【レポート】リーガルテックは知財の未来を救うか? Legal Tech Forum Vol.3
今回のLegal Tech Forumは、いつもとはちょっと違う「知的財産」がテーマ。折しも不正サイト「漫画村」の運営者が身柄を拘束されるという象徴的な日に、テクノロジーがいかに日本のコンテンツ業界に貢献できるかについて討論しました。
不正サイト対策リーガルテック「弁護士ドットコムRights」が本格稼働
三井住友銀行様と共催するクラウドサインのオフラインイベント「Legal Tech Forum」。第3回となった今回は、初めて「知的財産」を取り上げました。
というのも、5月より、企業の知的財産権の保護に特化した新サービス「弁護士ドットコムRights」の本格稼働を開始 したためです。
このサービスは、「漫画村」問題に代表されるコンテンツを不正にアップロードするサイトを撲滅するお手伝いを、弊社弁護士ドットコムがテクノロジーを使って提供するもの。ご利用いただいているユーザー様ではすでにサイト検索結果が著しく上昇するなどの実績を上げています。
プレスリリース以降、個別企業様向け営業活動を行っており、全方位的なマーケティングを控えていましたが、このフォーラムのタイミングにあわせ、昨日よりウェブサイトもオープンしたところです。
「できることをまずやり切る」お手伝いをするリーガルテック
トップバッターとして、BPOサービス立ち上げや運用型ネット広告コンサルタントとしてキャリアを積み、現在は弁護士ドットコムRights事業責任者を務める佐々木龍平が登壇。
本サービスについて公の場で話すのは今回が初めてとなります。
この日本においてリーガルテックサービスを提供する際には、弁護士法に抵触するような、法的な判断をまるごと請け負うサービスを提供することはできません。
この点を十分にわきまえた上で、お客様が最小の費用で最大の「効果」すなわち不正サイトの撲滅を実現するために、どのようなサービスを提供するのか について、詳しく解説をしました。
続いて、クラウドサインからは取締役事業部長の橘が登壇。
権利処理の多さに忙殺され、漏れのない紙の契約書締結が事実上困難になっているコンテンツ業界に対し、電子契約がコンプライアンス徹底のソリューションとなり得ること、
そしてその先に、我々が 「契約アナリティクス」と呼ぶ契約データの見える化による真のリスクマネジメント が、クラウドサインおよびクラウドサインSCANによって実現できることについて、お話をさせていただきました。
竹書房竹村取締役「“海賊版”という呼び方にごまかされてはいけない」
続くディスカッションパートでは、弁護士ドットコムRightsとクラウドサインを実際にお使いいただいているユーザー企業でもある竹書房の竹村取締役をお招きし、
「出版業界の『知財の未来』をリーガルテックで守るには?」
というテーマで、ディスカッションとQ&Aを行いました。
漫画村の問題に端を発し、サイトブロッキングを合法化する議論が新聞紙面を賑わせた際、「出版社サイドはこれまでそうした不正サイトに対して手をこまぬいていたのでは」という批判がありました。
こうした批判に対し「出版業界を代表しているわけでもなく、あくまで中堅出版社のひとつに過ぎない立場ですが」との前置きをしたうえで、著作権や商標権を適宜確保・行使しながらも、長きにわたる苦しいいたちごっこの戦いを強いられてきた実情 を語る竹村取締役。
会場からの質問に対し、
「一番の問題は、“海賊版”サイトという呼び方にあると思っている」
「“海賊版”は、正規品が事情により流通できない国においてユーザーがやむなく入手するためのものであって、これに対しては正規品を流通させる努力をコンテンツ提供者がすべき。しかし正規品が入手できる状況での“不正サイト”は、窃盗にすぎない」
「“万引き”という言葉で窃盗に軽い印象を与えてしまった、あの轍を踏んではならない」
このように語る竹村取締役に続くかたちで、弁護士ドットコムRightsの佐々木からも
「まずは不正サイト撲滅に向けて、いまできることを徹底的にやり切る ことが大事。お客様にとっての最終的なゴールは、不正サイトがなくなり、今の私達のサービスが不要になる世界」
と、これを徹底的に支援する強い意志表明がありました。
当日の様子は、Twitterハッシュタグ #リーガルテック知財 でもフォローしていただけます。こちらもぜひ御覧ください。
(橋詰)
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