リーガルテック業界の未来をつくる「Legal Tech Forum Vol.1」開催レポート
三井住友銀行さまとの共催で、「Legal Tech Forum Vol.1」を開催しました。hubble・enjin・クラウドサインのプレゼンとパネルディスカッションで構成されたイベントの模様をレポートします。
クラウドサインのリーガルテックAPIエコシステム構想
まずは、今回の「Legal Tech Forum」の趣旨説明を兼ね、クラウドサインの橘よりプレゼンをさせていただきました。
リーガルテックAPIエコシステム構想については、弊社プレスリリースでもその趣旨をご説明させていただいたわけですが、橘のスライドからあえて一枚だけピックアップするとすればこちら。
おそらく、数年後には3ケタをゆうに超える数になっているであろうリーガルテックサービス。そうなった時、ユーザーさまがどのサービスを使うかに迷い、個別最適で連携のないサービスにストレスを受ける状態となることを懸念しています。とはいえ、クラウドサインがリーガルテックの全領域を独占するのも、非現実的な未来です。
ユーザーさまが要素ごとにサービスを選べる状態でありつつ、リーガルテック全体がばらばらで使いにくいものにならないことが重要。だからこそ、API公開と連携によってすべてのサービスがシームレスにつながるべき。クラウドサインは、自らAPIを公開し新しいリーガルテックベンチャーを支援することで、リーガルテック業界がユーザーファーストな業界に育っていけるようリードしていきたい。
そんな決意表明をさせていただきました。
hubbleが法務パーソンの能力を最大化する
つづいて、RUC株式会社の早川CEOによるプレゼンへ。
今回の登壇者で唯一弁護士ではない立場から、なぜ法務業務を変えたいと思ったのかを語る早川社長。26才の若さと爽やかさに加え、理路整然とした語り口とわかりやすいhubbleのサービスデモに、会場の食いつき度は高まる一方です。
途中から、法律事務所からスタートアップに飛び込んだ弁護士の酒井CLOも加わって、早川社長との対談形式でのプレゼンに。「法治国家において法務は重要な役割を担う、そこに携わる法務パーソンの力を最大化するための武器がリーガルテック」という言葉に、心強い仲間が業界に加わってくださったことを嬉しく思いました。
16兆円の眠れる獅子たちを起こすenjin
プレゼンパートのトリを飾るのは、株式会社クラスアクションのCEO、伊澤弁護士です。クラウドファンディングのような仕組みを訴訟の世界に取り入れ、少額の詐欺事件などで泣き寝入りしている消費者の力をかんたんに集められるようにした、集団訴訟プラットフォーム enjinの運営を手がけていらっしゃいます。
そこそこ大きな会場にもかかわらず、頑なにマイクを持とうとしない独特のプレゼンスタイルを貫くあたりから、伊澤ワールドに包まれていく会場。
「費用だおれ」を理由に訴訟が起きない16兆円の被害者市場が日本には眠っている、との見立て。集団訴訟を受ける側の企業には、良い意味で緊張感を与えるサービスです。BtoC企業は、enjinのサイトをチェックするのが日課になるのかもしれません。
パネルディスカッション〜懇親会へ
プレゼンの後は、お酒をいただきながら、パネルディスカッション&質問コーナーへ。
三井住友銀行の三嶋さまをモデレーターに、リーガルテックの未来像について、意見交換がなされました。
- スマートコントラクト時代におけるクラウドサインやenjinの次の展開は?
- ローカルにファイルを置かずにWordの履歴管理をするという「魔法」を実現したhubbleの詳細な仕様とは?
- リーガルテックプレイヤー達の連携はどこまで進みそうか?
参加者の半数以上が法務関係者ということもあり、日頃のWord+ローカルPC・サーバーで行っている業務に対するフラストレーションが相当強いのか、hubbleに対する期待を込めた質問が多めだった気がします。
次々繰り出される遠慮のない質問に対し、登壇者のみなさんはオフレコを交えた本音ベースの回答で会場を盛り上げてくださいました。
Legal Tech Forumが広げるオープンAPIムーブメント
さて、今回のリーガルテックフォーラムの準備をしながら、日本のリーガルテックをリストアップする作業を改めて行ってみると、日本でもサービスの数はだんだんと揃ってきたのに対し、APIを公開するサービスはまだまだ少ないことが見てとれます。
橘は将来のリスクとして語りましたが、すでに現段階でも、リーガルテックを採用しようとする先進的なユーザーさまは、サービスが連携されていないこと・どれかに絞り込まなければならないことに、相当なストレスを感じておられるのではないでしょうか。
初期からAPIを公開し、そのおかげで大手SaaSプレイヤーの皆様のパートナーシップに支えていただいた体験を持つクラウドサイン。Legal Tech Forumの開催を通じ、各リーガルテックプレーヤーのみなさまにも我々自身が感じてきたAPI公開のメリットをご提案し、ユーザー本位の業界作りに少しでも寄与できればと考えています。
(橋詰)
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