法務のチーム力を高めるリーガルテック —名古屋法務・知財EXPOレポート
多くのお客様に訪れていただいている名古屋法務・知財EXPOのクラウドサインブース、そして特別講演の様子をお届けします。
名古屋でもクラウドサインの認知度向上を再確認
2月12日よりスタートした名古屋での法務・知財EXPO。コロナウイルスによる影響で1日目こそ客足の鈍さを感じたものの、2日目は朝の入場に行列ができるほどになり、当社ブースにもご来訪者がひっきりなしにいらっしゃっています。
中部地方の大手製造業のみなさまにも電子契約が浸透しだしているようで、「取引先からクラウドサインでの契約締結を求められたので導入を検討している」というご訪問者様をはじめ、私が対応しただけでも1日20社以上の熱量の高い大企業のお客様と商談をさせていただいています。中には、わざわざ東京から名古屋までクラウドサインの話を聞くためにお越しいただいた方も。
電子契約の導入するだけにとどまらず、社内でスペースを占有する 大量の契約文書のペーパーレス化・断捨離を実現し、あわせて取引データとしての活用を実現したい というご相談を多くいただいています。
プロの手さばきをも学習データとして取り込むLAWGUE
2日目となる昨日は、午後の特別講演「法務業務のデジタル化」を目当てに多数の法務関係者が来場。講演には、以前よりクラウドサインの橘とともに、日本法務システム研究所の堀口圭先生も一緒にご登壇いただきました。
業界における存在感が日に日に高まっている同社のAI契約書作成サービス「LAWGUE」。特許出願後初の情報公開を受け、このシステムの何が他の契約テックとの違いを生んでいるのか について、弊社クラウドサインの橘が興奮気味にnoteでレポートしています。
従来までのAI契約レビューシステムの場合、一般論として最適な契約審査をレビューし、A社が利用してもB社が利用しても全く同じ審査結果が返ってくるものが多かった認識です。或いは、自社の雛形を予め設定しておき、その雛形の差異を審査結果として返す作りになっているかとも認識しています。
しかしながら「LAWGUE」の場合、ユーザーの選択結果の集積を法務の「職人性」として教師データに学習させていくため、利用すればするほど自社に最適なシステムになるアルゴリズムを有しているのです。
(中略)
(常にインターネット環境で正解情報をクラウド側に返す作りになっていれば可能ですが、いずれにせよローカル環境では難しい)ローカル環境で生成された契約書はその作成過程が教師データとして学習されず、自社に最適なシステムになるアルゴリズムにはなりません。その威力を十分に活かすためにはクラウド環境で、Microsoft Wordから専用契約書エディターSaaSに移行する方が良いとの経営判断がなされました。これが他のサービスとの最たる差になります。
本メディアでもこれまで「LAWGUEはプロ向けのツール」ということをご紹介してきましたが(関連記事:契約書の作成・起案をAIがサポートする新法務エディター「LAWGUE」)、完成した契約書データだけでなく、その作成過程でエディタを操作するプロの「手さばき」の一挙手一投足までも学習データに反映していくその仕組み を初めて知り、驚かれたご参加者も多かったのではないでしょうか。
講演後の取材では、日本の法務パーソンにも定評のある英文契約書データベースを有する外国企業との業務提携も進んでいるとのことで、ますます楽しみな存在に育ちつつあります。
リーガルテックが個人技の法務をチームワークの法務に変える
特別講演後半は、GVA TECHの山本先生も交え、日本法務システム研究所、クラウドサイン3社でのパネルディスカッションを実施。
モデレータを務めるクラウドサイン橘から、
- AI契約書リーガルテックの「入れどき」はいつか?
- 2025年、AIが浸透したときに法務が行なっている仕事はなんだと思うか?
- 「法務も後ろで控えているだけでなくフロントに出よ」とよく言われるが、今の法務部員にそれができるか?
- 法務部員がキャリアチェンジするとしたら、どんな部署にいくべきか?
- テクノロジーに精通することで、法務の転職は有利になるか?
- AI契約書が浸透した数年後、外部弁護士への発注は増えている・減っている?
と、答えにくいお題が次々と繰り出され、忖度抜きの意見交換が行われました。
今回のパネルでそんな3社のお話を聞いていて、契約系テックが法務部に与えようとしている変化について分かったことがあります。それは、法務パーソン個人の職人芸・一子相伝の拳法のように密かに伝承されてきた契約レビューのノウハウが、契約系リーガルテックの発達によって可視化・共有知化され、チームに伝承されるようになってきているという変化 です。
法務担当者が個人技を磨くための”道具”から、それをノウハウとして本人も気づかないうちに吸収しチームに還元し育てていく”装置”へ。それこそがリーガルテックの本領ではないかという思いを強くしました。
(橋詰)
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