自動通知機能や承認フローの設定など、各企業のニーズに応じた仕組みを構築できます。
まとめ
電子契約サービスにおけるAPI連携は、契約業務を効率化するための技術であり、契約書の作成、署名、管理をシステム間で自動化できます。
APIの活用により、営業支援ツールや人事システム、購買管理システムなどと連携し、データの自動入力や一元管理が可能となり、業務のスピードや精度が向上します。ペーパーレス化によるコスト削減や、法的要件を満たしたデータ管理ができる点も大きなメリットです。
なお当社弁護士ドットコム株式会社の提供する電子契約サービス「クラウドサイン」は、API連携機能を備えており、契約手続き全体をスムーズに進めることで企業の効率化を支援します。
クラウドサインは、クラウド上で契約書のPDFに電子署名を施し、スピーディーかつ安全に当事者間の合意の証拠を残すことのできる電子契約サービスです。これまでに250万社以上の導入実績があり、業界業種問わず多くの方にご利用いただいております。
当社ではクラウドサインの機能や料金をコンパクトにまとめた「クラウドサイン サービス説明資料」をご用意しています。クラウドサインを導入するメリットや導入までの流れ、お客様の声などクラウドサインの導入検討するために知っておきたい情報を網羅的に解説していますので、クラウドサインのサービスの詳細を知りたい方は、下記リンクからご入手ください。
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