弁護士ドットコムがリクルートと業務提携 規約・同意管理SaaS「termhub(タームハブ)」を開発
2022年6月14日、クラウドサインを提供する弁護士ドットコムがリクルートと業務提携し、規約・同意管理SaaS「termhub(タームハブ)」を共同で開発、販売することを発表しました。本記事では、新しい法務SaaSであるtermhubが目指す世界観と、具体的な機能について解説します。
1. 規約・同意管理サービス「termhub(タームハブ)」とは?
termhub(タームハブ)は、法務の規約管理を支援する、新しいSaaSプロダクトです。
2022年6月14日、株式会社リクルートおよび弁護士ドットコム株式会社は、新サービス「termhub」を共同で開発し、10月よりサービス提供を開始することを発表しました。
ウェブサービスが増え続ける中、利用規約やプライバシーポリシーを掲出するシーンも比例して増えています。規約を正しく運用しようとすればするほど、法務を中心とした管理部門の規約や同意情報の管理は複雑になり、業務の負荷は高くなってしまう構造があります。
このような課題に対して『termhub』は、利用規約や同意情報の管理業務支援を行い、法務担当の負荷を削減、企業がユーザーと誠実な関係を構築する社会の実現に貢献していきます。
規約・同意情報管理サービス「termhub(タームハブ)」紹介動画
2 弁護士ドットコムがリクルートとtermhubを協業することになった理由
2.1 ユーザー個人を尊重した関係づくりのニーズ
利用規約やプライバシーポリシーは、インターネットを通じて商品・サービスを提供する企業と、それらを利用するユーザーとの最初のコミュニケーションの場であり、二者間の関係性を表すものだと考えています。
実際にグローバルでは、GDPRをはじめとするプライバシー保護法制が強化の一途をたどっています。日本においても、2022年4月に個人情報保護法が改正されたのを見ても分かる通り、法規制のハードルと個人の権利意識は高まっています。そんな中、企業は「規約への同意」を中心としたコミュニケーションに、大きな課題を感じはじめています。
読まれない利用規約やプライバシーポリシーを飾り、形式だけ同意を取得したことにする。そうしたこれまでの規約コミュニケーションのあり方から脱脚し、ユーザーを尊重した関係作りが必要ではないか。リクルートと弁護士ドットコムは、そのような思いを共にし、協業の道を選択することとなりました。
2.2 クラウドサイン周辺領域のソリューション提案力拡大
クラウドサインは、「クラウド型電子署名」という新しい技術によって、紙とハンコに囚われてきた日本の契約文化を変えるべく、日々チャレンジを続けています。
一方で、企業が個人と契約を結ぶ手段のほとんどは、実はすでにハンコではなく、ブラウザやアプリ上で「規約への同意ボタンを押す」というスタイルが主たるものでした。実際、個人として1年の中で契約書にハンコを押印する機会はほんの数回に限られているのに対し、インターネットで規約に同意する頻度は、少なくとも年に10回はあったのではないでしょうか?
- 電子署名までは不要だけれども、自社サーバー上の同意ログだけでは不安が残る
- 複数に存在するWebサービス、数十ある規約表示画面のすべてについて、もれなく同意管理し続ける自信がない
- 万が一に備えて、ユーザーからどのように規約への同意記録を残しておけばよいのかわからない
クラウドサインだけでは解決できない、企業が抱えるこのような規約管理の課題に対し、新しいサービスで解決策を提案する必要があると考えました。
2.3 個人向けWebサービス開発・運営経験豊富なリクルートと強みを相互に補完
リクルートは、高い付加価値をもったBtoCのWebサービスをいくつも開発し、継続的に運営し続けた実績を持つ、世界クラスのIT企業です。一方で、企業法務向けのSaaSを販売した経験は、お持ちではありませんでした。
弁護士ドットコムは、企業法務・弁護士向けサービスの領域で、リーガルテックマーケットを牽引するSaaS企業の一社であると自負するものの、他方で個人向けWebサービスの運営実績では、リクルートには及びません。
この両者が、それぞれの強みを相互に補完しながらプロダクトを開発・販売することで、企業が求める法的専門性と技術的安定性の両方を兼ね備えた、法務向けSaaSを実現することが可能となります。
3. termhubが解決しようとする課題
3.1 規約表示の課題解決
規約と一言で言っても、サービス利用規約やプライバシーポリシーだけではありません。
- 特定商取引法に基づく表示
- 資金決済法表示
- キャンペーン応募要項
など、企業がインターネットでサービスを展開する際に、ユーザーに提示すべき法的文書は、サービスの数に比例して掛け算で増えていきます。
管理すべき規約の数が増えれば、法務を中心とした管理部門の規約の作成事務負担だけでなく、実際に出し分けの仕組みを実装するサーバーサイドエンジニア・フロントエンジニアの負荷も増大していきます。
termhubは、誤りのない規約の作成と修正起案、承認手続き、バージョン管理、更新内容の各画面への反映・実装までを容易に行えるようにし、企業の業務負荷を削減します。
3.2 同意記録の課題解決
規約の同意記録は、各社のサーバー内のユーザーデータベースに閉じ込められた、私的なデータです。しかもそのデータの多くは、「規約同意画面にアクセスし、所定の条件(チェックボックスやボタンをクリック、画面をスクロール)を満たして通過した(はずの)ユーザー」というものに過ぎません。
同意した規約に基づいて紛争が発生した際に、当該ユーザーが同意した規約文書はどのようなものだったか、問い合わせを受けてすぐに判別できるような形では保存されていないのが通常です。
termhubでは、当該ユーザーがいつ、どの画面で、どのような規約の組合せの提示を受け、どのバージョン(変更履歴)の規約文書を確認して同意したのか、機密性・完全性・可用性が高度に担保されたクラウド上に、サービス利用者の個人情報を含まないかたちで安全に保存します。
3.3 規約コミュニケーションそのものの課題解決
サービスリリース時は、上記のような規約に関する目の前の課題解決からスタートしますが、termhubが目指すのは、あくまで「規約を通じた企業とユーザーとのコミュニケーションの課題解決」です。
- 大量の文字がそもそも読む気を起こさせず、入り口でユーザー体験を毀損している
- ユーザーが規約の法的な意味まで理解して同意してくれているのか、サービス提供者にとっても不安
- 規約の世界的なトレンドをキャッチアップし、ユーザーに受け入れやすいものに随時変更していきたい
企業のこうしたニーズにも応えられるプロダクトを目指します。
4. termhubに関するお問合せ・資料請求
企業の利用規約やプライバシーポリシーの適切な同意管理支援を目的とした、新しい法務SaaS『termhub(タームハブ)』。サービス提供開始は今秋10月の予定ですが、すでに資料やデモ画面も交えてのご紹介・ご商談を開始しております。
お問合せは以下フォームからお受けしています。どうぞお気軽にご連絡ください。
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