コントラクトギルドが「契約のPain」に関するリサーチを実施
コントラクトギルドによる活動中間報告です。過去に例を見ない、一般のビジネスパーソンを対象とした「契約に感じるPain」に関するリサーチを実施。契約の未来を創造するためのヒントが得られています。
「契約のPain(苦痛)」を洗い出すリサーチを実施
慶應義塾大学SFCリーガルデザイン・ラボ、株式会社THE GUILDおよび弁護士ドットコムの三者による共同研究として、2018年4月に活動を開始した「コントラクトギルド」。法律面からだけではなく、デザイン、UI/UX、テクノロジーも含めて契約を広く捉え、その未来を共同研究しています。
前回の記事投稿後の3ヶ月間は、メンバーでのミーティング・プロトタイプの試作を定期的に共有しながら、契約の未来を考えるヒントを得るために、一般のビジネスパーソンが感じている「契約のPain(苦痛)」を徹底的に洗い出すリサーチ活動を行なっているところです。
今回は、その様子をご報告させていただければと思います。
第一フェーズ 研究協力有志の皆様へのインタビュー&アンケート
まず最初に行なったのが、一般のビジネスパーソンをペルソナにして、契約に関するPain(苦痛)にどんなものがあるのかを、もれなく抽出する作業。
6月に作成した「契約のPain」をマインドマップをブラッシュアップし、
- 契約の条件交渉をする場面
- 契約書に文書として落とし込む場面
- それぞれの契約当事者が社内承認を得ていく場面
- 電子ファイルを作成、印刷・製本し、郵送する場面
- 契約書を保管・管理する場面
- トラブルや債務不履行が発生して対応する場面
など、細かなシチュエーションを思い浮かべながら、洗い出しをしていきます。
このマインドマップを作り込む過程では、企業法務パーソンや弁護士だけでなく、コントラクトギルドの研究に興味を持ってくださったエンジニア・デザイナー・消費者相談員の方など、十数名の方々を訪問。それぞれ1〜2時間ずつお時間をいただきインタビューを行いながら、検証と修正を重ねました。
ちなみに、この第一フェーズでのインタビュー協力者みなさんから伺った「契約のPain」を分類し数値化してみたのがこちら。
作業の手間や待ち時間よりも、契約交渉のフェーズや相手方の契約不履行のシーンなど、Painの中でも精神的な部分に堪えるものに高めのスコア(赤セルのエリア)が出た、という結果が見て取れます。
第二フェーズ 調査会社を使った一般のビジネスパーソンに対するリサーチ
第一フェーズでは、私たちが持つツテを辿って契約に関心が高い方をインタビュイーとして選出したことから、問題意識に偏りが発生している可能性もありました。
そこで、一般のビジネスパーソンが「契約のPain」をどの様に感じているかをニュートラルに調査をするため、調査会社に委託をし、経営者・営業部門・技術部門の方々に向けたアンケート調査を実施(比較対象として法務部門の方も含む)しています。
このアンケート作成段階では、コントラクトギルドにご参加いただいているTHE GUILDの深津様、慶應義塾大学SFCリーガルデザイン・ラボの水野先生からのご提案もあり、新たな切り口として、「その『契約のPain』を解決するサービスやテクノロジーがあったとしたら、いくらお金を支払うか?」という質問も加えています。
現在、分析作業を行なっているところですが、契約の課題だけではなく、今後のリーガルテック・ビジネスに対するニーズや市場規模を占うこともできそうな、興味深い結果が見えてきています。
コントラクトギルドによる分析結果は今秋発表予定
この分析結果については、今秋には少なくともその一端をお見せできる予定です。
発表の場所・具体的方法等はまだ未定ではあるものの、リサーチペーパーという形だけにするのではなく、可能な限りオープンに結果を共有し、双方向で意見交換ができるような場にできれば、と考えています。
リーガル関連業界のみなさまにも、そうでないみなさまにも、コントラクトギルドの研究が貢献できれば幸いです。
(橋詰)
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