契約によって与信リスクをなくす新しい契約の世界
「法務の仕事はゆりかごを作るだけじゃなくて墓を作るまで。契約書を作ったあと、債権を回収し取引を無事終えるのを見届けてナンボだ」
「だからこそ与信審査が大事。付き合う相手(取引先)をよく見て、その信用に応じた契約書を作れ」
企業法務のキャリアのはじめのころにいただいた、商社出身の恩師からの教えです。契約書を作成しただけで、もう一仕事終えたかのような達成感に浸ってしまう。そんなとき、この言葉を思い出し、気を引き締め直します。
その恩師に、わざわざ予算を付けてもらい、決算書の数字をベースに帝国データバンクの業界平均値などを引っ張って比較分析する与信管理システムをゼロから作らせてもらったのは、いい経験と勉強になりました。いま思えば、あのとき上司が獲得してくれた予算は、与信リスクと契約条件のバランスの取り方を体に染み込ませるための、私への教育費という思いだったのでしょう。
とはいえ、どんなに与信リスクを見定めても、契約時点の相手の信用が、契約期間を通じて変わらないとも限りません。本来は、契約相手方の与信リスクを定期的に見直し、必要があれば契約書を修正するといったメンテナンスの活動があってもいいはずです。しかし、法務としてそれをきちんとやれている企業が、果たしてどのくらいあるでしょうか?
締結しさえすれば、その時点で支払いも必ずされることが約束される契約書。そういうものがあるのならこうした問題も解決するはずなのですが、残念ながらそんなものはありません。
ないので、それに限りなく近い仕組みを、新しいリーガルテックサービスとして作りました。それが「クラウドサインペイメント」 です。
売り手は、契約書ファイルをクラウドサインにアップロードして決済希望金額を入力。買い手は、その契約条件と金額を確認して承諾。すると決済も完了します。
ベリトランス&クレディセゾンとクラウドサインがシステム連携することで、契約締結のタイミングで決済までをスピーディに完了させ、取引における与信リスクをゼロにする。そんなサービスです。
昨晩開催した「クラウドサインペイメント」披露会見。事業責任者である橘は、単なる与信リスクマネジメントを超えてさらに先の未来、企業のキャッシュフロー改善を目指すと語りました。
契約 → 決済 → 入金までのスピードをこのサービスによって早めることで、日本の中小企業400万社のキャッシュフローを改善する。リーガルテックサービスの開発と提供を通じて、法務の力だけでは成し遂げにくい大きな社会課題の解決に少しでもお役に立てれば、という思いです。
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