お知らせ

GoogleDocsを使ったリーガルe-Sportsイベント「契約書タイムバトル」を開催します


企業における契約交渉の未来はどうなっていくのか?そんな雑談から生まれた冗談のような企画が、様々な方々のご協力を得て、本当に実際のe-Sportsイベントになってしまいました。

法の専門家が挑む新境地 リーガルバトルゲーム 第1回契約書タイムバトル powered by CLOUD SIGN。2018年5月10日に開幕です。

Wordファイル交換方式はビジネスのスピードにいつまで耐えられるのか?

企業法務の担当者をずっと務めてきて、現場から常に期待されてきたこと。高い専門性や倫理観といったことは当然として、圧倒的に強かった期待は「スピード」であり、いつもそのギャップに悩まされてきました。

「現場ではもう話はまとまっているんだから、契約書をはじめとする“ペーパーワーク”は、法務として最短スピードでまとめて欲しい」

多くの場合、現場から話をよく聞けば全然まとまってないことが判明して法務が愕然とするわけです(笑)。しかしどういう状況であれ、せっかく現場が温めた「縁談」が冷めないうちに、どうにかして素早く契約書・定款・登記といった法的に必要な文書を仕立て、無事締結まで持っていくということが基本的なミッションになります。

幸い、インターネットが生まれ、マイクロソフトがWordというツールとWindows95を開発し普及させてくれたこともあって、私たちは、契約の内容を紙に手書きして封筒やFAXで交換するということをせずに、距離の離れた相手と電子的に契約書案を交換できるようになりました。

しかし、WordもWindowsも30年近く前に生まれたツールです。ビジネスのスピードがますます加速する現代、いちいち修正履歴を残して(ときにわざと残さずに)ファイルを送信し返信を待つというプロセスに、もどかしさを感じているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか

きっかけは橘との雑談から

そこで橘と私の間で雑談として何度か話題に上がっていたのが、複数人で同時にWeb上のビデオ会議や文書作成ができるようになった今、Wordファイル交換方式が古いものとなり、「1時間のWebミーティングをしながら、クラウド上で交渉と契約書ドラフティングを同時に終えるようになる」という、近未来の契約交渉の姿です。

よく考えれば、これまでもビジネスの場面で一刻を争うときは、両社から権限を委任された交渉代表者と法務が一同に会して、ひざを詰めあって一つの画面を両者で覗き込み、文言をリアルタイムに調整して締結することもあったわけです。それとほとんど同じ状況が技術的にリモートで実現できる今、こうなっていくのは必然のような気が私にはしています。

GoogleDocsによる契約書のリアルタイムドラフティング
GoogleDocsによる契約書のリアルタイムドラフティング

そんな近未来がくるのかこないのか。くるとしたらいつごろか。その時に企業と法務パーソンに求められる能力とはどんなものになるのか。それらを実際にみんなで集まって実験してみたい。でもせっかく集まるなら楽しいエンターテインメントとして、一般の人が見てもそれなりに楽しめるe-Sportsゲーム仕立てにできないか?

私自身は、これまで自分が関わってきた「法務系ライトニングトーク」ぐらいのイベントを想定していたのですが、橘が自らの思いを込めて発信したところ、東京カルチャーカルチャーさんに興味を持っていただき、この「第1回契約書タイムバトル」の開催に至ります。

第1回契約書タイムバトルの概要

第1回ということで、どうなるかまったく分からないイベントにもかかわらず、趣旨に賛同し選手として参加してくださる方々がこちらの皆さまです。

第1回契約書タイムバトル 出場選手の皆さま
第1回契約書タイムバトル 出場選手の皆さま

詳細はイベントページの出場選手プロフィールをご覧いただければと思います。いずれも若手でありながら法務経験をしっかり積んできたプロフェッショナルな方々。この方々が、1dayトーナメント方式で優勝を争います。実験でありエンターテインメントではありますが、レベルの高いガチ勝負でもあることがお分かりいただけるかと思います。

1回戦では昨日の本メディア記事でもご紹介した経済産業省のNDA(秘密保持契約書)を、2回戦では業務委託契約書(当日公開予定)をバトルフィールドとして、お互いが5分の持ち時間をチェスクロック方式で自由に使って修正し合い、

  • 自社に有利になっているか
  • 法務が唸るような論理・構成の美しさ・妙味が見られるか
  • 法律のプロではない人にもわかりやすいか

といった観点から、こちらもプロ中のプロ、シティライツ法律事務所の伊藤雅浩先生にメインジャッジをお務めいただき、勝敗を判定します。

なお、1回戦のNDAについては、Google Docs形式にしてアップロードし、事前に公開させていただきます。ご覧になって、自分だったらどう戦うかをシミュレーションしていただいて当日を迎えていただくと、さらに楽しめるのではないでしょうか。

▼ 契約書タイムバトル事前公開用_NDA(秘密保持契約書)
https://docs.google.com/document/d/1uNFmnDAVgmK4I8RcrsbpgIi2FqaBUI8O_0bq2lEW-mM/edit?usp=sharing

当日は、私も微力ながら実況を担当させていただく予定です。

詳細および申し込みはこちら

世界を見渡しても、リーガルの世界にはこれまでなかったある種のe-Sportsエンターテインメントイベント。詳細とお申し込みは、東京カルチャーカルチャーさんのサイトおよびPeatixからお願いいたします。

▼ 第1回 契約書タイムバトル powered by CLOUD SIGN(東京カルチャーカルチャー)
http://tokyocultureculture.com/event/general/24073

みなさまにもこの実験的リーガルエンターテインメントイベントにご参加いただき、盛り上げていただければありがたいです。お待ちしております!

(橋詰)

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