賃貸借契約「IT重説社会実験」で国土交通省が電子契約に注目
書面による交付を義務付けられていた「重要事項説明書」の電磁的方法による交付を認める社会実験が、2019年10月からスタート。賃貸借契約の完全電子化の実現を後押しする存在として、クラウドサインが国土交通省の資料に取り上げられています。
重要事項説明書等(35条、37条書面)の電子化実験がスタート
これまで、賃貸借契約を締結する際には、借主保護を目的として、
- 重要事項説明書(いわゆる35条書面)
- 主要な契約内容を記載した書面(いわゆる37条書面)
宅地建物取引士から書面(紙)を交付することが必須 とされてきました(宅地建物取引業法35条・37条)。
①35条書面 | ②賃貸借契約書 | ③37条書面 | |
---|---|---|---|
書面 | 交付が必要 | 不要 (電子契約可能) |
交付が必要 |
書面交付すべき時期 | 契約が成立するまでの間 | — | 契約後遅滞なく |
取引士による説明 | 必要 | 不要 | 不要 |
取引士による記名押印 | 必要 | 不要 | 必要 |
この重要事項説明書等の書面交付義務について、2019年10月より、クラウドサイン等の電子契約サービスを用いた「電子書面による交付」を認める社会実験をスタート することが、国土交通省より正式に発表されました。
国土交通省の説明資料で注目されるクラウドサイン
このIT重説社会実験が検討されていた段階で作成された国土交通省資料においては、7ページ中2ページにわたって、クラウド電子契約サービスの代表例として、クラウドサインに関する言及があります。
IT重説社会実験において、このようにクラウド契約が注目されているのはなぜなのでしょうか?
それは、この社会実験で用いられる「電磁的方法」の基準が、2018年1月29日にクラウドサインの申請に基づいて経産省・国交省グレーゾーン解消制度で認められた、建設業法施行規則の技術的基準を参照した ためです。
建設業法の分野でチャレンジを続けるクラウドサインの先進的な取組みが、今回のIT重説の完全電子化の検討において再評価いただけたものと考えています。
賃貸借契約完全電子化の実現可能性が高まる
国交省資料を見ると、賃貸取引のIT重説化実績はすでに25,000件を超える一方、トラブルは0件であったと報告 されています。
この実績を踏まえれば、今回の社会実験に基づく契約手続の規制緩和の実現可能性も高いと考えられます。
宅建業法の改正により35条書面・37条書面の電子化が認められ、賃貸借契約プロセスの完全電子化が実現することで、クラウドサインがよりなめらかな社会の実現に貢献できることを期待します。
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画像:Mugimaki / PIXTA(ピクスタ)
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