2024年5月最新|雇用契約書と労働条件通知書の違いを解説 法的に義務付けられている書類はどちらか?|Word版ひな形ダウンロード付
本記事では従業員の入社時や契約更新のタイミングで労働者に交付する「労働条件通知書」と雇用契約締結時に作成する「雇用契約書」の違いを解説します。それぞれの意味や役割、記載項目も紹介しますので、労働条件通知書と雇用契約書の違いを確認したい方はぜひ参考にしてみてください。
また、「労働条件通知書 兼 雇用契約書」のひな形・テンプレートを探している方のために、無料でダウンロードできるWordファイルも無料提供しますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
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雇用契約書と労働条件通知書の違いとは
雇用契約書と労働条件通知書は、どちらも企業が労働者と雇用契約を結び、良好な労使関係を築くための重要な書類ですが、いくつかの違いがあります。
雇用契約書と労働条件通知書の違いとして主に以下の3つの項目が挙げられます。次項で解説していきますので、それぞれの違いを詳しく確認しておきましょう。
【雇用契約書と労働条件通知書の違い】
雇用契約書 | 労働条件通知書 | |
---|---|---|
企業(雇用主)側の作成の義務 | 法的な義務はない | 書面・電子メール等による交付・送信で明示することが法的に義務付けられている |
記載項目 | 法的に定められた記載項目はない | 法的に定められた記載項目がある |
締結・交付の方法 | 企業と労働者との双方で締結 | 企業から労働者に対して一方的に交付 |
なお、雇用契約書と労働条件通知書は別々に交付する他に、「労働条件通知書 兼 雇用契約書」として一体の文書としてまとめて交付することも可能です。
その場合には、記載項目として労働条件通知書の「絶対的明示事項」を含める必要があります。具体的なやり方やひな形の入手方法を知りたい方は「労働条件通知書 兼 雇用契約書」を電子化する方法【Word版ひな形ダウンロード付】」も参考にしてみてください。
法的に義務付けられているかどうかの違い
雇用契約書と労働条件通知書は、どちらも雇用関係における重要な書類ですが、大きな違いとして企業(雇用主)に作成の義務があるかどうかが挙げられます。雇用契約書が法的には締結・作成が必須ではないのに対して、労働条件通知書は企業(雇用主)に書面・電子メール等で交付・送信することにより明示することが法律で義務付けられています。
労働基準法第15条1項および同施行規則第5条に基づいて、労働条件のうち一定の事項について企業から労働者に通知することで、労働者が重要な労働条件を理解した上で雇用契約を締結できるようにするのがその目的となります。この義務には、違反した際の罰則もあります(労働基準法第120条1項)。
法的に定められた記載項目の有無の違い
雇用契約書には、雇用条件や報酬、福利厚生、機密保持など、雇用に関する幅広い事項が規定されますが、記載項目は法的に定められていません。一方、労働条件通知書には法的に義務付けられている労働条件に関する情報を明示する必要があります。
労働条件通知書の記載項目は労働基準法第15条第1項及び労働基準法施行規則第5条第1項に規定されており、必ず明示しなければいけない「絶対的明示事項」と該当する制度を設けている場合にのみ明示する「相対的明示事項」の2種類に分かれます。労働条件通知書の記載項目を確認したい方は厚生労働省の公式サイトにある「よくある質問」をご一読ください。
締結または交付方法の違い
雇用契約書は企業(雇用主)と労働者の間で締結される契約書のため、企業と労働者の双方の署名押印が必要になります。一方、労働条件通知書は企業から労働者に対して一方的に交付するタイプの書類のため、労働者側で署名押印する必要がありません。
雇用契約書と労働条件通知書の役割
雇用契約書と労働条件通知書の違いを確認したところで、それぞれの役割を改めて押さえておきましょう。
労働条件通知書の役割
労働条件通知書には賃金や労働時間などに関する不利な条件から労働者を保護する書面としての役割があります。労働者は自分の労働条件を労働条件通知書を確認し、不当な労働条件を提示されていないかどうかを知ることができます。
企業側にとっても、労働条件通知書を発行することで口頭のやりとりで発生しがちな認識の行き違いを防ぐことができるため、企業と労働者の双方にとって作成必須の書面といえるでしょう。
労働条件通知書をより詳しく知りたい方は「労働条件通知書とは?2024年4月からの変更点も解説|Word版ひな形ダウンロード付」もご一読ください。
雇用契約書の役割
雇用契約書は雇用関係における重要事項を明確にし、双方の権利と義務を規定する役割を果たします。法的効力を持つため、双方が契約内容に従うことが求められます。
また、上述の通り雇用契約書は法的には締結・作成が必須の書類ではありません。 しかし、雇用契約が成立するためには口頭の契約ではなく、書面として雇用契約書を作成することが望ましいとされています。口頭での契約はトラブルの原因になる可能性があるため、雇用契約書を締結するのがよいでしょう。
雇用契約書をより詳しく知りたい方は「雇用契約書とは?労働条件通知書との違いや書き方と記載項目を解説」もご一読ください。
「労働条件通知書 兼 雇用契約書」の電子化で採用業務の効率化を
雇用契約書も労働条件通知書も、入社者が発生するたびに締結・交付する書面です。採用の現場においては、入社人数が多くなればなるほどやり取りする書面の数も膨大になり、郵送費や印刷費といった金銭面のコストはもちろんのこと、郵送や投函といった事務作業にかかる時間的コストも増える一方です。
そこで、これらのコスト削減のためにおすすめしたいのがクラウド型の電子契約サービスです。電子契約サービスを導入することで、雇用契約書や労働条件通知書をオンライン上で締結・交付することが可能になるため、コスト削減だけでなく業務効率化を実現できます。(なお、労働条件通知書については、これを使用者(企業)側が電子契約サービスにより送信するには、労働者側が電子メール等の電磁的方法による送信を希望することが条件となります(労働基準法施行規則第5条第4項)。)
さらに、紙の書面を整理するためにはスペースや時間が必要ですが、電子契約ではクラウド上で書面の原本を保存・管理できます。これにより、契約書の管理にかかる手間やコスト削減も期待できます。
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「労働条件通知書 兼 雇用契約書ひな形ファイル」を無料公開中
クラウドサインでは、厚生労働省による労働条件通知書ひな形をベースとして、電子化の要件を満たしつつ、労働者と雇用契約を締結した証拠を確保できる書式として「労働条件通知書兼雇用契約書ひな形」のWordファイルを作成しました。令和6年4月からの労働条件明示ルール改正(参考:厚生労働省公式サイト)に対応したひな形となっています。
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