リーガルチェックの費用相場とは|費用を抑える方法もあわせて紹介
契約書の締結前に行うリーガルチェックは、法的リスクを回避し、トラブルを未然に防ぐために欠かせないステップです。しかし、「弁護士に依頼すると費用が高いのでは?」「どのくらいの相場なのか分からない」と不安に思う企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
実際、リーガルチェックの費用は契約内容やボリューム、依頼先によって大きく変動します。本記事では、リーガルチェックの一般的な費用相場を解説するとともに、コストを抑えて依頼するための方法や注意点も紹介します。
なお、「クラウドサイン レビュー」では、契約書の内容をAIで瞬時に判定し、リスクや抜け漏れをチェックできるため下記より資料を無料ダウンロードしてみてください。
契約業務を支えるAIアシスタント「クラウドサイン レビュー」サービス説明資料をダウンロードする
目次
リーガルチェック(契約書レビュー)とは?
リーガルチェック(契約書レビュー)とは、契約書の内容が法律上適切であるか、また自社に不利な条項やリスクが含まれていないかを確認・修正する作業のことです。
契約書は一度締結すると法的効力を持つため、曖昧な表現や不平等な内容を見過ごすと、トラブルや損害につながる可能性があります。そのため、締結前に契約内容を精査し、リスクを最小限に抑えることがリーガルチェックの目的です。
チェックの具体的な内容としては以下のようなものが挙げられます。
- 契約条件(対価・納期・責任範囲など)が合理的か
- 法令違反や公序良俗に反する記載がないか
- 条文の表現が一貫性を持って明確かどうか
- 損害賠償、契約解除、準拠法・裁判管轄などについて定められているか など
通常、リーガルチェックは社内の法務部門や顧問弁護士が担当しますが、法務人材がいない中小企業では、外部の法律事務所や契約書レビューサービスに依頼するケースもあります。
契約書の種類や重要度に応じて、社内外の専門家と連携して進めることが重要です。
リーガルチェックについてより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
リーガルチェックはいくらかかる?
リーガルチェックは、自社で行う方法もありますが、外部の弁護士に委託するのが一般的です。
リーガルチェックを外部の弁護士に委託する場合、一般的にはスポット契約と顧問契約の2つの形態があり、それぞれの費用相場は、契約の内容やボリュームによって大きく異なります。
リーガルチェックの費用相場
リーガルチェックの費用相場としては、スポットで1件ずつ依頼する場合、1通あたり5万円〜10万円程度が相場です。取引金額が高額だったり、国際契約や複雑な条項を含む契約であったりする場合は、10万円以上かかるケースもあります。
一方、顧問契約を結ぶ場合は、月額固定の費用で複数件の契約書レビューを依頼できるため、コストを抑えやすいのが特徴です。例えば、月10件までの契約書レビューを含むプランであれば、月額3万〜10万円程度が一般的です。月10件以上の対応を希望する場合は、月額10万円〜20万円以上の料金が設定されることもあります。
顧問契約のメリットは、費用が一定で予算を立てやすいことに加え、継続的な相談や企業の状況を把握したうえでの的確なアドバイスが受けられる点です。
契約書レビューの頻度が多い企業ほど、スポットよりも顧問契約を選ぶことで、1件あたりのコストを抑えながら、より質の高いリーガルサポートを受けることが可能になるでしょう。
リーガルチェックの費用を抑える方法
ここでは、リーガルチェックの費用を抑える方法を紹介します。
複数の法律事務所に見積もりを依頼する
リーガルチェックの費用は、法律事務所ごとに異なるため、事前に複数の事務所に見積もりを依頼することは、費用を抑えるための基本的かつ有効な方法です。
同じ契約書のレビューであっても、事務所の規模や専門分野、対応のスピードなどにより、料金には大きな差が出ることがあります。見積もりを比較することで、サービス内容や対応方針も確認できるため、コストだけでなく自社に合ったパートナーを見極める手段としても有効です。
依頼内容を明確に伝えたうえで、書面による見積もりを取り、内容や対応範囲、追加費用の有無などを確認すると、予想外の出費を防げます。
自社の法務部門に任せる
すでに法務部門が社内にある場合は、契約書レビューを自社の法務担当者に任せることで、外部への支出を抑えられます。外注すれば1件数万円かかるリーガルチェックも、社内で対応できれば、コストをかけずに継続的な対応が可能になります。
軽微な契約や過去の類似契約で問題がなかったケースに限り法務部が中心となって対応することで、外注との使い分けができ、効率的にコストを削減できます。
ただし、自社内でのリーガルチェックは、第三者目線が欠けるため、十分なチェックがなされないリスクがあります。社内の法務体制を強化するためには、契約書レビュー用のテンプレートを整備したり、外部弁護士による定期的なアドバイスを受ける体制を整えたりすることも効果的です。
弁護士と顧問契約を結ぶ
継続的に契約書レビューが発生する企業にとっては、弁護士と顧問契約を結ぶことで、スポット依頼よりも大幅にコストを抑えることが可能です。
スポットで毎回レビューを依頼すると1件数万円〜10万円ほどの費用が発生しますが、顧問契約であれば月額5万〜20万円程度で複数件の対応が含まれるプランも多く、1件あたりのコストを抑えられます。
顧問弁護士であれば、自社の業務内容や契約の特徴を理解したうえで助言してくれるため、レビューの精度も高く、迅速な対応が可能です。
契約書レビューだけでなく、日常的な法律相談やトラブル対応も含めてサポートを受けられるため、法務体制の強化にもつながります。
契約書レビューサービスを利用する
最近では、契約書レビューに特化したオンラインサービスを利用することで、手頃な価格でリーガルチェックを受けられるようになっています。
契約書レビューサービスは、契約書をアップロードするだけで、弁護士や法務の専門家が内容を確認し、修正案やリスク指摘を提供してくれる仕組みです。月額数千円〜1万円程度で利用できるサービスもあり、特に中小企業やスタートアップにとってコストを抑えた選択肢となります。
AIによる自動チェック機能が搭載されたサービスもあり、初期チェックをスピーディーに行うことが可能です。弁護士に依頼するのとオンラインサービスの活用とではそれぞれメリット・デメリットがあるため、契約書の内容や重要性に応じて使い分けるのがよいでしょう。
リーガルチェックが重要である理由
企業が契約書を作成・受領する場合は、適切なリーガルチェックを実施する必要があります。ここでは、リーガルチェックが企業運営において重要である理由について詳しく解説します。
法律違反や契約トラブルを回避できる
リーガルチェックが重要な理由として、法律違反や契約トラブルを回避できる点が挙げられます。
契約書には、取引条件や権利・義務が記載されていますが、その内容が不明確または違法であると、契約自体が無効になったり、相手方との紛争に発展したりするリスクがあります。
消費者契約法や下請法、独占禁止法などに違反する条項が含まれていないか、損害賠償や契約解除の条件が合理的に設定されているかなどを適切にチェックすれば、トラブルを未然に防げます。
契約締結前のリーガルチェックは、法的リスクやトラブル回避の重要な手段となります。
不利な条件での取引を防げる
リーガルチェックを行うことで、自社にとって不利な取引条件を見逃さずに済みます。
契約書の中には、相手側に一方的に有利な内容が含まれている可能性もあります。例えば、損害賠償の責任範囲が広すぎる、不合理な契約解除条件が設定されている、などのリスクが潜んでいることがあります。
こうした内容を事前に確認し、必要に応じて修正交渉を行うことで、契約締結後に発生し得る損失を回避できます。
特に新規取引先や慣れていない業種との契約では、十分に注意しましょう。リーガルチェックを徹底することで、公平な条件での契約締結が実現し、取引に伴う不安要素を減らすことにつながります。
企業の信頼性が向上する
適切なリーガルチェックを実施することで、企業の法令遵守意識やリスク管理体制が社外にも伝わり、結果として企業の信頼性が向上します。
契約書は、コンプライアンス体制を反映する重要な文書であり、内容に不備があると契約管理体制に対する信頼性を損なうおそれがあります。
一方で、しっかりとしたチェックを経た契約書を提示できる企業は、法的な責任や取引条件に対して誠実な姿勢を示していると評価されやすくなるはずです。
取引先や顧客との長期的な関係構築を目指すうえで、リーガルチェックは信頼づくりの一環として欠かせません。
適切なリーガルチェックを行うためのポイント・注意点
適切なリーガルチェックを行うためには、以下の4つのポイントに注意しましょう。
- 契約内容に合わせて適切な手段を選ぶ
- リーガルチェックが必要となるタイミングを理解する
- 自社に不利な条項がないか確認する
- 適用がある法令を網羅的にチェックする
契約内容に合わせて適切な手段を選ぶ
リーガルチェックを行う際は、契約の種類や重要度に応じて適切な方法や体制を選ぶことが重要です。
たとえば、取引金額が大きかったり長期契約であったりする場合は、契約内容にミスがあった際のリスクが大きいため、専門の弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。
一方、内容が定型的である場合などにはリーガルチェック・契約書レビューサービスを活用し、効率よく進めることも可能です。社内に専門性の高い法務担当者がいる場合でも、サービスを活用することで抜け漏れのリスクを減らし、法務担当者のリーガルチェックにかかる時間を短縮することが可能となります。また、外部の弁護士に依頼する前のチェックツールとして活用することもできるため、専門性の高い法務担当者がより重要度の高い契約書のチェックに時間を割くことも可能となります。
このように契約のリスクレベルに応じて、社内対応・外部依頼・ITサービス活用などの手段を柔軟に使い分けることが、適切で効率的なレビューにつながります。
リーガルチェックが必要となるタイミングを理解する
リーガルチェックが必要となるタイミングを企業内で理解し共通認識を持つことも重要です。主に以下のようなタイミングにおいてリーガルチェックを実施するべきです。
- 新しい契約を結ぶとき
- 関連法が改正されたとき
- 既存の契約を更新するとき
特に、新しい取引先と契約する際は、取引先から提示されたひな形を安易に承諾せず、契約締結の前段階で必ずチェックを挟むフローを社内で定着させることが重要です。
自社に不利な条項がないか確認する
リーガルチェックにおいては、契約の条文を細かく確認し、不公平な条件が含まれていないか入念に確かめましょう。
特に、損害賠償の責任範囲が自社だけに重く設定されていたり、契約解除条件が相手にだけ有利だったりする場合は、将来的なリスクを抱えることになります。
リーガルチェックでは、そうした不均衡な条項を見逃さずに確認し、自社の立場を守る修正提案を行うことが重要です。
自社で作成した契約書であっても、類型の契約からひな形を流用した場合などは思わぬ落とし穴がある場合もあります。契約ごとにリーガルチェックを実施し、客観的な視点で見直すことが大切です。
適用がある法令を網羅的にチェックする
契約書の内容が関係する法律に適合しているかどうかを網羅的にチェックすることは、リーガルチェックの核心部分です。
契約の内容によって適用される法令は異なり、例えば販売契約であれば商法や特定商取引法、下請取引では下請法など、状況に応じた法的知識が必要です。
個人情報を取り扱う場合は個人情報保護法、電子取引であれば電子契約法や電子帳簿保存法も関係してきます。さらに、取引先が海外企業であれば、国際私法や相手国の法制度まで視野に入れる必要があるでしょう。
法令違反のまま契約が進行すれば、契約自体が無効になる可能性や、行政処分・訴訟といった大きなリスクにつながります。業種や取引内容に応じた法令を正しく把握し、漏れなく確認することが不可欠です。
リーガルチェックには「クラウドサイン レビュー」の活用がおすすめ
本記事では、リーガルチェックを外部に委託する場合の費用相場や、リーガルチェック実施時の注意点などについて詳しく解説しました。
契約内容に不利な条項や法令に違反する内容が含まれることを防ぐためには、適切なリーガルチェックの実施が必要不可欠です。ただし、すべての契約においてリーガルチェックを企業法務担当者や外部の弁護士に依頼すると、多大な業務負荷や外注コストがかかるリスクがあります。契約のリスクや重要度に応じて、ツールの活用など柔軟な対応を検討しましょう。
「クラウドサイン レビュー」では、契約書の内容をAIで瞬時に判定し、リスクや抜け漏れをチェックできます。リーガルチェックにかかるコストを大幅に削減可能です。
無料ダウンロード


クラウドサインでは契約業務を支えるAIアシスタント「クラウドサイン レビュー」の概要をまとめた資料をご用意しました。契約書レビューの自動化を検討している方はぜひダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードする(無料)さらに、契約書のレビューから締結までDX化するには「クラウドサイン」の利用もあわせてご検討ください。
無料ダウンロード


クラウドサインではこれから電子契約サービスを検討する方に向けた「クラウドサイン サービス説明資料」をご用意しました。クラウドサインの特徴や使い方を詳しく解説していますので、ダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードする(無料)この記事を書いたライター
