【レポート】BUSINESS LAWYERS主催「Legal Innovation Conference」で感じた法務の未来への期待
法務業務がテクノロジーによって省力化された後、生まれる余力をどこに注ぎ込むべきか。「#法務の未来」にフォーカスした4時間のイベントをレポートします。
年内最後のリーガルテック系イベントに参加
弁護士ドットコムの企業法務向け旗艦メディア「BUSINESS LAWYERS」が主催するリーガルテックイベント「Legal Innovation Conference 〜イノベーションで切り開く法務の未来〜」。クラウドサインからもブース出展をさせていただきました。
この数週間というもの、
- Meets Legal Tech
- CLOUDSIGN RE:MAKERS
- ORF オープンラボ
- 契約書タイムバトル AI vs 人間
と、イベントへの参加・主催が続きましたが、リーガルテックをメインテーマとしたイベントは年内はこれで打ち止め。総勢300名近くのご来場者で盛況となり、ブースに足を運んでいただいた方も、私が直接お話できたお客様だけで10数名いらっしゃいました。ご来場くださいました皆様に御礼申し上げます。
テクノロジーで法務の仕事は変わるか
本イベントでは、AIをはじめとするテクノロジーが普及した後に法務部門の業務がどのように変わるのかをテーマに、法律実務家・企業法務・コンサルタント・IT業界から語っていただきました。
変革期におけるコンプライアンスと企業法務の役割
~ダイナミックコンプライアンスとイノベーション法務への挑戦~
講師:森・濱田松本法律事務所 パートナー 増島 雅和弁護士法務・コンプライアンス機能へのテクノロジー導入に向けた3つのポイント
講師:KPMGコンサルティング株式会社 シニアマネジャー 水戸 貴之氏AI時代の法務業務 - 求められる業務の変化とAI・テクノロジーの活用
講師:日本マイクロソフト株式会社 政策渉外・法務本部 中島 麻里弁護士AIで法務業務を変える!働き方が変わる!
講師:日本アイ・ビー・エム株式会社 パートナー(理事) グローバル・ビジネス・サービス事業 鈴木 至氏法務、規制対応におけるテクノロジーの活用について
~Legaltech、Regtechに関する国内外の取り組みを踏まえて~
講師:渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 パートナー 落合 孝文弁護士
各講師のお話のハイライトは、ハッシュタグ 「#法務の未来」をつけて、BUSINESS LAWYERの田上や私から、Twitterで簡単に実況中継させていただきましたが、
- 新たな立法や法改正につながる政策渉外分野への進出
- グレーゾーン解消制度・サンドボックス制度を通じた規制づくりへの関与
- 営業担当者に代わるビジネス交渉・スキーム作り
といった、法務部門がより積極的に関わることで生まれるイノベーションへの期待を各講師からお預かりした4時間のプログラムでした。
リーガルテックで生まれる余力の使い道が法務部門の行く末を左右する
クラウドサインとしてさまざまなリーガルテックイベントを主催・共催し、私もマーケ担当&編集者の一人としてさまざまな関係者のお話を直接伺い、一年の締めくくりにこうしたイベントに参加させていただいて改めて感じたのは、
「リーガルテックで生まれる余力をどこにベットしていくかで、法務部門の行く末が変わる」
ということです。
社内相談対応業務はチャットボットやRPAでその多くが自動化され、
文書作成業務は標準化やAIによる自然言語処理サポートで極端に短時間化し、
契約書の押印・管理は電子契約への移行によってもはや業務とよぶほどの負荷ではなくなり、
人事・財務経理・調達・経営企画といったような他の間接部門と比較しても、テクノロジーの導入による法務部門の余剰時間創出効果は、相当大きなものになるはずです。
その余剰時間を働き方改革の名のもと就業時間の短縮や人的コストカットにとどめるのか、より現場の期待にストレートに応え業務範囲を拡大する動きに使うのかが、今後問われていきます。
今回の各ご登壇者のメッセージは、法務も顧客や社会に直接対応している現場と同様に「社外に出て世の中に直接はたらきかけを行う存在」となることが強く期待されている以上、生まれた余剰時間をそこにあてていくべき、というものであったかと思います。
(橋詰)
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