【レポート】なぜ今「人事労務に電子契約」なのか?—HRテクノロジーカンファレンス2019でお話したこと
労基法施行規則の改正によって実現した雇用契約の完全電子化に関し、人事労務部門向けイベントで講演を行いました。そこでお話した内容について、エッセンスをレポートします。
ついに始まった雇用契約の完全電子化
2019年5月9日(木)、東京丸の内KITTEにて「日本の人事部」主催 HRテクノロジーカンファレンス2019が開催。クラウドサインから「労働条件通知書のデジタル化解禁から考える、人事業務の効率化施策とは?」と題し、1時間ほどの特別講演を行いました。
契約の世界と同様、企業の人事労務にもテックの波が押し寄せる2019年。
折しも 4月に労働基準法施行規則が施行され、雇用契約の完全電子化が可能となった直後の開催 ということもあり、当初60人の定員に対し150名超のお申込みをいただき急遽座席を追加するなど、このテーマに関する人事労務部門の関心の高さが伺えるイベントとなりました。
石嵜・山中法律事務所橘先生による法改正ポイント講義
講演の前半は、企業人事労務分野を専門とする石嵜・山中法律事務所 橘大樹先生をお迎えし、2019年4月改正 労働基準法施行規則のポイントについてご講義をいただきました。
橘先生からは、法律上「マスト」なこと・法律とは別に厚生労働省がガイドラインとして述べる実務上「望ましい」こと、この2つを混ぜずにしっかりと分別し、「マスト」をはずさないためのポイントを中心に解説。
従業員から「自分はプリンターを持っていないので書面出力要件を満たさない」言われたらどうする?
「自分はメール送信はイヤだ。書面にしてほしい」と言われたらどうする?
といった、人事労務担当者が知りたい超実務的なQ&Aも織り交ぜ、分かりやすいお話をいただくことができました。
働き方改革で人事労務部門主導のタレントマネジメントが必須に
後半は、電子契約クラウドサインを雇用契約の効率化のためにご利用いただいている
といった企業ユーザー活用事例をご紹介しながら、「なぜ今法務ではなく人事労務部門にクラウドサインなのか?」につき、私橋詰よりお話しました。
実は、企業法務に置いて発生するさまざまな紛争の中でも、関係の濃い人と人との感情が直接ぶつかるだけに訴訟化しやすいのが、労働事件です。
一方、働き方改革の流れによって、個人が自身の働き方を強く主張する時代がはじまっています。企業が優秀なタレント=人材を確保するためには、業務委託や兼業リモートワークなど、これまでの画一的な「フルタイム正社員」の労働契約におさまらない、さまざまな契約に対応していく必要 がでてくるはずです。
給与情報等の秘密性の観点から、法務ではなく人事労務部門が雇用契約の締結から管理までの一切を担っていることが珍しくありませんが、こうなってくると、法務部門が個々の人材との契約との妥当性を検証し、交渉をサポートし、締結後の管理をつぶさに行うことも、いよいよ難しくなります。
今後、タレントマネジメントの重要性が大きくなるにつれ、人事労務部門がさらに主体的に人材との契約管理を担っていく必要があります。完全電子化法改正のチャンスを活かし、クラウド上でかんたん・安全に管理でき訴訟時の証拠力も万全な電子契約導入を強くおすすめする次第です。
画像:
HRテクノロジーカンファレンス2019公式サイト https://jinjibu.jp/hr-conference/tech/ 2019年5月10日最終閲覧
(橋詰)
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