士業の立場から「#クラウドサインで投資する」に賛同します — GVA法律事務所 代表弁護士 山本 俊/KEPPLE会計事務所 代表 神先 孝裕
スタートアップ・ベンチャー企業のサポートを得意とされている弁護士の山本先生と公認会計士の神先先生にお集まりいただきました。クラウドサインを起業後の早い段階で導入することのメリットについて、鼎談形式でお話をお伺いします。
顧客層は若いシード〜シリーズCラウンドのスタートアップ・ベンチャー起業が中心
—お二方は、起業間もないスタートアップやベンチャーを中心に多数の顧客を抱えられている士業のお立場でいらっしゃいます。
神先 はい。私が経営するKEPPLE会計事務所は、主に設立登記をこれからしようという段階から、最初のシード・シリーズAファイナンスぐらいまでの、スタートアップ企業が主なクライアントになっています。
以前「サインのリ・デザイン」にも登場なさっていた Skyland Ventures の木下さん、 East Ventures の松山さん、Klab Venturesさんやコロプラネクストさんなど、VCやコーポレートVCからのご紹介でクライアントになっていただくケースがほとんどです。
山本 私どもGVA法律事務所では、シリーズA〜Cラウンドを控えたフェーズのクライアントが多いです。
シード期のクライアントもいらっしゃいますが、エンジェルからシードファイナンスで預かった500万円前後のうち、数十万円を弁護士の費用に使うというのは、なかなか勇気のいることですから。神先先生に相談して軌道に乗り始めたころに、弊所でサポートさせていただく感じです。
神先 2,000〜3,000万円ぐらい調達するフェーズからというところですよね。私も、そのフェーズから、そろそろ弁護士に相談したほうがいいよ、というアドバイスをします。
—そのフェーズの起業家は、知識も経験もほとんど無い段階でしょうから、サポートもご苦労が多そうですね。
神先 これからファイナンスに動こうとしている起業家が相談に来るケースが多いですね。資本政策からサポートして差し上げるケースは少なくありません。最近は、J-KISSなどの新しいファイナンス手法も出てきて、その違いをレクチャーするところからのスタートです。
山本 そうでしょうね。本当は、早いうちからCFOが見つかればいいんでしょうけど、CFO人材は枯渇気味ですし、そううまくはいかないですよね。ファイナンスの専門家ではない私なんかにも、相談しにいらっしゃる起業家はいますよ(笑)。
クラウドサインのオススメポイント
—お二人からは、顧問企業のみなさまに対し、クラウドサインを使うように積極的にご案内いただいているとのこと、ありがとうございます。
神先 投資契約はクラウドサインで、はもちろんのこと、その後も弊所では、最初に顧問企業と締結する顧問契約・マイナンバー合意書の2通をクラウドサインでお願いしています。そうすると、以降も自然と使い続けてくれているようです。
山本 私も同様です。顧問契約はすべてクラウドサインでお願いしています。その他の契約書を顧問企業がどのくらいの頻度で使ってくれているかは正確にはわかりませんが、少なくとも弊所との間で紙は発生しなくなっているので、それだけでもクライアントの負担は減っていると思います。
—特に気に入っていただいている点を教えてください。
神先 まずはいうまでもありませんが、スピードですよね。お互い押印をして締結完了まで1日かかりませんし。
そしてもう一つ気に入っているのが、ユーザーインターフェースのわかりやすさだと思います。実は、弊所では他の電子契約サービスも一部で利用しているのですが、そのサービスは画面を見ても分からない。ここは圧倒的な優位性になっていると思います。実際、こんなメッセージももらったことがあります。
山本 私も使いやすさ・わかりやすさが一番ありがたいところですね。私が弁護士をサポートする事務局に説明しなくても、「クラウドサインっていう電子契約サービスがあるから、これで顧問契約締結しておいて」と一声かけるだけで、彼ら・彼女らは使えている。そのことがありがたいです。事務局も6名ぐらいいますし、入れ替わることもありますので、その度に弁護士が教育する必要があるようだと、それ自体コストですから。
神先 他の電子契約サービスは、確か価格が安かったので一部契約書で使い始めた記憶なんですが・・・あれ、今確認してみたら、最初のキャンペーン価格が安かっただけかもしれない(笑)。
山本 顧問先においては、製本が不要になるというのは、地味ではありますが大きいメリットになっているようです。というのも、紙で締結する契約書を取り扱うと、けっこうな頻度で顧問先から「契約書の製本の仕方」について尋ねられるんですよ。袋とじ、契印、割印の方法なんて習いませんし、口で説明してできたつもりになっていても、確認のため送ってもらうとやり方を間違えていたり、押印箇所を漏らしていりするのがほとんどですから。これがなくなるのもメリットです。
スタートアップ・ベンチャー企業の三種の神器に
—スタートアップ・ベンチャー企業において、クラウドサインに置き換えたら便利な契約というと、どのような契約になりますか。
山本 人材紹介契約は多いはずです。内容的にはそんなに複雑な契約ではないので、私のところに相談が持ち込まれるケースは少ないですが、一人人材を採用するのにも複数の人材紹介会社を使うのは当たり前になっていますから、締結件数は多くなっています。それに続いて発生する雇用契約や人事関連の提出書類もクラウドサインで取り交わせば、管理も楽ですし。
神先 NDA(秘密保持契約)はスタートアップでも多いようですし、締結までのタイムラグを最小化することが求められるシチュエーションがほとんどでしょうから、クラウドサイン向きですね。
マネーフォワードのような会計系のクラウドサービス、SmartHRのような人事系のクラウドサービス、そしてクラウドサインのような法務系のクラウドサービスは、スタートアップの三種の神器になりつつあると思っています。セットで導入して、管理部門業務は会社が大きくなる前からどんどん効率化をはかってほしいところです。
—クラウドサインに課題があるとすれば、どんな点が挙げられるでしょうか。
山本 登記において紙の原本が求められる書類があったり、ほんの一部の契約は法令上書面でなければならないものはありますが、そういうものが発生する頻度は低いですし、大きな問題ではないと思います。
それとは別に、顧問先からたまに言われるのが、電子署名法に準拠していなくて大丈夫か?という点でしょうか。しかし、印鑑証明書のある実印にしても、結局「二段の推定」といって、
- 一段目の推定=本人の印鑑による印影があれば、本人の意思による押印であると推定(最判昭和39.5.12民集18巻4号597頁)
- 二段目の推定=本人の意思による押印があれば、私文書の真正な成立を推定(民事訴訟法 228条4項)
このような「推定の積み重ね」にすぎないので、完璧なものではないということを忘れがちです。それよりも、電子署名で技術的に不正な改ざんがしにくくなっているクラウドサインのような電子契約のほうが、私はよっぽど安心できますね。
神先 会計処理や資本政策をお手伝いする私からは、金融機関など、契約に少々厳格な取引先との契約でも受け入れてくれるような雰囲気が醸成されればいいなと期待しています。スタートアップ企業が導入していても、相手先が受け入れてくれないと困ってしまいますから。
—最近になって、大手金融機関さまからもお問い合わせや具体的なお引き合いをいただくようになっているところでして、風向きが大きく変わってきたのを感じています。
神先 そうなんですね。期待しています。
—本日は、お忙しい中鼎談にお付き合いくださり、ありがとうございました。
(聞き手 橋詰)
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