エンジニアと法律家のための勉強会「StudyCode 電子署名と契約」レポート
エンジニアと法律家のための勉強会「StudyCode」。第4回を数える今回は、弊社事業のど真ん中「電子署名と契約」がテーマとなり、電子署名法が抱える課題について問題提起をさせていただきました。
契約系リーガルテック4社が集結
「エンジニアも、法律家も、お互い’Code’を武器に仕事しているのだから、もうちょっと仲良くなれないかな…!」
そんな趣旨から、エンジニアと法律家双方が関心あるテーマを取り上げてショートセッションを行うイベント「StudyCode」。
今回は、「電子署名と契約」をテーマとして取り上げていただいた第4回は、クラウドサインも業務提携させていただいている株式会社LIFULLさまを会場スポンサーに、アドビシステムズ様、GVA法律事務所様、blockhive様、そして弊社と、契約系リーガルテックに関わる企業4社が登壇しました。
電子サイン、契約書のAIレビュー、そしてスマートコントラクト
トップバッターを務めるアドビシステムズの昇塚さまからは、グローバルに利用されるAdobeSignの法的有効性について。
同社サービス紹介を中心に、日本の電子署名法の難解さやクラウド契約の適法性について、時間を割いてご説明をされていました。私が認識している適法性に関する見解とは微妙に異なり若干頭の中が混乱しましたが、新しい切り口から適法性を考えるきっかけをいただきました。
そして、以前本メディアにもご登場くださったGVA法律事務所、山本先生。
契約リーガルテックの本丸、AIを用いた契約書レビューサービス「AI-CON」について、山本先生自らご紹介くださいました。GVAとの顧問契約をやめてAI-CONに乗り換えた顧問先も数社ではじめたとのこと。「喜んでよいのか微妙」とはおっしゃっていたものの、やりようによっては自己否定となりかねない過渡期の痛みを恐れず、法律事務所自らこの新事業に取り組んでいらっしゃるのは、素晴らしいことだと思います。会場からの質問も一番多かったようです。
最後に、おそらくこうしたリーガルテック系企業が集う会では初めてのお目見えとなる、blockhiveの三國慎さま。
彼らが出資するエストニアカンパニー Agrello は、本人認証とブロックチェーンを用いたスマートコントラクトをパッケージで提供する、注目のリーガルテック企業です。こちらについてはまた機会を改めて三國さまに詳細取材の上、本メディアでご紹介したいと思っています。
クラウドサイン丸山から電子署名法の課題について問題提起
弊社からは、弁護士でありながらセールスを担当する丸山が登壇。5月に弊社主催で開催した「契約書タイムバトル」に込めた私たちのメッセージと、そこに重なる電子契約サービスへの思いを、電子署名法が抱える課題と合わせてお話ししました。
電子契約が世界で広く利用されはじめているにも関わらず、これに詳しい法律専門家が数えるほどしかいないのが電子署名法の世界。クラウドサインでは橘、丸山、そして私が外部専門家のお力を借りながら日々研究を重ねています。
そこで我々感じている課題の一つとして、
- 電子署名法が法的に話題となるとき、いつも「個人の本人確認」の困難さばかりが取り上げられる
- しかし、B2Bの契約では本人性の問題よりむしろ「サイナーとなる取締役や部長等がその法人内でその契約を締結する権限があるかどうかの確認」が大事
- それを解決しようとした法律が電子委任状法だが、まだ運用に乗る気配がない
という点が挙げられます。今回、丸山のプレゼンでは、この点についての問題提起をさせていただきました。
実務の世界ではまだあまり問題視されていないこの課題。エンジニアサイドのご参加者が多いこのStudyCodeだからこそ、法律にとらわれずに解決する方法を一緒に考えていただければありがたいなと思い、お話をさせていただきました。
なお、次回のテーマは「裁判・行政のIT化」とのこと。こちらも楽しみです。
(橋詰)
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