電子契約の基礎知識

無料で電子契約を使う方法とは?電子契約の無料・有料プランの違いを解説

電子契約を無料で利用する方法とは?電子契約の無料・有料プランの違いについて解説

当記事では、無料で電子契約を使う方法について解説します。一般的に、電子契約をする場合は機器を購入したり、サービスの利用契約に申し込まなければならないのではないかと思われがちですが、実はお金をかけずに無料で電子契約を締結する方法があります。

「件数は少ないが、ときどき電子契約の締結が必要になる」「電子契約サービスを利用したいが、課金する前に試してみたい」という方はぜひ参考にしてみてください。

電子契約を無料で使う方法とは?

紙とハンコによる契約を電子契約に移行させたいと思いたっても、

  • 電子契約締結に必要なICカード取得費用や機器代金が発生してしまう
  • サービスの月額利用料等がかかる

ためにすぐには移行に踏み切ることができず、いつ電子契約への以降をスタートしようか悩んでいるというお客様は少なくありません。

特に、企業で電子契約を利用しようとする場合には、電子契約への移行で新たに発生する費用の妥当性について、上司の許可や社内稟議も必要になってきます。しかし、電子契約の利用実績もないうちに、これまで発生しなかった費用を認めてもらうのは、困難を極めます。

書面で締結している契約書の一部でも、テスト的に電子契約に移行し実績を積めれば、社内を説得できるかもしれないが、なんとか無料で電子契約を利用する方法はないものでしょうか?以下では、無料かつ合法的に電子契約を利用する方法を紹介します。

電子契約を無料で利用する具体的方法

(1)クラウド型電子契約サービスの受信者として契約を締結する

電子契約を無料で利用する方法その1が、クラウド型電子契約サービスの受信者として、電子契約を締結する方法です。

古くからあるオンプレミス型の電子契約とは異なり、クラウド型電子契約サービスを利用すれば、ICカード取得費用や機器代金がかからないことはよく知られています。一方で、サービスの月額利用料がかかることがネックになるとお考えのお客様は多いようです。

しかし、クラウド型電子契約サービスのほとんどが、電子契約1通当たり発生する利用料金を送信者に請求する仕組みを採用しています。そのため、有償で利用しているユーザーから送信された電子契約について、受信者として受信し締結する立場に立つ場合には、受信者側には費用が発生しない場合がほとんどです。

このことをうまく利用して、取引先に有償の送信者になってもらい、自社は受信者として電子契約を締結すれば、費用は発生しません。

(2)無料で送信者として締結できる電子契約サービスを利用する

電子契約を無料で利用する方法その2が、無料で送信者として締結できる電子契約サービスを探し、無料で送信できる範囲で契約を締結する方法です。

クラウド型電子契約サービスなら、初期費用や専用機器などが不要なことに加え、一定条件のもと送信者としての利用料も無償となるサービスがあります。すべてのクラウドサービスが無料プランを用意している訳ではありませんが、

  • 当初n日間〜nヶ月間は無償利用可能
  • 月間n通までは無償で送信利用可能

といった、条件付きの無償利用が可能なサービスも、いくつか存在します。

そうしたクラウド型電子契約サービスを選び、コストをかけずに利用実績を積んで、いわば既成事実化してしまい社内稟議での説得材料として用いるのも一案でしょう。

無料版の電子契約と有料プランの違い

無料版は機能が一定程度制限されている

クラウド型電子契約サービスのいくつかでは、無料版を提供していることがあるとはいえ、当然に有料版との違いも存在します。

期間や利用回数の制限以外にも、例えば、

  • 登録できるアカウント数が限定されている
  • ワークフロー(社内承認フロー)の機能が利用できない
  • 締結した電子契約の一覧管理・検索機能が利用できない

といった違いが代表的なものです。

無料版でも電子署名だけでなくタイムスタンプが付与されるか確認しておくことがおすすめ

そうした制限があってもどうにか紙とハンコの代わりにはなるケースは少なくないのですが、一点だけ、電子契約サービスの無料版を利用するにあたって気をつけて確認しておいた方が良いリスクポイントがあります。

それは、

無料版であっても、電子署名だけでなくタイムスタンプが付与されるか

という点です。

電子契約サービスにもいろいろな種類・タイプがあることが知られていますが、電子ファイルに付与した電子署名ができるだけ長い期間有効な状態を保てるか否かがポイントとなります。今日締結した契約書が、1年後に本物かどうか分からなくなってしまっては、せっかく相手方と契約書を結んだ意味がなくなってしまうからです。

このような状態にしないよう、長期に渡って電子契約を有効に保つために、長期署名と呼ばれる技術が重要となってきます(関連記事:電子契約と電子署名の有効期限を延長する「長期署名」の仕組み)。難しい仕組みはよくわからなくても、「電子署名だけでなくタイムスタンプが付与されるか」をチェックしておくことが重要です。

電子署名とタイムスタンプの両方が付与されるものであれば、長期署名されていると考えて差し支えないはずです。

クラウドサインなら電子署名とタイムスタンプ付きの電子契約を無料で送信可能

この点、クラウドサインでは、

  • 契約の受信者であれば無料で締結可能
  • 月間3通までであれば、送信者としての電子契約の送信が可能なフリープランを提供可能
  • 電子署名だけでなくタイムスタンプも付与する長期署名対応済み

です。実際に、フリープランを1〜3ヶ月間利用して電子契約の送受信の経験・実績を積み、有償プランにステップアップしていくお客様も多くいらっしゃいます。

すべての機能を初月からフル活用して電子契約を便利にしたいというお客様は有償プランを最初からご利用いただくことを推奨いたしますが、企業文化の問題ですぐに紙とハンコから抜け出せない、社内稟議の前に実際に使ってみての利用実績を作りたいというお客様には、クラウドサインのフリープランを入り口にしていただくことをおすすめしています。

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なお、2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、2024年1月1日から電子取引のデータ保存が完全義務化されました。この改正により電子帳簿保存法違反の罰則が強化されているため、契約書等の文書を電子化対応していく際は注意が必要です。

クラウドサインでは契約書等文書管理に関する改正電子帳簿保存法改正のポイントを解説した資料「電子取引における電子帳簿保存法改正対応のポイント」をご用意しています。無料でご入手いただけますので、下記リンクからダウンロードフォームに必要情報を入力の上、資料をご活用ください。

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この記事を書いたライター

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弁護士ドットコムクラウドサイン事業本部リーガルデザインチーム 橋詰卓司

弁護士ドットコムクラウドサイン事業本部マーケティング部および政策企画室所属。電気通信業、人材サービス業、Webサービス業ベンチャー、スマホエンターテインメントサービス業など上場・非上場問わず大小様々な企業で法務を担当。主要な著書として、『会社議事録・契約書・登記添付書面のデジタル作成実務Q&A』(日本加除出版、2021)、『良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方』(技術評論社、2019年)などがある。

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