慶應義塾大学SFCリーガルデザイン・ラボ ORF2017セッションレポート
慶應義塾大学SFC研究所のラボラトリの1つとして2016年10月に発足した「リーガルデザイン・ラボ」が、ついに本格始動。11月22日(水)に開催されたSFC Open Research Forum 2017のセッションを取材しました。
リーガルデザイン・ラボは、新保史生教授や水野祐弁護士だけでなく、SFCの田中浩也教授や水野大二郎准教授、渡辺智暁特任准教授、川本大功特任助教といったデザインやテクノロジー、政策の専門家を中心メンバーとして、AI・ロボット、3Dプリンター、デジタルファブリケーション、ブロックチェーン/スマートコントラクト、プライバシー、宇宙といった、先端領域の法制度を含む社会制度やHuman Law Interaction(人と法の相互作用)のブループリントを描き、その整備・実装のプロトコル・方法論を開発することを目指して設立された研究組織です。
ここで言う「リーガルデザイン」の意味については、水野祐弁護士の著書で詳しく述べられています。以下その一節より。
このような情報化社会において、法律や契約を私たち私人の側から主体的にデザイン(設計)するという視点が重要になる。「リーガルデザイン(法のデザイン)」とは、法の機能を単に規制として捉えるのではなく、物事や社会を促進・ドライブしていくための「潤滑油」のようなものとして捉える考え方である。
水野祐『法のデザイン』P47(フィルムアート社、2017)
今回のセッションでは、上記のようなリーガルデザインの考え方だけにとどまらない、リーガルデザイン・ラボの研究領域とラボの設立経緯、1年間の活動等について水野祐弁護士から発表があった後、ラボのメンバーであり、環境情報学部4年生である須佐和希さんからリーガルデザイン・ラボの研究領域の1つである「リーガル・コミュニケーション」の研究の実例として「パーソナルデータ利活用に向けた法のインタフェースデザイン」についての研究発表、続いてラボのメンバーでもある日本のインターネットの父 村井純教授が加わってのパネルディスカッション、最後にQ&A、という流れで進められました。
パネルディスカッションでは途中オフレコもあり、書き起こしは控えますが、
- 国や行政といった権力、法制度、GAFAのような支配的インターネット企業などによる押しつけ・締めつけから人間を解放し、いかにして新しいルール・競争・協調をデザインしていくか、
- その中で、大学の研究機関であるこのラボがどのような役割を果たしていくべきか
について、各メンバーからの意見と決意の表明がありました。なお、須佐さんによる法のインタフェースに関する発表は、別途記事で詳しくご紹介します。
また、2018年1月29日の夜に、デジタルハリウッド大学駿河台キャンパスにて、一般の方も自由に参加できるオープンラボが開かれることも発表されました。こちらの詳細はラボのWebサイト(http://legal-design.sfc.keio.ac.jp/)で随時公開されるとのこと。
本メディアでも、このリーガルデザイン・ラボの活動を微力ながら支援すべく、継続的にレポートをさせていただく予定です。
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