真の営業DXはSFAやCRMだけでは完結しない?電子契約による営業プロセス効率化の方法を解説
将来の事業成長、競争力強化のためにDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる企業は少なくありません。とりわけ営業部門においては、顧客の課題解決に向けた本質的な活動に時間を割くためにDXによる顧客管理・営業活動の効率化を実現することが急務となっています。
本記事では、真の営業DXを実現するためのひとつの選択肢として、電子契約サービスをご紹介します。使い慣れた自社システムやエクセルなど「従来のプロセス」を踏まえつつ、CRMやSFAとの連携についても解説しますので、営業DXを加速させていくためのヒントにしていただければ幸いです。
イントロダクション
営業DXの具体的な方法や事例を知る前に、まずは営業DXの定義や目的を改めて確認しておきましょう。電子契約サービスが営業DXにどのように貢献するかも解説していますので、自社の営業プロセスを振り返りながら確認してみてください。
営業DX(デジタルトランスフォーメーション)とは
「営業DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、顧客の購買目的や購買行動に合わせて「自社の営業プロセスを再設計」し、デジタルツールやデジタルチャネルの活用により「顧客の購買行動」と「自社の営業活動」の最適化を図る取り組みです。
営業DXを実現するためには、単なる営業プロセスのデジタル化に留まらず、営業プロセスを見える化し、営業担当者が適切なアクションをとれるようにデータ収集の仕組みを見直すといった一連のアクションが必要になります。
電子契約サービスが営業プロセスに革命をもたらす
電子契約の導入による効果は、紙の契約書の電子化により押印〜製本〜投函といった事務作業がなくなり、自社の業務プロセスが効率化される点だけと思われるかもしれませんが、実は単なる「契約書のデジタル化」に留まりません。紙からデータへ、押印から電子署名へと変化することで、営業プロセスにさまざまな変革をもたらします。
たとえば、電子契約を導入することで顧客にも書面への押印や返送の必要がなくなるため、顧客の負担となっていた事務作業の手間や郵送費等のコストを省くことができます。
また、従来の書面の契約ではサービスの申し込みから提供までに1〜2週間かかっていたところ、電子契約の導入により契約締結までのリードタイム短縮も可能です。顧客は申し込んだその日からサービスを開始できるようになります。
顧客側のエクスペリエンスが向上することで、最終的に顧客満足度やサービス提供事業者に対する信頼性が高まることも期待できるでしょう。
CRMやSFAだけでは完成しない営業DX
CRMやSFAは顧客情報管理や営業プロセスを効率化する上で非常に便利であるものの、これらのシステムだけでは営業プロセスの全てはカバーできません。顧客との関係性や信頼性の構築など、ヒューマンスキルが重要な営業活動についてはカバーしきれない部分もあるためです。
営業プロセスの全体最適化を図るためには、CRMやSFAを補完するツールや手法を活用する必要があります。例えば、営業支援システムの導入、営業プロセスの再設計、トレーニングやコーチングの実施、そして電子契約サービスが挙げられます。
とくに電子契約サービスの導入により、商談開始前に締結するNDA(秘密保持契約書)や商談後に発生する申込書・契約書をできる限りスピーディーかつ円滑に締結完了することで、その後の営業プロセスをスムーズに進行できるようになります。
このように、真の営業DXを実現するためには契約書類の対応にかかる時間とコストの削減が不可欠です。これらのアプローチを組み合わせることで、営業プロセスの全体的な改善や効率化を図ることが期待できるでしょう。
電子契約による営業DX事例
当社のクラウド型電子契約サービス「クラウドサイン」を導入し、営業DXを加速させた導入企業の事例を3つ紹介します。導入事例の詳細を確認したい方はリンク先の記事もあわせてご覧ください。
契約にまつわる事務作業が「消えた」ー株式会社ユニリタ
業界を問わず、あらゆる企業の業務効率化や生産性向上を図るためのITソリューションを開発・提供しているユニリタは、将来の災害発生を見据え、非常時でも契約業務が止まらない体制構築のためにクラウドサインを導入しました(導入事例記事はこちら)。
営業担当者が社内ネットワーク内のGoogleフォームに契約相手となる取引先の情報を入力。その内容がAPI連携で自動でクラウドサインに登録され、それを法務部が1日に2回、午前と午後に確認。内容に問題がなければ送信ボタンをクリックして完了。
<自社の営業プロセスの変化>
電子化によってリードタイムが圧倒的に短くなり、契約が遅れて業務に影響することがなくなった。また、紙のときにあった契約書の原本を紛失するリスクもなくなり、クラウドサインから契約の進捗を確認できるようになった。
<取引先(顧客)の変化>
取引先の署名プロセスも大幅に効率化。とくに、紙の契約書を郵送する必要がなくなったため取引先の手間も軽減。取引先からは契約までのスピードが上がったとの好評を得ている。
エクセル操作のみ、5分で発注処理。ギリギリのお客様を断らなくてすむように ー株式会社JSOL
「今はない、答えを創る。」を掲げ、顧客の希望をかなえるのに止まらず、顧客が抱える本当の課題を探り、ITの力で根本的な解決へと導く、JSOLでは、委託先への発注業務を電子化するためにクラウドサインを導入した上、ExcelとクラウドサインとをAPI連携しました(導入事例記事はこちら)。
Microsoft Excelのシートでメール文面も含めたそれらの情報を一括で管理するようにし、ボタンをいくつか押すだけでクラウドサインとのAPI連携によって発注書PDFを生成し、送信できるようにしました。クラウドサインとAPI連携しているこのExcelのツールを使う事で、単純なボタンクリックだけで1件当たり5分もかからず楽に発注処理が出来ています。
以前は発注書を郵送もしくはメール送信した後、相手方から返送いただくまで、全体の平均値としては5営業日以上かかっていました。ところがクラウドサイン導入後は完了まで平均で2日余りとほぼ半分に短縮しています。
<自社の営業プロセスの変化>
ボタンを押すだけで発注書のPDFを生成し送信できるようになったことで、手動での契約書作成の手間が大幅に削減された。
また、急きょ外部に委託しなければならない事態が発生した場合、電子契約導入以前は発注処理が間に合わず断るしかなかったが、導入後は時間が少ないなかでも委託契約を締結できるようになった。
<取引先(顧客)の変化>
印刷・調印・郵送また印紙が不要になり、契約業務が楽になる、手続きのスピードが上がるといった変化を実感する声が上がっている。
約1,000件の同意書をほぼ100%電子化 ーりそなデジタルハブ株式会社
企業のDX支援を事業としているりそなデジタルハブは、書類の電子化による業務効率化やコスト削減を目的にクラウドサインを導入し、Salesforceとクラウドサインの連携に取り組みました(導入事例記事はこちら)
お客様からアンケートにご回答いただいてSalesforceに登録されたリード情報を元に、それにひも付いた連絡先にSalesforce上の操作で、クラウドサインを通じて同意書をすぐに送れるようにしました。こうすることで、宛先の入力ミスによる誤送信を防げますし、ミス防止のために他の人がチェックするような体制をとる必要もありません。ここは実際に使用する営業部門のスタッフの作業効率アップにつながっている部分だと思います。
また、同意書のPDFファイルはSalesforceに自動で保存されますから、確認のためにあちこちのツール画面に移動する煩わしさも皆無です。同意が得られたかどうかの進捗確認をいつでも行えるのもいいですよね。
<自社の営業プロセスの変化>
紙ベースの契約書作成から電子契約への移行により、契約書の作成から送付、署名までのプロセスが効率化された。これにより、営業担当者の業務負荷が軽減し、営業活動に集中する時間が増加した。
<取引先(顧客)の変化>
DX支援を事業としていることもあり、同意書を電子化していることに対して取引先から一定の安心感や信頼感を得られた。
電子契約の導入におけるベストプラクティスと連携のメリット
電子契約サービスを導入する場合は、単にツールを導入するだけでなく社内調整や規程の整備などさまざまな準備が必要になります。ここでは、実際に電子契約を導入する場合に押さえておきたいベストプラクティスや、ツール・システムとの連携によって生じるメリットを確認しておきましょう。
電子契約サービスを導入する際の具体的なステップ
電子契約サービスを全社導入するまでの流れは次の7つのステップに分けられます。
最初のステップ1〜2では導入にあたっての要件定義やサービスの比較検討といった情報整理を行います。その後のステップ3で予算感を確認した後、ステップ4〜ステップ5では社内で実際に電子契約を運用する上でのルールやフローを確認します。
そしてステップ6で電子契約サービスを導入するための社内稟議申請を起案し、実際に導入が完了したら、全社へ向けて導入アナウンスを実施します。
どのステップも電子契約を導入する上で重要ですが、とくに時間を要するのがステップ5「社内規程を整備する」です。
電子契約を運用するにあたっては、契約締結に用いる電子署名を定義し、その運用ルールを定めた社内規程の策定が必要となるため、既存の印章管理規程に電子署名についても織り込むか、印章管理規程とは別に独立した電子署名管理規程を策定する必要があります。
この社内規程の作成方法やサンプルを知りたい方は「電子契約運用のための電子署名管理規程とは?運用ルールの作成方法やサンプルも紹介」をご一読ください。
SalesforceなどのCRMやSFAとの連携・API連携について
電子契約サービス「クラウドサイン」はSalesforceやkintoneをはじめとするCRMやSFAとの連携が可能です。CRMやSFAとの連携により、クラウドサインにログインせずにシステム上で契約書を一元管理したり、問い合わせから契約締結までのフローをすべて自動化したりと、営業プロセスの効率化が可能になります。
とくに、連携ソリューションとしてご用意している「クラウドサイン Sales Automation」では、Salesforce上からシームレスに電子契約を送信できます。申込書回収状況の管理がスムーズになるため、リードタイムの短縮も可能です。
また、普段から利用しているExcelやGoogleフォームといったツールや自社システムと連携することで契約締結をシームレスに完了させ、顧客情報や商談情報などの付随する情報と共に電子ファイルを保管できます。連携できるサービスを確認したい方はクラウドサイン公式サイトにある「外部サービス連携」もご覧ください。
クラウドサインなら導入から推進をサポートするコンサルティングも可能
クラウドサインでは導入から推進までをサポートするサービス「導入支援コンサルティング」を有償で提供しています。専任のコンサルタントが契約書の種類や署名の流れ、セキュリティ要件などの要件をヒアリングした上で、お客様のニーズに合わせて最適なソリューションを提案し、円滑な導入と推進を実現します。
電子契約サービス導入のサポートはもちろん、CRMやSFAとの連携方法や業務フローの構築まで一貫してサポート可能です。
また、導入時のみならず、導入後の活用を推進していくために必要な従業員向けの操作マニュアル作成、使用方法のレクチャーを行う社内説明会、 取引先様への案内用資料の作成、取引先様の活用支援のための説明会実施もサポート可能です。
「契約業務フローの見直しを相談したい」「全社に向けた説明会の準備が不安」といったお悩みを抱えている電子契約導入担当の方はぜひ「導入支援コンサルティング」の利用もあわせてご検討ください。
まとめ
営業プロセスの見直しやボトルネックの解消は先送りしがちですが、各社が推進している営業DXに向けた取り組みを参考に、今一度営業プロセスを見直してみてはいかがでしょうか。
とくに電子契約サービス導入により契約書や申込書等の書面のやり取りを電子化することで、業務効率化やコスト削減はもちろんのこと、契約締結までのリードタイムも短縮できるため、営業プロセスの効率化が可能です。また、電子契約の導入により申し込みから利用開始までのリードタイムも短縮できるため、顧客側のエクスペリエンス向上も期待できます。
なお、クラウドサインでは電子契約サービスと営業業務支援ツール(SFA)の連携により実現できる営業の業務効率化について詳しく解説した資料をご用意しました。下記リンクから無料でご入手いただけますので、営業部門のDX化に取り組まれている方はダウンロードしてぜひご活用ください。
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