雇用契約書に印鑑は必要か?押印義務の有無を解説
企業の人事や採用担当の方のなかには雇用契約書に印鑑が必要かどうか、迷ったことがある方もいるのではないでしょうか。
当記事では雇用契約書の役割や印鑑の必要性について解説し、さらに電子契約サービスの導入によるメリットについても紹介します。雇用契約書の締結プロセスを簡略化したいとお考えの方はぜひご一読ください。
雇用契約書とは
雇用契約書とは、企業(雇用主)と従業員の間で締結される契約書です。雇用条件や勤務内容、給与などの詳細が明記され、従業員と雇用主の権利と義務を定める重要な文書ですが、民法の「契約の形式自由の原則」により、必ずしも企業と従業員の双方が文書としての雇用契約書を締結する必要はないため、企業側に作成の義務はありません。
しかし、従業員との間で雇用条件や報酬に関して疑問や紛争が生じた場合には雇用契約書が解決の手がかりとなるため、双方の間で認識の齟齬が生じるようなトラブルを防ぐためにも作成する場合が多いです。
また、最近では雇入の際に必要な労働条件通知書を雇用契約書とあわせて「雇用契約書兼労働条件通知書」として交付する企業も増えています。
雇用契約書に印鑑は必要か?
結論から述べると、雇用契約書に印鑑を押すことは法的に必要ではありません。印鑑がなくても本当に契約が成立するのか不安が拭えない方のために、内閣府、法務省、経済産業省の3府省は2020年6月に『押印に関するQ&A』を発表し、以下のように発信しています。
問1.契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか。
・ 私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、
書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除
き、必要な要件とはされていない。
・ 特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、
契約の効力に影響は生じない。
出典:押印についてのQ&A
上記では雇用契約書に限らず「契約書」全般が対象になっていますが、契約書に押印による印影がなくても契約の効力に影響は生じないことが、はっきりと明記されています。
同資料では、ニューノーマルな時代の契約締結とその証拠化の方法として、押印を代替する具体的手段を複数提示しているので、押印以外の選択肢を改めて確認しておきたい方はぜひご一読ください。
電子契約サービスを導入すれば雇用契約書の印鑑は不要になる
契約締結をオンラインで完結できる「電子契約サービス」で雇用契約を締結すれば印鑑は不要になります。
これまでの書面の契約では、契約内容を記した紙に印鑑による「押印」やペンで「手書き署名」を行い、証拠化していました。そのため、押印するたびに印鑑を管理するオフィスに出社したり、押印した後の書面を郵送したり、無くさないように厳重に保管したりしなければならないなど、物理的な制約を受ける場面が多々発生していました。
これに対し、電子契約はパソコンやスマートフォンを使い、暗号技術を応用した「電子署名」と「タイムスタンプ」を電子ファイルに施すことで、スピーディかつ安全に当事者の合意の証を残すことができます。書面の契約書と同様に、裁判時の証拠としても扱われます。
電子契約サービスを導入することで、紙の契約書を印刷・製本・郵送するといった手間を省略し、従業員とのやり取りもオンラインだけで済むため、業務効率化が期待できるでしょう。
また、電子契約サービスを使用することで、契約書の一元管理も容易になります。デジタル上で契約書を保存・管理することで、必要な時に素早くアクセスでき、情報の漏洩や紛失のリスクを軽減することができます。
雇用契約から電子契約をスタートするのがおすすめ
近年、電子契約サービスを利用して雇用契約書を電子化する企業が増えています。雇用契約書の電子化は、契約書の作成や送付、署名といった採用プロセスが迅速化し、採用業務の効率化を実現できるため、人事部門や採用担当者にとって大きなメリットをもたらします。
当社の運営する「クラウドサイン」は、雇用契約書の電子化に対応したクラウド型の電子契約サービスです。導入社数250万社以上、累計送信件数 1000万件超の国内シェアNo1の電子契約サービスとして、業界業種問わず多くの方にご利用いただいております。
クラウドサインのような電子契約サービスを導入することで、電子署名を電子ファイルに施し、スピーディーかつ安全に当事者間の合意の証拠を残すことが可能になります。日々の採用業務を効率化したい方はぜひ電子契約サービスを導入し、雇用契約書を電子しましょう。
なお、クラウドサインでは契約書の電子化を検討している方に向けた資料「電子契約の始め方完全ガイド」も用意しています。電子契約を社内導入するための手順やよくある質問をまとめていますので、電子契約サービスの導入を検討している方は以下のリンクからダウンロードしてご活用ください。
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今すぐ相談この記事を書いたライター
弁護士ドットコム クラウドサインブログ編集部
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