契約系リーガルテックSeal Softwareが大型提携&資金調達
Seal SoftwareがDocusignとの提携と3000万ドルの大型資金調達を発表。一段と契約系リーガルテックに注目が集まっています。
電子サインのDocusignと提携&3000万ドルの資金調達を実現
「契約系リーガルテックベンチャー10選」でもご紹介していた契約レビューサービスSealを提供するSeal Softwareが、2018年6月20日にプレスリリースを出し、電子サインサービスDocusignとの提携と3000万ドル(1ドル110円換算で33億円)の追加資金調達を行ったことを発表しています。
Seal Software, the leading provider of content discovery and analytics solutions, today unveiled a global partnership with DocuSign (NASDAQ:DOCU) in support of DocuSign’s broader System of Agreement strategy to automate and connect the entire process of how agreements are prepared, signed, enacted and managed. Concurrent with today’s announcement, Seal Software also disclosed that it has secured a $30 million investment from Toba Capital, the company’s principal existing investor, to support its next stage of growth.
DocuSign Total Search (powered by Seal) is designed to drive ‘human discovery’: it will enable customers to centralize all of their digital agreements, organize them using metadata (structural data), and search inside them using natural language terms (unstructured data). DocuSign Intelligent Insights (powered by Seal) is designed to drive ‘machine discovery’: it will use artificial intelligence and machine learning to automatically extract mission critical legal concepts like indemnification, warranty and most favored nation, among others.
Sealは、AIを用い、あらゆる契約書ファイルから必要な文字情報を抽出して検索可能にし、企業が気づいていないリスク、たとえば、自動更新条項の管理漏れや価格再交渉権が設定されているのに活用されていないといったインサイトを分析し、ユーザーに提供するサービスです。
今回の提携により、DocusignのサービスのエクステンションとしてSealの機能が利用できるようになり、Docusignユーザーは電子サインした契約を単に保管するだけでなく、そこに保管するデータを活用することができるようになるものと思われます。サービス提供開始は2018年末を予定しているとのこと。
クラウドサインも、クラウドサインSCANとの連携を軸として紙の契約書も含めたかたちで同様のビジョンを提案していますが、今回の動きをみても、契約情報をデータとして戦略的に活用したいというニーズは、世界に共通して存在していることがわかります。
順調に成長を続ける契約系リーガルテック市場
Seal Softwareが提供する米国調査会社IDCの2017年8月付ホワイトペーパーによれば、Sealがカバーする購買契約分析ソフトウェア市場は、2016年段階で43億ドル、そして2021年までに66億ドルまで成長すると見込まれています。
こうした確実な市場ニーズは投資家の期待も呼び、なんと「契約系リーガルテックベンチャー10選」でご紹介した企業の中からだけでも、今回のSealに加えてJuroが200万ドル、LawGeexが1200万ドルの調達にそれぞれ成功しています。
一方、日本ではどうかと言えば、日本語特有の自然言語処理の複雑さに加え、英米法圏と異なりディープラーニングに必要な大量の契約書データが入手困難なことから、立ち上がりがやや遅くなっている様子も伺えます。そんな中でも、弁護士法人GVA法律事務所による「AI-CON」が、この分野でいち早く日本語対応の商用サービスを開始されるなど、動きも見え始めているところです。
契約系リーガルテック市場への注目は、引き続き高まっていくものと思われます。
(橋詰)
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